切り干し大根について、知ると得する情報をまとめてみました。
切り干し大根を料理するとき欠かせない「水戻しの方法」をチェックしましょう。
また、切り干し大根は生で食べられる?
さらに「変色しない保存方法」や高いと噂の「栄養価」についてもまとめました。
そもそも「切り干し大根」とは
切り干し大根は、大根を細長く切って乾燥させた食べ物です。

名前の通り『切ってから干した大根』ですね。
東日本では「切り干し大根」と呼ばれることが多いですが、西日本では「せん切り大根」とも呼ばれます。
また、京都では「軒しのぶ(のきしのぶ)」と呼ばれることもあるとのこと。
切り干し大根の作り方
切り干し大根は、主に大根の旬である秋から冬にかけて作られます。
作り方は、細切りにした大根を天日干しにする、という基本これだけです。
天日干しにするときの気温が低ければ低いほど良質な切り干し大根に仕上がるとのこと。
水分を飛ばし乾物にするため、普通の大根よりも長持ちし、常温保存(夏場以外)も可能です。
切り干し大根の種類
一口に「切り干し大根」と言っても、作り方の違いからいくつかの種類に分けられます。
割り干し大根
縦に四つ割りにした切り干し大根のこと。
一般的な切り干し大根よりも太めに切られているのが特徴です。
茹で干し大根
大根を茹でてから干した切り干し大根のこと。
主に長崎県で作られています。
凍み大根・寒干し大根
読み方は凍み大根(しみだいこん)・寒干し大根(かんぼしだいこん)です。
冬に多くの雪が積もる、主に東北地方で作られる切り干し大根です。
雪の下で育った大根を下茹でしてから乾燥させる切り干し大根となります。
真冬の軒下につるすことで『夜は凍り、日中に融ける』を繰り返すことでしっかり乾燥するとのこと。
※参考 凍み大根の通販
切り干し大根の食べ方
切り干し大根の食べ方としてポピュラーなのが煮物。

醤油と砂糖で味付けした甘辛味が噛むたびにジュワッ溢れるのはたまりませんよね。
そんな煮物など、切り干し大根を料理に使う際には、まず水戻しを行う必要があります。
切り干し大根の水戻し方法
切り干し大根の水戻し方法の手順です。
- 切り干し大根をボウルに入れる
- 水をかけながら、軽くもみ洗いを行う
- 一旦水を捨て、もう一度水に浸けもみ洗いを行う
- 少し水を切ったら、きれいなたっぷりの水に切り干し大根を浸す
商品によって異なりますが、戻し時間は15~20分ほどだと思います。
詳しい戻し時間は切り干し大根のパッケージなどを参考にしてください。
水戻しした切り干し大根は約4倍の量に増えます。
また、切り干し大根を戻した水(戻し汁)は切り干し大根の栄養が溶けているので、そのまま捨てるのはもったいないです!
切り干し大根の戻し汁は『煮物の煮汁』にするか『お味噌汁』などに活用すると無駄がありません。

戻し汁の色は茶色、味はやや甘味が付き、香りは強くないので、お味噌汁に使ってもほぼ色や味、風味は変わりません。むしろまろやかになります。
切り干し大根は生で食べられる?
切り干し大根は生で食べられます。
煮物のイメージが強いですが、水で戻しただけで食べてもOKです。

もともと大根は生で食べられる野菜だから、乾燥させた切り干し大根も生で食べられるんだね。
水で戻しただけの切り干し大根は、水を切り、そのままサラダなどに活用できます。
加熱しない切り干し大根は煮物とは違いシャキシャキとした歯ごたえがあり、食べ応えバッチリです。
ただ「生で食べるのは少し心配・・・」という方もいるでしょう。
そんなときは、水戻しした切り干し大根を沸騰したお湯でサッと茹でることをオススメします。
軽く湯通しさせれば、シャキシャキ食感は残り、かつ安心して食べられますね。
切り干し大根の保存期間・方法
切り干し大根は乾物なので長期保存が可能な食品です。

