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春菊は生でも食べられる?アク抜きは不要?生・茹でた春菊の栄養価を比較!

冬に多く出回り、独特の風味から好みが分かれがちな「春菊(しゅんぎく)」。

そんな春菊は生でも食べられるのでしょうか?

実は生食OK!?な春菊の意外な特徴についてまとめてみました。

さらに、春菊の生・茹でた後の栄養価の比較から、春菊は生・茹でどちらで食べるべきかも検証します!

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春菊は生食できる?

春菊は生でも食べられます。

春菊
写真素材ダウンロードサイト【写真AC】

ただ、当然ですが、生で食べられる春菊は新鮮なもののみ。

葉先がピンと立っていて、みずみずしいものを選びましょう。

また茎の部分は無理して食べる必要はありませんが、食べたいときは茎が細めの春菊の方が食べやすいですよ。

生食するときはしっかり洗ってから料理に使うことも心がけましょう。

なぜ春菊は生食できるのか?

春菊が生食できるのは、アクの原因であるシュウ酸がほとんど含まれていないため。

そもそも野菜を加熱、特に下茹でするのはアクの原因・シュウ酸を抜くことが目的です。

シュウ酸はエグ味のもととなる成分。

風味を損なうデメリットだけでなく、シュウ酸には

  • カルシウムや鉄分の吸収を阻害する
  • 尿路結石のリスクを高める(尿中で成分が結合するため)

といった大きな健康上のデメリットも持ちます。

そんなシュウ酸には水に溶けやすいという特徴が!

そのため、シュウ酸を取り除くアク抜きでは、熱湯で茹でる『下茹で』の工程が一般的に行われるのですね。

春菊にはそのシュウ酸がほうれん草の4%ほどしか含まれないため、生で食べてもほぼ問題がないといわれています。

ほうれん草のアク抜きについて詳しくは≫

春菊を生で食べるときの注意点

シュウ酸が少ないため生でも食べられる春菊。

しかし、いくら生で食べても安心だからといって食べ過ぎると胃腸に負担がかかります。

春菊の香り成分である『αピネン』や『ペリルアルデヒド』には、整腸作用や消化促進作用、食慾増進作用、胃もたれ改善作用などお腹に良い働きをする効果が期待できます。

だからといって、食べ過ぎると胃や腸に負担が大きくかかり、下痢や腹痛などの症状を引き起こす可能性も!

生の春菊を食べる量はほどほどにしましょう。

花緒
花緒

生の春菊はかさが多いため、そもそも量を食べるのは難しいので食べ過ぎるほど食べることは難しいと思います。よって、そこまで気にする必要はないでしょう。

春菊の香り成分について詳しくは≫

【表で比較】生・茹でた春菊の栄養価

春菊 新鮮
写真素材ダウンロードサイト【写真AC】

生で食べてもOKな春菊ですが、茹でてから食べることが一般的ですよね。

そんな春菊、生の状態と茹でた後ではどちらの方が栄養価が高いのでしょう?

検証のため、生・茹でた春菊100gあたりの栄養価を比較します。

これより記載の数値はすべて「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」のうち、

  • 生:野菜類/しゅんぎく/葉/生
  • 茹で:野菜類/しゅんぎく/葉/ゆで

を参考にしています。

<基本>春菊100gあたりの栄養価

生・茹でた春菊100gあたりの基本の栄養価です。

栄養素茹で
エネルギー20kcal25kcal
水分91.8g91.1g
たんぱく質2.3g2.7g
脂質0.3g0.5g
炭水化物3.9g4.5g
食物繊維3.2g3.7g
100gあたりの含有量

葉もの野菜である春菊は茹でるとかさが減り、食べられる部分が増えます。

実際、上の表を見てみると、生の春菊の水分が91.8gに対し、茹でた春菊では91.1gと0.7g減少。

わずかですが茹でることで水分が抜け、その分、たんぱく質や脂質、炭水化物、食物繊維といった栄養素が増えていますね。

この中で、特に注目すべきは食物繊維の量。

茹でた春菊の100gあたり3.7gもの食物繊維量は、食物繊維が豊富なイメージが強いキノコ並み!

