サラダのトッピングに大活躍する貝割れ大根。
冬野菜である大根と違い、1年中同じ値段で売られている庶民の味方のイメージがありますよね。
そんな貝割れ大根ですが、どうして「大根」と名前が付いているのでしょう?
そもそも、貝割れ大根ってどんな野菜?
今回は、そんな謎多き野菜・貝割れ大根の秘密を探っていきたいと思います!
大根と栄養価の違いも詳しくまとめてみました!
どうして、他の野菜と違ってパックに入って売られているんだろう?
そもそも「貝割れ大根」とは
貝割れ大根は発芽直後の大根のことです。
Wikipediaには、
ダイコンの発芽直後の胚軸と子葉を食用とするスプラウト食材
Wikipedia-カイワレダイコン
と記載されています。
「胚軸」とは発芽した苗の茎のこと、「子葉」とは発芽して最初に出てくる葉のことです。
また、「スプラウト」とは野菜などの種子を発芽させた新芽を食べる食材のことで「発芽野菜」と呼ばれます。
つまり、貝割れ大根と大根は同じ野菜!
同じ大根の生長前・生長後ということになります。
貝割れ大根の名前の由来
貝割れ大根の「貝割れ」という名前の由来はその見た目。
貝割れ大根の葉が開いた(割れた)貝のように見えることから「貝割れ」という名前になったとのこと。
たしかに、言われて見るとあさりのような二枚貝が開いた姿に似ている気がしますね。
貝割れ大根の栽培
貝割れ大根の栽培期間はおよそ1~2週間です。
スプラウト(発芽)野菜である貝割れ大根。
そのため種蒔き→発芽のみですぐ食べられるのが特徴です。
生育スパンが短いから安価で買えるんだね。
さらに、貝割れ大根はその栽培の手軽さから、一般家庭でも簡単に育てることができます。
栽培に必要なものは、育てる容器と貝割れ大根の種子、水のみでOK!
発芽してすぐ収穫するので、大きく育つための肥料などは必要ありません。
また、栽培適温は20度以上です。
冬の寒い時期はなかなか育ちにくいというデメリットも。
ただし、高温下では根や水が腐る可能性もあるので、注意が必要です。
貝割れ大根の保存
貝割れ大根は買ってきたままの状態で保存するのがオススメです。
縦に細長いパックに入っていることが多い貝割れ大根ですが、保存はそのパックのままがベスト!
しかし、パックのままでの保存期間は長くても1週間以内です。
貝割れ大根の根は濡れたスポンジに絡まっていますよね。
冷蔵庫内でも長期間置いておけば、濡れたスポンジが腐ってしまいます!
特に夏場は要注意です。
また、保存場所は野菜室よりも温度が低い冷蔵室がオススメです。
保存の時はパックを立てておくことを忘れずに。
余った場合など根元を切り落としてしまった場合は、全体をラップにくるんで冷蔵保存しましょう。
ちなみに、根元を切り落とした場合は2日以内に使い切るのがポイント。
根元を切り落とした貝割れ大根は、急激に鮮度が落ちてしまうのですぐに食べた方が良いでしょう。
貝割れ大根と大根の栄養比較
貝割れ大根と大根の違いを栄養から比べてみたいと思います。
貝割れ大根の栄養
貝割れ大根の栄養成分をまとめます。
- エネルギー 21kcal
- 水分 93.4g
- たんぱく質 2.1g
- 炭水化物 3.3g
- 食物繊維 1.9g
- βカロテン 1900μg
- ビタミンC 47mg
- ビタミンE 2.1mg
- ビタミンK 200μg
- 葉酸 96μg
- カリウム 99mg
- カルシウム 54mg
- マグネシウム 33mg
- 鉄 0.5mg
貝割れ大根の栄養で、特筆すべきはβカロテンの豊富さ!
そのβカロテンの量の多さから、貝割れ大根は淡色野菜である大根(根)と違い緑黄色野菜です。
βカロテンは身体の中でビタミンAに返還される栄養成分です。
ビタミンAは、
- 生活習慣病予防
- 免疫力アップ
- 目の保護
などに効果が期待できます。
さらに、カゼ・ウイルス予防に効果的なビタミンCも多めに含まれているのが特徴の1つ。
また、
- 血液を固める
- 骨の形成をサポート
というはたらきをするビタミンKも豊富です。
とにかくビタミンがたっぷり含まれているのが特長だね。
貝割れ大根100gの量とは?
貝割れ大根100gあたりの栄養をまとめましたが、
貝割れ大根100gってどのくらい?
と思っている方、いますよね?
貝割れ大根は細長いパック1つあたりで50gほど(根を除いた重さ)。
よって、およそ2パックで100gとなります。
貝割れ大根の1パックは税込でも50円ほどです。
したがって100円でもたっぷり食べられますね♪
大根との栄養比較
では、ここからは貝割れ大根と大根の栄養を表でまとめてみます。
栄養(100gあたり) | 大根・根 | 大根・葉 | 貝割れ大根 |
エネルギー | 18kcal | 25kcal | 21kcal |
水分 | 94.6g | 90.6g | 93.4g |
たんぱく質 | 0.5g | 2.2g | 2.1g |
炭水化物 | 4.1g | 5.3g | 3.3g |
食物繊維 | 1.4g | 4.0g | 2.9g |
β-カロテン | 0μg | 3900μg | 1900μg |
ビタミンC | 12mg | 53mg | 47mg |
ビタミンE | 0mg | 3.9mg | 2.1mg |
ビタミンK | ー | 270μg | 200μg |
葉酸 | 34μg | 140μg | 96μg |
カリウム | 230mg | 400mg | 99mg |
カルシウム | 24mg | 260mg | 54mg |
マグネシウム | 10mg | 22mg | 33mg |
鉄 | 0.2mg | 3.1mg | 0.5mg |
表にしてみると、貝割れ大根は大根の根より葉の部分と栄養価が似ていることが分かりますね。
そこで、大根の葉と栄養を比べてみると、ほとんど数値で大根の葉の方が栄養価が高いことが分かりました。
特にβカロテンは大根の葉が貝割れ大根の2倍の量。
またカリウムはおよそ4倍、カルシウムは4.8倍も豊富に含まれていました。
鉄に至っては6倍以上も多く含まれています。
大根の葉ってスゴいんだね。見直しちゃったよ。
一方、大根の根はほとんどの栄養成分で貝割れ大根の数値を下回っています。
上回っているのは炭水化物とカリウムのみ。
でも、カロリーは大根の方が3kcal低いんだね。
しかし、ダイエット効果が期待できる食物繊維は、貝割れ大根の方が2倍以上も多く含んでいます。
そのため、一概にどちらがダイエット向きかを判断することはできません。
まとめ
- 貝割れ大根は大根が発芽したばかりの状態。
- よって、大根とは同じ野菜で、違うのは栽培期間のみとなる。
- 貝割れ大根は緑黄色野菜で、βカロテンやビタミンCを豊富に含む。
- 大根との栄養の違いでは、おおむね「大根の葉→貝割れ大根→大根の根」の順で栄養の量が多い。
貝割れ大根は大根のスプラウト(新芽)で、同じ野菜と分かりました。
わたしにとっては、当たり前のようで意外と知らない事実でした!
使いやすい上に栄養豊富なことが分かった貝割れ大根。
これからはもっと積極的に料理に使っていきたいですね♪