カット済みで使いやすい、便利な冷凍ほうれん草。
そんなお役立ち食材・冷凍ほうれん草において心配なのは栄養価ですよね?
冷凍ほうれん草の栄養価は高いのか、茹でほうれん草と比較すると驚きの結果になりました!
さらに、ほうれん草を自宅で冷凍する方法もご紹介しています。
冷凍ほうれん草は解凍してから使う?そんな冷凍ほうれん草の使い方もまとめました。
【比較】冷凍・茹でほうれん草の栄養価
冷凍ほうれん草・茹でほうれん草の栄養価を比較します。
- 冷凍:野菜類/ほうれんそう/葉/冷凍
- 茹で:野菜類/ほうれんそう/葉/通年平均/ゆで
<基本>冷凍・茹でほうれん草の栄養価
まずは基本の栄養価を比較します。
左が『冷凍』、右が『茹で』ほうれん草100gあたりに含まれる数値です。
栄養素 | 冷凍 | 茹で |
---|---|---|
エネルギー | 22kcal | 23kcal |
水分 | 92.2g | 91.5g |
たんぱく質 | 2.9g | 2.6g |
脂質 | 0.3g | 0.5g |
炭水化物 | 3.4g | 4.0g |
食物繊維 | 3.3g | 3.6g |
基本の栄養素では冷凍・茹での両者で大差はありませんでした。
冷凍の方が多いのは水分とたんぱく質のみ。
茹ではエネルギー・脂質・炭水化物・食物繊維においてわずかに冷凍ほうれん草を上回っています。
<ビタミン>冷凍・茹でほうれん草の栄養価
続いてビタミンの栄養価を比較します。
栄養素 | 冷凍 | 茹で |
---|---|---|
βカロテン(ビタミンA) | 5300μg | 5400μg |
ビタミンB1 | 0.06mg | 0.05mg |
ビタミンB2 | 0.13mg | 0.11mg |
ビタミンB6 | 0.10mg | 0.08mg |
葉酸 | 120μg | 110μg |
ビタミンC | 19mg | 19mg |
ビタミンD | 0μg | 0μg |
ビタミンE | 2.9mg | 3.1mg |
ビタミンにおいても冷凍・茹ででほとんど差がありませんでした。
ただ、ビタミンEを除き、ほとんどのビタミンにおいて冷凍が茹での数値をわずかに上回っています。
<ミネラル>冷凍・茹でほうれん草の栄養価
最後はミネラルの含有量を比較します。
栄養素 | 冷凍 | 茹で |
---|---|---|
ナトリウム | 120mg | 10mg |
カリウム | 210mg | 490mg |
カルシウム | 100mg | 69mg |
マグネシウム | 51mg | 40mg |
リン | 46mg | 43mg |
鉄 | 1.2mg | 0.9mg |
ミネラル類では顕著に差が開いた栄養素がいくつかありますね。
そんな顕著な差が現れた「ナトリウム」と「カリウム」について説明していきます。
冷凍ほうれん草のナトリウム
まず「ナトリウム」では冷凍は100gあたり120mg、茹ででは10mgと12倍もの差が開きました。
ちなみに、生のほうれん草のナトリウム量は100gあたり16mg。
明らかにナトリウムが増えているよね。
冷凍ほうれん草のナトリウム量が多いのは、市販の冷凍ほうれん草に施される『ブランチング処理』によるものと考えられます。
『ブランチング処理』とは、冷凍する前に行う加熱処理のこと。
蒸気や熱湯により短時間の加熱を行うことで、品質の劣化を最小限に抑える効果が期待できます。
この『ブランチング処理』には炭酸水素ナトリウム(重曹)が使われることがあり、その使用された炭酸水素ナトリウムが付着したことでナトリウム含有量が増えたと考えられます。
冷凍ほうれん草のカリウム
冷凍ほうれん草のカリウムは100gあたり210mg。
茹でほうれん草の490mgと比べると60%近くも減少し、また生のほうれん草(690mg)からは約70%も減少しています。
