日本を代表する冬に欠かせない野菜と言えば大根。
そんな大根と見た目・味がよく似ているのが、同じく冬に美味しいかぶです。
この大根とかぶ、根の長さ以外に違いはあるのでしょうか?
その違いを探るべく、大根・かぶの違いを
- 分類
- 旬
- 栄養
という3つの観点から調べ、まとめてみました!
大根とかぶって、あまりにも似ているから同じ仲間だと思ってたよ。
けれど、実は違う野菜なのかな?
大根・かぶの違い①:分類
大根とかぶの分類上の違いについてまとめます。
大根の分類
大根はアブラナ科ダイコン属の越年草です。
「アブラナ」と言えば、春になると河原などに生えている黄色い菜の花が思い浮かぶと思います。
アブラナ科はその菜の花を含んだ科です。
そのうち大根はダイコン属に含まれます。
ダイコン属には青首大根など日本で親しまれている大根をはじめ、貝割れ大根やラディッシュ(二十日大根)も含まれます.
しかし、反対に「大根」と名付けられながらもダイコン属に分類されないものも。
- 花大根(アブラナ科ハナダイコン属)
- わさび大根(アブラナ科ワサビダイコン属)
- 砂糖大根(アカザ科テンサイ属)
この3種類は和名では「~大根」と呼ばれますが、見た目が似ているだけで厳密には違う仲間です。
かぶの分類
かぶはアブラナ科アブラナ属の越年草です。
アブラナ属には、分類の名前になっているアブラナ(菜の花)をはじめ、なじみ深い野菜が多く含まれています。
その一部をまとめてみました。
- 水菜
- 小松菜
- 白菜
- チンゲンサイ
- ブロッコリー
- カリフラワー
- キャベツ
- ザーサイ
有名な野菜ばっかりだね!
分類の違い
大根とかぶは同じアブラナ科の野菜です。
しかし、大根はダイコン属、かぶはアブラナ属と属から違う野菜でした。
大根とかぶは似ていますが、分類上だとかぶは大根よりキャベツや白菜の方が近い存在でした。
大根・かぶの違い②:旬
大根もかぶも冬に多く出回る冬野菜です。
しかし、詳しい旬はどうなのでしょうか?
大根の旬
大根の旬は寒さが厳しさを増す11~12月の初冬です。
ただ、近年では栽培技術の向上などから1年を通して市場に出回り、現在では春夏秋冬、いずれの季節でも収穫されています。
しかし、やはり旬は冬。
冬に収穫した大根の方が甘味が強く、夏は辛味が強い傾向にあります。
寒さが甘味を増幅させるのかな?
スーパーでも、冬の大根は1本・100円前後とお買い得ですよね。
一方、夏の大根は200円以上と倍の値段。
通年出回るようになってもやはり旬は冬と言えるでしょう。
かぶの旬
かぶの旬は11~1月と冬の前半ごろです。
旬のかぶは甘くみずみずしい食感が特徴。
生でも食べられ、葉も新鮮なまま売られていることが多い印象です。
また、かぶは大根と比べると、冬以外の季節に見かけることは少ないですよね。
さらに、かぶの別名「すずな」は冬の季語として古くから親しまれてきました。
そのため、代表的な冬野菜と言えるでしょう。
旬の違い
大根とかぶの旬は同じ初冬です。
そのため、旬に違いはありませんでした。
大根・かぶはどちらも1月に七草粥として食べられる春の七草に含まれる野菜。
そのため、旬に大きな違いがあっても不思議ではありませんね。
大根とかぶはいずれも寒くなる11月ごろに旬を迎え、年が変わるころまで収穫期が続きます。
しかし現在の大根は1年を通して収穫できることから、通年野菜とも言える状態でした。
ただし、大根・かぶどちらも冬のものの方が甘味が強く美味しい時期。
美味しく食べられる時期という意味では、大根・かぶどちらもやはり冬が旬と言えますね。
大根・かぶの違い③:栄養
見た目だけでなく味や食感も似ている大根とかぶ。
そんな大根・かぶの栄養に大きな違いはあるのでしょうか?
