豆腐をとろみのあるピリ辛のスープで煮込んだ麻婆豆腐。
そんな麻婆豆腐の「麻婆」とはどんな意味なのか?気になったので調べてみると、意外な事実が明らかになってしまいました!
また、麻婆豆腐の辛さを決める『辣味・麻味』についてもまとめています。
中華料理の中でも日本人が愛してやまない?麻婆豆腐について、深く掘り下げてみました。
そもそも「麻婆豆腐」とは?
「麻婆豆腐」とは中国、特に四川料理の1つです。
挽肉と中華スパイスを炒め、鶏ガラスープを加えて豆腐を煮込んだ料理ですね。
麻婆豆腐は中華料理の中でも屈指の人気を誇る料理といえます。
少なくとも我が家では大人気で、月に1回は必ず食卓に並ぶほどです。
そんな麻婆豆腐の『麻婆』とは、一体どんな意味なのでしょう?
『麻婆』の意味とは?
麻婆豆腐の『麻婆』は「顔にあばたがあるおかみさん」という意味です。
・・・正直、これだけでは何を言ってるのか分かりませんよね。
この「顔にあばたがあるおかみさん」は麻婆豆腐の生みの親・陳劉氏を指します。
麻婆豆腐は、陳劉氏が夫の経営する飲食店であり合わせの材料から作った料理が元祖と言われています。
その陳劉氏の顔にあばた(麻点)があったため「麻婆豆腐」と呼ばれるようになったとのこと。
ちなみに、陳劉氏が麻婆豆腐を生み出したのは1874年頃、四川省の成都と言われています。
日本では明治7年です。
何となく、中国で昔から親しまれていた料理だと思っていたので、誕生してからまだ150年ほど氏語っていないのは意外ですね。
また、中国語では「麻婆豆腐」の「マーボー(mabo)」は濁らず「マーポー(mapo)」と言われるとのこと。
麻婆茄子・麻婆春雨は日本独自?
麻婆豆腐には豆腐を別の食材に変えた「麻婆茄子(なす)」・「麻婆春雨」があります。
この麻婆茄子と麻婆春雨、てっきり麻婆豆腐のお仲間だと思っていましたが、実は中国では別の料理。
中国では
- 麻婆茄子→魚香茄子(ユーシアンチエズ)
- 麻婆春雨→螞蟻上樹(マーイーシャンシュ)
と呼ばれていて、そもそも味付けや風味、料理法が異なる別の四川料理です。
日本ではどれも同じ味付けで作り方もほぼ同じですが、そもそも「麻婆」という言葉に特定の味付け・料理法はない、というのが事実でした!
麻婆茄子も麻婆春雨も日本独自の食文化から生まれた料理だったのですね・・・。
麻婆豆腐の辛さについて
麻婆豆腐は『辣味(ラーウェイ)』『麻味(マーウェイ)』という2種類の辛さから構成されています。
麻婆豆腐の辛さはこの辣味・麻味の2種類を合わせた麻辣味によって作り上げられています。
ここからは、そんな辣味・麻味についてまとめていきます。
辣味とは
辣味とは唐辛子の辛さを表す言葉です。
ちなみに『ラーウェイ』の他にも『らつみ』という呼び名があります。
辣味の特徴はヒリヒリする唐辛子の辛さ。
麻婆豆腐の赤みがかった色の元でもありますね。
麻味とは
麻味は花椒(かしょう・ホアジャオ)の辛さを表す言葉です。
ちなみに『マーウェイ』だけでなく『まみ』という呼び方もあります。
麻味の特徴は花椒のビリビリ痺れるような辛さ。
唐辛子の辛さとはまた別物の、舌が痺れる辛さです。
初めて花椒を使ったとき、間違えて入れすぎたためしばらく舌が痺れて味が分からなくなりました。そのくらい強烈な辛さです。
唐辛子がストレートな鋭い辛さなら、花椒の辛さは広い範囲にジワジワ広がる鈍い辛さ。
苦手な方も多い辛さですが、香りがよく、本場・四川の麻婆豆腐を求めるなら外せません。
花椒と山椒の違いとは?
日本には、花椒とよく似たスパイスとして「山椒(さんしょう)」があります。
山椒はウナギの蒲焼きにかけて食べるイメージがあるね。
そんな花椒と山椒の違いは原産地です。
花椒の原産地は東アジア、山椒の原産地は日本となります。
いずれもミカン科サンショウ属の植物ですが、種は異なります。
また、山椒の木は雌雄異株ですが、花椒は雌雄同体で雌株のみ。
山椒は1~3メートルほどしか成長しないものの、花椒は7mほどまで育つという違いもあります。
花椒・山椒どちらにも共通の「椒」という字には芳しい・辛みという意味があります。
花椒は熟した赤い実が花のように見えるため「花椒」と、山椒は山になる香り高い辛みのある実であるため「山椒」と呼ばれるようになったと言われています。
花椒を山椒で代用できる?
花椒は山椒に比べれば使う頻度も少なく、手に入りにくいスパイスかもしれません。
そのため、家庭で麻婆豆腐を作る際に『花椒を山椒で代用したい』と考える方もいるでしょう。
花椒と山椒はよく似ているものの、やはり香りや辛みの種類が若干異なります。
しかし、山椒を使用した方が、大抵の日本人にとって食べやすい味になることも事実です。
痺れが強い花椒よりも、痺れが控えめでなじみ深い香りの山椒の方が食べやすいのですね。
よって、本格的な四川の麻婆豆腐を作りたいなら花椒は必須ですが、お子さんがいるなど食べやすさを重視するならむしろ山椒の方がオススメです。
麻婆豆腐のまとめ
- 麻婆豆腐は中国・四川の料理
- 「麻婆」は麻婆豆腐の生みの親の容姿を表した『あばたがあるおかみさん』という意味
- 麻婆茄子・麻婆春雨は日本独自の呼び方
- 麻婆豆腐の辛さは辣味・麻味の2種類からなる
- 辣味は唐辛子の辛さ
- 麻味は花椒の痺れる辛さ
麻婆豆腐の「麻婆」の意味が衝撃的でしたね・・・。
好物だったのに全然知らなかった自分が悲しいです。
そんな麻婆豆腐は、日本独自に進化している部分も多く、日本人好みの味付けになっているのもポイントです。
しかし、これからは辛い&痺れる本格的な四川風麻婆豆腐にも挑戦してみたいと思います!