そんな切り干し大根の保存期間は3~6カ月ほど。
乾物の中では意外と短めかもしれませんね。
また、切り干し大根は冷蔵庫での保存をオススメします。
常温保存もできますが、特に夏場など暑い季節は変色が進んだり、匂ってきたりするため、品質劣化を防ぐためにも購入したら冷蔵保存を心がけましょう。
切り干し大根の冷凍保存について
切り干し大根は水戻ししてから冷凍保存しましょう。
水で戻し、水気をしっかり切ってから冷凍用保存袋に入れ冷凍します。
水戻ししてから冷凍保存すれば、凍ったままの状態で味噌汁などの料理に使用できるので楽チンです。
冷凍切り干し大根の保存期間は1カ月以内となります。
切り干し大根の栄養価
切り干し大根は同じ量の生の大根と比べ、遥かに栄養価が高い食べ物です。
この高い栄養価は、干して水分が飛んでいるため。
生の大根は100gあたり94.6gもの水分を含んでいます。実に95%弱が水分です。
しかし、切り干し大根の水分量は100gあたり8.4g。
生の大根と切り干し大根水分量の差は約11倍。
切り干し大根は水分が抜けた分、栄養がギュッと凝縮されているのですね。
ここからは、そんな切り干し大根の栄養価を数値から掘り下げていきます
また、切り干し大根は1袋あたり25~30g入りで販売されていることが多い食品です。
そのため、ここからは「切り干し大根・30gあたりの栄養価」をご紹介していきます。
切り干し大根<基本>の栄養価
まずは、カロリー(エネルギー)やたんぱく質など基本の栄養価です。
栄養素 | 30gあたりの含有量 |
エネルギー | 84kcal |
水分 | 2.5g |
たんぱく質 | 2.9g |
脂質 | 0.2g |
炭水化物 | 20.9g |
食物繊維 水溶性食物繊維 不溶性食物繊維 | 6.4g 1.6g 4.8g |
切り干し大根は水分が少ない分、他の栄養素が占める割合が高くなっています。
そのなかでも炭水化物は30gあたり20.9gと全体の2/3以上を占めています。
しかし、その分食物繊維の量も30gあたり6.4gと豊富で、全体の1/5以上も含まれています。
「糖質=炭水化物-食物繊維」なので糖質量は30gあたり14.5gですが、やはり全体の半分弱と糖質は若干多めかもしれません。
ただし、たんぱく質も2.9gとけっこう豊富です。
全体的に栄養価が高いので、糖質量だけを気にする必要はないかもしれません。
切り干し大根<ビタミン>の栄養価
つづいて、切り干し大根のビタミンです。
栄養素 | 30gあたりの含有量 |
βカロテン(ビタミンA) | 1μg |
ビタミンB1 | 0.11mg |
ビタミンB2 | 0.06mg |
ナイアシン | 1.4mg |
ビタミンB6 | 0.09mg |
葉酸 | 63μg |
パントテン酸 | 0.37mg |
ビタミンC | 8mg |
切り干し大根はビタミンのうちビタミンB群を豊富に含みます。
ビタミンB群のほとんどは代謝を担う酵素の働きをサポートする「補酵素」です。
※代謝:摂取した栄養をエネルギーに変換する働き。
糖質・アミノ酸・脂質などが体内でしっかりエネルギーとして活用されるためにも、ビタミンB群を豊富に含む切り干し大根を食べましょう。
切り干し大根<ミネラル>の栄養価
最後は切り干し大根のミネラル(無機質)です。
栄養素 | 30gあたりの含有量 |
ナトリウム | 63mg |
カリウム | 1100mg |
カルシウム | 150mg |
マグネシウム | 48mg |
リン | 66mg |
鉄 | 0.9mg |
ミネラルは総じて豊富ですが、その中でもカリウムの含有量は圧倒的!
30gあたり1100mgというのは、他の食品などと比べても断トツの豊富さです。
カリウムは『ナトリウムの排出』『利尿作用(むくみ解消)』などの効果があり、特に夏場に多く摂るべき栄養素です。
さらに、カルシウムも30gあたり150mgと多く含まれているのが特長です。
カルシウムは『骨や歯を作る』『血液の凝固作用』『神経・筋肉の働きを正常化』させる働きがあり、特に成長期の子どもは積極的に摂るべき栄養素です。
乾物でかさが少ない切り干し大根なら、効率的にカリウム・カルシウムが摂れそうですね。