ニンジンやカボチャなどよりも多く、葉物野菜の中でも多め。

春菊に含まれる食物繊維は約75%が不溶性食物繊維ですが、茹でることで不溶性食物繊維の割合は上昇します。

※水溶性食物繊維は水に溶けるためやや減少します。

便秘の予防・解消に効果的な不溶性食物繊維。

腸内細菌のエサとなる水溶性食物繊維も合わせて摂れるため、不足した食物繊維の補給にうってつけと言えますね。

<ビタミン>春菊100gあたりの栄養価

生・茹でた春菊100gあたりに含まれるビタミンです。

栄養素茹で
βカロテン(ビタミンA)4500μg5300μg
ビタミンB10.10mg0.05mg
ビタミンB20.16mg0.08mg
ビタミンB60.13mg0.06mg
葉酸190μg100μg
ビタミンC19mg5mg
ビタミンD0μg0μg
ビタミンE1.8mg2.1mg
100gあたりの含有量

ビタミンには水溶性・脂溶性の2種類があり、水溶性であるビタミンB群やビタミンCの数値は軒並み減少。

しかし、脂溶性であるβカロテンやビタミンEは増加しています。

特にβカロテンは100gあたり5300μgととても豊富!

抗酸化作用や目の保護、粘膜の保護に効果が期待できるβカロテンは体内でビタミンAに変換される栄養素です。

けれども、βカロテンからビタミンAへの変換効率は低め。

そのため摂取目安量をクリアするには、けっこう意識的にβカロテンが多く含まれる食べ物を摂る必要があります。

花緒
花緒

葉物野菜で茹でるとかさが一気に減る春菊なら、一度に量がたくさん摂れるのでオススメですね。

さらに、高い抗酸化作用を持つビタミンEも100gあたり2.1gと多く含まれるため、抗酸化作用を得たい人は茹でた春菊の方が良いでしょう。

ただ、糖質やたんぱく質、脂質の消化にかかわるビタミンB群を効率的に摂取したいなら、栄養が流出しない生の春菊をモリモリ食べた方が良いでしょう。

<ミネラル>春菊100gあたりの栄養価

生・茹でた春菊100gあたりに含まれるミネラルです。

栄養素茹で
ナトリウム73mg42mg
カリウム460mg270mg
カルシウム120mg120mg
マグネシウム26mg24mg
リン44mg44mg
1.7mg1.2mg
100gあたりの含有量

春菊には牛乳(100gあたり110g)を上回るほどのカルシウムが含まれるのが特徴。

そのカルシウムは生でも茹でても100gあたり120mgと変わりません。

また、カリウムも多く含まれますが、水溶性なので茹でると40%以上減少します。

カリウムはナトリウムの排出やむくみ解消に効果的な栄養素ですが、他の野菜にも多く含まれるため、春菊から摂ろうとしなくて大丈夫でしょう。

【まとめ】生・茹でた春菊はどちらが栄養豊富?

  • 食物繊維を多く摂りたいなら『茹でた春菊』
  • ビタミンB群・Cを摂りたいなら『生の春菊』
  • βカロテン・ビタミンEが多いのは『茹でた春菊』
  • 豊富なカルシウムは生・茹ででも変わらない

細かく分けると差はありますが、春菊は生でも茹でても栄養価が高いため、正直、どちらを選んでもあまり変わりはありません。

生の春菊のメリットは水溶性の栄養素がそのまま摂れること。

一方で、茹でた春菊のメリットは、かさが減るので量が食べられることでしょう。

これから寒くなるとより美味しくなる春菊。

新鮮な春菊は生でも食べてみたいですね。

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