白い「根」の部分と、青菜の「葉」の部分に分けられる大根。
わたしたちが普段よく食べるのは「根」の部分で、スーパーで売られる大根には最初から葉が付いていないものもありますよね?
そんなポピュラーな大根の根と、ちょっとレアな大根の葉。栄養価が高いのはどちらでしょう?
そんな大根の葉と根の栄養価を比較しつつ、含まれる栄養について掘り下げていこうと思います。

確かに大根って、いつも葉がない状態で売られているよね。
そもそも、大根の葉って美味しいのかな?
大根の「根」・「葉」の栄養価比較
大根の「根」と「葉」の栄養価を比較していきます。
大根の「根」の栄養価
まずは、大根の根の栄養価を表にまとめてみました。
栄養成分 | 100gあたりの含有量 |
エネルギー | 18kcal |
水分 | 94.6g |
たんぱく質 | 0.5g |
炭水化物 | 4.1g |
食物繊維 | 1.4g |
β-カロテン | 0μg |
ビタミンC | 12mg |
ビタミンE | 0mg |
ビタミンK | ー |
葉酸 | 34μg |
カリウム | 230mg |
カルシウム | 24mg |
マグネシウム | 10mg |
鉄 | 0.2mg |
大根の「葉」の栄養価
つづいて、大根の葉の栄養を表にまとめます。
栄養成分 | 100gあたりの栄養含有量 |
エネルギー | 25kcal |
水分 | 90.6g |
たんぱく質 | 2.2g |
炭水化物 | 5.3g |
食物繊維 | 4.0g |
β-カロテン | 3900μg |
ビタミンC | 53mg |
ビタミンE | 3.9mg |
ビタミンK | 270μg |
葉酸 | 140μg |
カリウム | 400mg |
カルシウム | 260mg |
マグネシウム | 22mg |
鉄 | 3.1mg |
大根「根」と「葉」の栄養を比較
それでは、大根の根・葉の栄養を1つの表にしてまとめてみます。
栄養成分 | 大根・根 | 大根・葉 |
エネルギー | 18kcal | 25kcal |
水分 | 94.6g | 90.6g |
たんぱく質 | 0.5g | 2.2g |
炭水化物 | 4.1g | 5.3g |
食物繊維 | 1.4g | 4.0g |
β-カロテン | 0μg | 3900μg |
ビタミンC | 12mg | 53mg |
ビタミンE | 0mg | 3.9mg |
ビタミンK | ー | 270μg |
葉酸 | 34μg | 140μg |
カリウム | 230mg | 400mg |
カルシウム | 24mg | 260mg |
マグネシウム | 10mg | 22mg |
鉄 | 0.2mg | 3.1mg |
同じ大根の栄養価ですが、けっこう大きく異なることが分かりますね。

ほぼすべての数値で大根の葉が根の栄養価を上回っているね!
ここからは、大根の「根」と「葉」の栄養価のうち、特に含有量の差が大きかった栄養をピックアップしていきます。
大根の「葉」と「根」は野菜の分類が違う?
大根は根と葉に含まれるβカロテン量が大きく異なります。
- 大根の根:0μg
- 大根の葉:3900μg
このβカロテンの量の違いにより大根の根は淡色野菜、葉は緑黄色野菜に分類されています。

1つの野菜なのに、部分によって野菜の分類が違うのは面白いね!
ちなみに、大根の葉の100gあたりのカロテン含有量が3900μgというのはかぼちゃ(4000μg)に匹敵する量です。
かぼちゃよりも大根の葉の方が量100gを摂るのは簡単そうなので、より効率的に摂取できると言えるでしょう。
淡色・緑黄色野菜の分類とは?
淡色野菜・緑黄色野菜の分類はβカロテンの量が基準となっています。

