体調が悪いときでも食べやすいお粥。
『お米やごはんを多めの水で煮るだけ』のお粥ですが、実はおいしく作るのが意外と難しい料理でもあります。
お粥をおいしく作るにはお米&水の分量が大切です!
そんなおいしいお粥を作るお米・水の分量をお粥の柔らかさごとにチェックしましょう。
そもそも「お粥」とは
「お粥(おかゆ)」とは主にお米を多めの水で柔らかく煮た料理です。

お米を柔らかく煮たお粥は消化が良く、胃・腸が弱っているときでも食べやすいのが特長です。
さらに、温かいうちに食べることが多く、身体を温める効果も期待できます。

風邪や熱を出したときなど体調が悪いときはもちろん、離乳食や介護食としても活躍する料理ですね。
お粥を作ったときに出る上澄み液は「重湯(おもゆ)」と呼ばれ、この重湯も離乳食・介護食に重宝されます。
ちなみに、よく似た料理として「雑炊」「おじや」などがありますが、この雑炊・おじやとお粥には大きな違いはありません。
また、いわゆる普通のお米・うるち米で作るお粥は「白粥(しらかゆ)」と呼ばれます。
作り方で変わるお粥の名前
お粥の名前は
- 生米→「炊き粥」
- 炊いたごはん→「入れ粥」
というように、使用するお米の状態によって呼び方が変わります。

我が家では面倒なのでもっぱら「入れ粥」しか作りません・・・。
水分量で変わるお粥の名前
お粥の名前は入れる水分の量でも変わります。
まず、いわゆる普通のお粥で、全てのお粥の基準となる「全粥」は『米:水=1:5』の比率で作られます。

つまり生米から全粥を作る場合は、お米の量に対し、お米の5倍の量の水を加えれば良いのだね。
そして、この全粥を基準にして「全粥に加える水分量の違い」により呼び方が異なります。
お粥の名前 | 「全粥:水」の比率 | 「米:水」の比率 |
七分粥 | 7:3 | 1:7 |
五分粥 | 5:5 | 1:10 |
三分粥 | 3:7 | 1:20 |
七分粥の場合は『七分粥(全体)を10とすると、全粥が占める割合は7、水が占める割合は3』ということ。
つまり、100g分の七分粥を作る場合は『70gの全粥』と『30gの水』を用意するということになります。
七分粥の炊き粥を作る場合は、お米と水分を1:7の比率で入れればOKです。
○倍粥について
↑の「○分粥」に対し、米に対し水を何倍量加えるかを表すのが「○倍粥」という考え方です。
この考え方では全粥は米の量・1に対し水の量がその5倍なので『五倍粥』となります。
他のお粥についてもまとめると↓のようになります。
○分粥 | 米:水の比率 | ○倍粥 |
全粥 | 1:5 | 五倍粥 |
七分粥 | 1:7 | 七倍粥 |
五分粥 | 1:10 | 十倍粥 |
三分粥 | 1:20 | 二十倍粥 |
- 「○分粥」全体量に占める全粥の割合を表す
- 「○倍粥」米の量に対し水が何倍の量であるかを表す
ここからは「入れ粥」「炊き粥」ごとにお粥のお米・水の分量&作り方をまとめていきます。
【炊き粥】生米から作るお粥の分量
生米から作るお粥「炊き粥」のお米・水の分量です。

まず、お米の分量は「一合分」とします。
お米一合分は180mlです。1カップ弱ですね。
炊飯する前のお米一合は約150gとなります。
お米一合分・180mlあたりの水分量をまとめてみると↓のようになります。
お粥の種類 | 生米一合分の水分量 |
全粥 | 750ml |
七分粥 | 1050ml |
五分粥 | 1500ml |
三分粥 | 3000ml |

七分粥くらいまでなら作れそうですが、五分粥・三分粥は水の量が多すぎて困りますね・・・。
したがって、出来上がりの量が全て500g前後になるように揃えてみます。
お粥:水分の倍率 | 生米の量 | 水分の量 | 合計 |
全粥:5倍 | 80g | 400ml | 480g |
七分粥:7倍 | 60g | 420ml | 480g |
五分粥:10倍 | 45g | 450ml | 500g |
三分粥:20倍 | 25g | 500ml | 525g |
↑の分量で2人分となります。

三分粥になるとほとんど水ばかりになりますね。
★おまけ★そもそも「ごはん」の水分量は?
お粥ではなく普通にごはんを炊くときの水分量の比率は「米:水=1:1.1~1.2」です。
お米は1合あたり約180mlなので、必要な水分量は200mlほど。
土鍋など炊く容器によって水分量はやや異なりますが、硬く炊き上げたければ水を少なめに、柔らかく炊き上げたければ水を多めに調節するのがオススメです。
【入れ粥】炊いたごはんで作るお粥の分量
炊いたごはんで作るお粥「入れ粥」のお米・水の分量です。

炊飯した後のごはん一合分は約350gです。
また、炊飯した後のごはんを全粥と同じくらいの柔らかさに煮るためには、ごはんと水を「1:2」の比率にします。
つまり、一合分のごはんを全粥にする場合に必要な水分量は700mlです。
また、他の柔らかさのお粥にする場合の水分量は、ごはんの量に対し
- 全粥:2倍
- 七分粥:3倍
- 五分粥:4倍
- 三分粥:8倍
となります。
ただ、一合分のごはんをお粥にすると全粥の時点でも多すぎるので、出来上がりの量が500g前後になる分量でまとめてみます。
お粥:水分の倍率 | ごはんの量 | 水分の量 | 合計 |
全粥:2倍 | 150g | 300ml | 450g |
七分粥:3倍 | 125g | 375ml | 500g |
五分粥:4倍 | 100g | 400ml | 500g |
三分粥:8倍 | 55g | 440ml | 495g |
入れ粥のお粥もおおよそ2人分の量となります。
<まとめ>米・ごはんの量に対する水分量の倍率
お粥を作るときの米・ごはんに対する水分量の倍率を一覧表にしました。
炊き粥:全粥 | 5倍 |
炊き粥:七分粥 | 7倍 |
炊き粥:五分粥 | 10倍 |
炊き粥:三分粥 | 20倍 |
入れ粥:全粥 | 2倍 |
入れ粥:七分粥 | 3倍 |
入れ粥:五分粥 | 4倍 |
入れ粥:三分粥 | 8倍 |
ぜひご家庭でお粥を作る際に↑の倍率を参考にしてみてくださいね♪