赤みがかった根元が特徴のほうれん草。
そんなほうれん草の根元は食べても大丈夫なのでしょうか?
ほうれん草の根元が赤い理由を調べると、意外な栄養の秘密が明らかに!
さらに、根元だけではなく茎まで赤い「サラダほうれん草」についても調べてました。
ほうれん草の赤い根元は食べられる?
ほうれん草の赤い根元は食べられます。

赤みがかっていると毒?体に悪い?と思ってしまいがちですが、ほうれん草の赤い根元はむしろ栄養豊富!
そんなほうれん草の赤い根元の正体や栄養価、料理の一手間についてまとめていきます。
ちなみに、レタスの赤くなった部分も安全に食べられるってご存じですか?
ほうれん草の根元の赤い正体は?
ほうれん草の根元を赤くしている正体は「ベタシアニン」という色素成分です。
ベタシアニンは赤色や紫色の色素。
ウクライナ料理・ボルシチの材料であるビーツに含まれる色素でもあります。

ベタシアニンはポリフェノールの一種で、高い抗酸化作用を持ちます。
抗酸化とは、体を老化させる『活性酸素』の増加を防ぐ働きのこと。
活性酸素が増えると、体内では生活習慣病やガンのリスクが高まり、目に見える部分ではシミやシワが目立つようになります。
ほうれん草に含まれるベタシアニンはわずかですが、できることなら取りこぼしのないよう摂取したいですね。
ほうれん草の根元に含まれる栄養
ほうれん草の根元には「マンガン」が多く含まれます。
マンガンはミネラルの一種で、穀類などに多く含まれる栄養素。
- 酵素の働きをサポート
- 骨の発育に役立つ
- 抗酸化作用
という働きを持ちます。
『骨の発育に役立つ』という働きから発育期・成長期には欠かせません。
不足すると骨格不全などを引き起こす可能性もあり、成長期の子どもには積極的に摂らせるべき栄養素といえます。
マンガンは生のほうれん草で100gあたり0.32mg、茹でほうれん草では0.33mg含まれます。
これは1日のマンガン摂取目安量の10%弱の量となります。
※1日あたりのマンガン摂取目安量は男性は4.0mg、女性は3.5mgです。
水溶性ではないため茹でても含有量は変わらないのが特長ですね。
根元まで柔らかい一手間とは
ほうれん草の根元は葉の部分と比べて太く、加熱しても硬いままで食べづらいのがデメリット。
そんな太くて硬いほうれん草の根元は下茹でする前に「十字の切り込み」を入れるのがオススメです。
火が通りやすくなるので、加熱しすぎの防止、水っぽくベチャッとなるのを防ぎます。
また、茹ですぎ防止は水溶性の栄養素の流出を食い止めることにもつながり一石二鳥ですね。

いちいち切れ込みを入れるのは面倒・・・、という場合は特に太い数本だけでも大丈夫です。
茎まで赤い「サラダほうれん草」とは?
サラダほうれん草とは加熱せずに生のまま食べられるほうれん草の総称です。

品種改良によりアク・エグ味が少なく、生で食べられるのがサラダほうれん草の特徴。
名前の通り、サラダにして食べるのが一般的です。
そんなサラダほうれん草は全ての種類の茎が赤いわけではありません。
一般的な加熱するほうれん草のように、茎が緑色のサラダほうれん草もあります。
茎が赤いものは『赤茎(赤軸)ほうれん草』とも呼ばれます。
この『赤茎(赤軸)ほうれん草』のうち、10~30日以内に収穫されたものはベビーリーフとして他の葉物野菜と一緒に販売されることも。
ベビーリーフは生食できる若い葉物野菜の総称。
エグ味・青臭さも少なく食べやすいのはもちろん、加熱すると失われる栄養素もそのまま摂れるので栄養価が高いのもポイントです。
赤茎(赤軸)ほうれん草の茎が赤い理由
赤茎(赤軸)ほうれん草の茎が赤いのはスイスチャードとの交配により作られた種類だからです。
スイスチャード(Swiss chard)の別名はフダンソウ(不断草)。
ほうれん草と同じヒユ科の植物です。
このスイスチャードは茎が赤や黄色などカラフルなのが特徴です。

ほうれん草と味わいが似ているスイスチャードもアクが強く、大抵の種類で下茹でが必要です。
しかし、茎が赤いレッドチャードと呼ばれる種類はアクが少ないので生食用として流通、ベビーリーフの一種としても販売されています。
このレッドチャードとほうれん草を交配させてできた種類が赤茎(赤軸)ほうれん草なのだと思われます。

サラダほうれん草は加熱しても食べられます。しかし、生でも食べられるが魅力なので、生食した方が味も栄養の面でも良いかと思います。
また、スイスチャードの茎をカラフルにしているのはベタレイン色素。
ベタレインはポリフェノールの一種である色素成分です。
ほうれん草の根元を赤くしているベタシアニンもこのベタレインの一種だったりします。
ほうれん草の根元を赤くしているのも、茎を赤くしているのも同じ色素によるものだったのですね。
【まとめ】根元・茎が赤いほうれん草について
- ほうれん草の赤い根元は食べても問題なし
- 根元が赤いのは『ベタシアニン』というポリフェノールによるもの
- 根元には骨の発育に役立つ「マンガン」が多く含まれる
- サラダほうれん草は生食できるほうれん草の総称
- サラダほうれん草のうち茎が赤い種類を『赤茎(赤軸)ほうれん草」と呼ぶ
- 茎が赤いのはスイスチャードとほうれん草を交配させたため
ここまで、ほうれん草の赤い根元や茎まで赤いサラダほうれん草についてまとめてみました。
根元が赤くても、茎が赤くてもほうれん草は食べられる!
むしろ赤い部分は栄養価が高いということも分かり、これからは極力捨てずに食べていきたいと思います。