カリウムは水に溶けやすい栄養素なので、茹でたほうれん草はもちろん『ブランチング処理』を行う冷凍ほうれん草でも大幅に流出してしまいます。
さらに冷凍することでカリウムはさらに減少。
ナトリウムの排出に役立ち、利尿効果やむくみの改善に効果があるカリウム。
カリウムは健康な方なら積極的に摂りたい栄養素ですが、腎臓に疾患を抱えている方は摂取が制限される栄養素でもあります。
そのため、冷凍ほうれん草をはじめとする冷凍野菜は腎荘疾患のある透析患者向けの献立に活用されることも多い食材だったりします。
冷凍ほうれん草は透析患者などカリウムの摂取制限を受けている方にうってつけの食材といえますね。
また、ミネラルのうちカルシウム・マグネシウム・リン・鉄の含有量はすべて冷凍ほうれん草の方が多いという結果になりました。
急速冷凍などの技術が発達した現在の冷凍食品では、栄養をほとんど損なわないまま長期保存が可能となっています。むしろ冷凍の方が栄養豊富、とも言えますね。
ほうれん草の冷凍・解凍方法
ほうれん草を冷凍・解凍する方法をまとめます。
解凍方法では汁物などの「加熱料理」、おひたし・和え物などの「加熱しない料理」に分けてご紹介しています。
ほうれん草の冷凍方法
ほうれん草は下茹でしてから冷凍するのがオススメです。
ほうれん草は生のまま冷凍することもできますが、アクが強いため、解凍後に下茹でする必要があります。
下茹でしてから冷凍することでアク抜きが済み、料理に使用するとき圧倒的に楽になります。
ほうれん草を冷凍する流れ
- 鍋で湯を沸かし、湯の0.5%分(1リットルあたり5g)ほどの塩を入れる
- 塩を入れ再び沸騰したらほうれん草を根元から入れる
- ほうれん草の全てが熱湯に浸かったら20秒ほど茹でる
- 茹ですぎないように気を付ける
- しんなりした後、素早く冷水に取り、冷ます
- 水気を絞り、5センチほどの使いやすい大きさにカット
- 使う分ずつラップに包む
- チャック付きポリ袋に平らになるよう入れる
- 冷凍庫で冷凍する
ラップで小分けにしておけば使いたい分だけ使えてとても便利です。
ほうれん草が大量に余ってしまった場合などにぜひお試しください。
<加熱料理>冷凍ほうれん草の使い方
加熱料理の場合、冷凍ほうれん草は解凍しないでそのまま使用できます。
また、冷凍ほうれん草は『ブランチング処理』によりアク抜きが済んでいる状態なので、アク抜きの必要がないのもポイント!
さらに『ブランチング処理』により7割ほど火が通っているので加熱時間も短縮できます。
<加熱しない料理>冷凍ほうれん草の使い方
おひたしなど加熱しない料理の場合、冷凍ほうれん草は自然解凍・流水解凍・電子レンジのいずれかの方法で解凍してから料理に使用します。
解凍方法は購入した冷凍ほうれん草の袋の表示に従いましょう。
- 自然解凍:常温(25℃)で1時間~
- 流水解凍:流水にかければすぐ
- 電子レンジ解凍:100gあたり600W・2分
流水解凍が最も手早く解凍できますが、水溶性の栄養が流出してしまうというデメリットも。
急速に解凍される電子レンジ解凍も水分が出やすいので同じです。
時間はかかりますが自然解凍がもっとも栄養の流出が少ないと言えますね。
また、メーカーによっては冷凍されたままで調味料をかけ、解凍しながら味を浸透させられる商品もあります。スゴいですね。
【まとめ】冷凍ほうれん草の栄養価
- 冷凍ほうれん草と茹でほうれん草の栄養価は基本・ビタミンにおいては大差がない
- ミネラルではカリウム以外は冷凍ほうれん草の方が豊富
- ほうれん草の冷凍は下茹でしアク抜きしてから行う
- 冷凍ほうれん草は冷凍のまま加熱料理に使える
- 加熱しない料理の時は解凍してから使用する
ここまでほうれん草の冷凍について「栄養」と「冷凍方法」、「解凍」からまとめてみました。
冷凍しても栄養価に大差がない、というのは使用しやすいポイントですね。
すぐに使えることで人気の冷凍ほうれん草を活用し、時短料理を目指しましょう!