大根の栄養(100gあたり)
大根は根・葉で含まれる栄養に大きな差があります。
よって、根・葉ごとに栄養の違いをまとめていきます。
大根・根の栄養(生・皮付き)
- エネルギー 18kcal
- 水分 94.6g
- たんぱく質 0.5g
- 脂質 0.1g
- 炭水化物 4.1g
- 食物繊維 1.4g
- ビタミンC 12mg
- 葉酸 34μg
- ナトリウム 19mg
- カリウム 230mg
- カルシウム 24mg
- マグネシウム 10mg
- リン 18mg
- 鉄 0.2mg
大根・葉の栄養(生)
- エネルギー 25kcal
- 水分 90.6g
- たんぱく質 2.2g
- 脂質 0.1g
- 炭水化物 5.3g
- 食物繊維 4g
- βカロテン 3900μg
- ビタミンC 53mg
- ビタミンE 3.9mg
- ビタミンK 270μg
- 葉酸 140μg
- ナトリウム 48mg
- カリウム 400mg
- カルシウム 260mg
- マグネシウム 22mg
- リン 52mg
- 鉄 3.1mg
かぶの栄養(100gあたり)
かぶもだいこん同様、根と葉で栄養に大きな違いがあります。
そのため、かぶも根・葉に分けて栄養をまとめます。
かぶ・根の栄養(生)
- エネルギー 20kcal
- 水分 93.9g
- たんぱく質 0.7g
- 脂質 0.1g
- 炭水化物 4.6g
- 食物繊維 1.5g
- ビタミンC 19mg
- 葉酸 48μg
- ナトリウム 5mg
- カリウム 280mg
- カルシウム 24mg
- マグネシウム 8mg
- リン 28mg
- 鉄 0.3mg
かぶ・葉の栄養
- エネルギー 20kcal
- 水分 92.3g
- たんぱく質 0.1g
- 脂質 3.9g
- 炭水化物 1.4g
- 食物繊維 2.9g
- βカロテン 2800μg
- ビタミンC 82mg
- ビタミンE 3.2mg
- ビタミンK 340μg
- 葉酸 110μg
- ナトリウム 15mg
- カリウム 330mg
- カルシウム 250mg
- マグネシウム 25mg
- リン 42mg
- 鉄 2.1mg
大根・かぶ「根」の栄養比較
根の栄養(100gあたり) | 大根(生・皮付き) | かぶ(生) |
---|---|---|
エネルギー | 18kcal | 20kcal |
水分 | 94.6g | 93.9g |
たんぱく質 | 0.5g | 0.7g |
脂質 | 0.1g | 0.1g |
炭水化物 | 4.1g | 4.6g |
食物繊維 | 1.4g | 1.5g |
ビタミンC | 12mg | 19mg |
葉酸 | 34μg | 48μg |
ナトリウム | 19mg | 5mg |
カリウム | 230mg | 280mg |
カルシウム | 24mg | 24mg |
マグネシウム | 10mg | 8mg |
リン | 18mg | 28mg |
鉄 | 0.2mg | 0.3mg |
表にしてみると、大根とかぶの根の栄養に大きな違いはありませんでした。
ただ、数値を見るとおおむねかぶの方が栄養価が高いと言えるでしょう。
大根・かぶ「葉」の栄養比較
葉の栄養(100gあたり) | 大根(生) | かぶ |
---|---|---|
エネルギー | 25kcal | 20kcal |
水分 | 90.6g | 92.3g |
たんぱく質 | 2.2g | 0.1g |
脂質 | 0.1g | 3.9g |
炭水化物 | 5.3g | 1.4g |
食物繊維 | 4g | 2.9g |
βカロテン | 3900μg | 2800μg |
ビタミンC | 53mg | 82mg |
ビタミンE | 3.9mg | 3.2mg |
ビタミンK | 270μg | 340μg |
葉酸 | 140μg | 110μg |
ナトリウム | 48mg | 15mg |
カリウム | 400mg | 330mg |
カルシウム | 260mg | 250mg |
マグネシウム | 22mg | 25mg |
リン | 52mg | 42mg |
鉄 | 3.1mg | 2.1mg |
大根・かぶの葉の栄養は、一部で大きな違いが見られました。
まず、脂質では大根が0.1gに対し、かぶは3.9g。
また炭水化物では大根が5.3gでかぶは1.4gでした。
このことから、大根の葉は炭水化物が多く、かぶの葉は脂質が多いことが分かります。
また、βカロテンは大根の方が1000μg以上豊富。
一方ビタミンCはかぶの葉の方が多く含まれていました。
さらに、ナトリウムは大根がかぶの3倍以上も多く含みます。
葉では根と違い栄養成分量に違いが表れました。
まとめ
大根とかぶの違いは、
- 分類ではアブラナ科まで同じ。しかし、大根はダイコン属、かぶはアブラナ属だった。
- 旬はいずれも初冬あたりで違いはない。
- 栄養は、根は大差なく、葉は脂質・炭水化物・ビタミンC・ナトリウムなど一部栄養素で大きな差が出た。
見た目や味、料理法が似ている大根とかぶの違いをまとめました。
わたし個人では、かぶが大根よりキャベツ・白菜などの方が近い分類であることが驚きでした。
寒い時期の食卓に欠かせない大根とかぶについて少し詳しくなれましたね♪