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ほうれん草の栄養価は『収穫時期』で変わる?夏・冬採りの違い&冷凍ほうれん草の栄養価

ほうれん草の旬は冬。

旬の時期に収穫される冬のほうれん草は美味しくて栄養豊富、そんなイメージありませんか?

ほうれん草の栄養価は収穫時期によって違いがあるのでしょうか?

夏採り・冬採りのほうれん草の栄養価を比較してみると驚きの結果に!

さらに、冷凍ほうれん草と生のほうれん草の栄養価も比較してみました。

これより記載の数値はすべて「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考にしています。

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【収穫時期で比較】ほうれん草の栄養価

ほうれん草の栄養価は収穫時期によって違うのでしょうか?

ほうれん草 畑 霜 霜が降りている
写真素材ダウンロードサイト【写真AC】

そんな収穫時期による栄養価の違いを冬に収穫する『冬採り』・夏に収穫する『夏採り』の2種類から比べてみました。

  • 冬採り:野菜類/ほうれんそう/葉/冬採り/生
  • 夏採り:野菜類/ほうれんそう/葉/夏採り/生

ほうれん草の旬の時期とは?

<基本>夏・冬のほうれん草の栄養価

まずは基本の栄養価の比較から。

左が『冬採り』、右が『夏採り」となります。

栄養素冬採り夏採り
エネルギー18kcal18kcal
水分92.4g92.4g
たんぱく質2.2g2.2g
脂質0.4g0.4g
炭水化物3.1g3.1g
食物繊維2.8g2.8g
100gあたりの含有量

数値は全く一緒でした。

<ビタミン>夏・冬のほうれん草の栄養価

続いて、ビタミンの含有量を比較します。

栄養素冬採り夏採り
βカロテン(ビタミンA)4200μg4200μg
ビタミンB10.11mg0.11mg
ビタミンB20.20mg0.20mg
ビタミンB60.14mg0.14mg
葉酸210μg210μg
ビタミンC60mg20mg
ビタミンD0μg0μg
ビタミンE2.3mg2.3mg
100gあたりの含有量

また全部一緒じゃないか・・・、と見逃しそうになりますが、一点だけ違う数値が!

それは「ビタミンC」。

『冬採り』では100gあたり60mgですが、『夏採り』では100gあたり20mgと3倍も差が開きました。

ちなみに、後述する通年平均の含有量は100gあたり35gでした。

冬に収穫するほうれん草のビタミンCは圧倒的に多いんだね!

『冬採り』ほうれん草のビタミンCが多い理由は、寒い気温でゆっくり育つため。

気温が高く、あっという間にのびのび育ってしまう『夏採り』ほうれん草は、栄養を充分蓄える前に食べ頃になって収穫されてしまいます。

その分『冬採り』ほうれん草は育つスピードが遅め。

ゆっくり育つことでじっくり栄養が蓄えられ、ビタミンCが増えると考えられます。

また、寒い環境で育ったほうれん草は凍らないように糖分を蓄えるようになり、より甘くうまみを増していくのもポイント!

栄養・味いずれでも『冬採り』ほうれん草の方が優れていると言えるのです。

<ミネラル>夏・冬のほうれん草の栄養価

最後にミネラルの含有量を比較します。

栄養素冬採り夏採り
ナトリウム16mg16mg
カリウム690mg690mg
カルシウム49mg49mg
マグネシウム69mg69mg
リン47mg47mg
2.0mg2.0mg
100gあたりの含有量

ミネラルの含有量は同じでした。

ほうれん草は収穫時期で「ビタミンC」の含有量が変わります。

冷凍ほうれん草の栄養価

ほうれん草は冷凍すると栄養価が変わるのでしょうか?

ほうれん草 冷凍
写真素材ダウンロードサイト【写真AC】

そんな気になる『冷凍ほうれん草』の栄養価を生のほうれん草と比較してみました。

  • 冷凍:野菜類/ほうれんそう/葉/冷凍
  • 生:野菜類/ほうれんそう/葉/通年平均/生

<基本>冷凍ほうれん草の栄養価

まずは基本の栄養価の含有量比較です。

栄養素冷凍
エネルギー22kcal18kcal
水分92.2g92.4g
たんぱく質2.9g2.2g
脂質0.3g0.4g
炭水化物3.4g3.1g
食物繊維3.3g2.8g
100gあたりの含有量

冷凍ほうれん草は生と比べ、エネルギー・たんぱく質・炭水化物・食物繊維が増加、水分・脂質が減少という結果になりました。

脂質以外の栄養素が増え、水分が減っているのは、ほうれん草を冷凍する前に行うブランチング処理が理由と考えられます。

加熱処理は蒸気もしくは熱湯にて行われます。

冷凍前にブランチング処理を行うことで品質の劣化を最小限に食い止めることができます。

ただし、熱湯や蒸気により加熱処理を行うため、水溶性の栄養素が流出するというデメリットも。

加熱することでほうれん草の水分が抜けた分の重さが減り、その分のほうれん草が増えたことで一部栄養素の含有量が増えた、と考えられます。

<ビタミン>冷凍ほうれん草の栄養価

続いて、ほうれん草のビタミンの含有量を比較します。

栄養素冷凍
βカロテン(ビタミンA)5300μg4200μg
ビタミンB10.06mg0.11mg
ビタミンB20.13mg0.20mg
ビタミンB60.10mg0.14mg
葉酸120μg210μg
ビタミンC19mg35mg
ビタミンD0μg0μg
ビタミンE2.9mg2.3mg
100gあたりの含有量

冷凍前に行うブランチングス処理の影響でビタミンB群・ビタミンCといった水溶性ビタミンは軒並み減少しています。

しかし、生のほうれん草を茹でた『茹でほうれん草』の含有量と比べると、ビタミンB群に限り、冷凍ほうれん草の方が栄養が多く残ることも分かります。

茹でほうれん草のビタミンB群
  • ビタミンB1:0.05mg (0.06mg)
  • ビタミンB2:0.11mg (0.13mg)
  • ビタミンB6:0.08mg (0.10mg)
  • 葉酸:110μg (120μg)

()内は『冷凍ほうれん草』の」数値

また、水溶性ではないβカロテン(ビタミンA)やビタミンEなどは増加。

生には劣りますが、茹でたほうれん草と比較すれば冷凍ほうれん草の方がビタミンが豊富であることが分かりました。

生・茹でほうれん草の栄養価を比較すると?

<ミネラル>冷凍ほうれん草の栄養価

最後にミネラルの含有量を比較します。

栄養素冷凍
ナトリウム120mg16mg
カリウム210mg690mg
カルシウム100mg49mg
マグネシウム51mg69mg
リン46mg47mg
1.2mg2.0mg
100gあたりの含有量

冷凍・生のほうれん草のミネラルの含有量の比較において最も目を引くのが「ナトリウム」量の差!

冷凍のほうれん草は100gあたり120mg、生では16mgなので、冷凍するだけで10倍以上も増加しています。

冷凍するだけでナトリウム含有量が10倍以上にも跳ね上がる理由も、やはりブランチング処理が理由。

ほうれん草のブランチングでは重曹、つまり炭酸水素ナトリウムを使用することがあり、そのためナトリウムの含有量が増えることがある、とのことです。

メーカーによってブランチング処理の方法は異なります。

その他の栄養素も見ていくと、

  • 減少
    • カリウム:約70%減
    • マグネシウム:約26%減
    • リン:約2%減
    • 鉄:40%減
  • 増加
    • カリウム:7.5倍増
    • カルシウム:約2倍増

という結果になりました。

冷凍するとカリウムが大幅ダウンするため、腎臓に疾患を持ちカリウム制限を受けている方にはうってつけですね。

冷凍ほうれん草は使い勝手バツグン!

冷凍ほうれん草はブランチング処理により

  • 水溶性の栄養素が減少
  • ナトリウム・カルシウムが増加

という特徴があることが分かりました。

そんな冷凍ほうれん草はアク抜きをする必要がないため使い勝手が良い特長を持ちます。

ほうれん草にはシュウ酸というアクが含まれ、アク抜きをしないまま料理に使うと臭みやえぐみが残ってしまいます。

シュウ酸は水に溶けるという性質を持つため、蒸気や熱湯にて加熱処理を行っている冷凍ほうれん草はアク抜きが済んでいる状態です。

つまり、アク抜きのための下茹でをする必要がなく、そのままor解凍するだけで料理に使えます。

冷凍ほうれん草を上手に活用していけば時短&洗い物も少なくなり、とっても便利ですね。

花緒
花緒

茹でたほうれん草と比べても遜色ない、むしろ一部は豊富に栄養を含む冷凍ほうれん草は健康な食生活をサポートしてくれそうですね♪

【まとめ】いろいろなほうれん草の栄養価を比較

  • ほうれん草は夏採り・冬採りの収穫時期により「ビタミンC」の含有量が変わる
    • 冬採りが夏採りの3倍
  • 冷凍ほうれん草は水溶性の栄養素が減少、それ以外は概ね増加する
  • 冷凍ほうれん草はアク抜き処理の必要がないので使い勝手が良い

ここまで、ほうれん草の栄養価の違いをまとめてみました。

収穫時期や冷凍による栄養価の変化は、調べてみてとても興味深かったです。

何となく栄養価が低そう、というイメージの冷凍ほうれん草の栄養価の意外な高さにも驚いた今回。

時間がないとき・忙しいときは冷凍ほうれん草の使用もありですね。

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