勝手に野菜の色の違いだと思ってたよ。
厚生労働省によると「緑黄色野菜」とは、
ほうれん草・にんじん・かぼちゃなど、カロテンを可食部100g中に600マイクログラム(600μg)以上含む野菜の総称。
緑黄色野菜|厚生労働省 e-ヘルスネット
とあります。
そのため、100gあたりのカロテン含有量が0μgの大根の根は淡色野菜、3900μgの大根の葉は緑黄色野菜に分類されます。
しかし、中にはこの「100gあたりのカロテン含有量が600μg未満」であるものの緑黄色野菜としてみなされる野菜も。
- トマト(449μg)
- ピーマン(208μg)
※()内は、いずれも100gあたりのβカロテン含有量
トマト・ピーマンは、1回に食べる量や回数が多く、野菜そのものの色も濃いため緑黄色野菜に分類されています。
そもそもβカロテンは野菜などに含まれる天然の色素。
摂取すると身体の中でビタミンAに変換されることからプロビタミンA・ビタミンA前駆体とも呼ばれます。
ビタミンA(βカロテン)のはたらき
ビタミンAは活性酸素の発生抑制・除去する抗酸化ビタミンです。
老化の原因でもある活性酸素を取り除くはたらきは、動脈硬化・心筋梗塞などの生活習慣病予防につながります。
さらに、ビタミンAには目の健康を維持するはたらきも!
不足すると、
- 視力の低下
- ドライアイ
などの症状が現れる可能性もあるので注意が必要です。
また、目だけでなく身体全体の粘膜の健康をサポートします。
体外のウイルス・菌の入り口である粘膜が正常であれば、感染に対する免疫・抵抗力が保たれます。
よって風邪対策にも効果的と言えますね。
大根の葉は『ビタミン』も豊富
大根の葉は、根の部分に比べビタミンを多く含みます。
大根の栄養価(100gあたり) | 根 | 葉 |
---|---|---|
βカロテン(ビタミンA) | 0μg | 3900μg |
ビタミンC | 12mg | 53mg |
ビタミンE | 0mg | 3.9mg |
ビタミンK | ー | 270μg |
ここからは、大根の根と比べ、葉に多く含まれる『ビタミンC』『ビタミンE』『ビタミンK』の働きを簡単にご紹介します。
ビタミンCの働き
ビタミンCは白血球のはたらきをサポートし、外部から侵入したウイルス・菌に対する抵抗力アップに役立ちます。
新型コロナウイルスに立ち向かう免疫力を付けるのにもピッタリです。
さらに、ビタミンCはコラーゲン生成に必須の栄養素。
美肌を目指す方には欠かすことができない栄養でもあります。
大根の葉のビタミンC量は、水菜(55mg)やブロッコリー(花序・54mg)と同じくらい豊富です。
栄養価を重視するなら葉まで余すことなく食べるのがベストですね!
ビタミンEの働き
ビタミンEには活性酸素を消去させる働きがあります。
つまり「抗酸化作用」に優れた栄養素です。
この抗酸化作用は、ビタミンEが体内で活性酸素といち早く結びつき消去して、活性酸素が他の成分と結びつき酸化するのを防ぐためです。
ビタミンKの働き
ビタミンKには血液を固まらせる働きがあります。
ケガをして出血したときに、血が止まりやすくするのをサポートしてくれるのですね。
また、骨を作るサポートをするのもビタミンKの働きの1つ。
胎児に影響があるため、妊娠中は特に意識的に摂ることを心がけましょう。
大根の根・葉のカルシウム量の差は10倍以上
大根の根と葉のカルシウム量は10倍以上も差があります。
- 大根・根 24mg
- 大根・葉 260mg
カルシウムと聞くと、骨や歯を丈夫にするイメージがありますよね?
実際、カルシウムは体内で骨・歯を作る成分となるとても重要な栄養素です。
さらに、
- 筋肉の収縮をサポート
- 神経を安定させる
といったはたらきもあります。
不足すると、イライラが溜まったり心臓病になりやすくなったりと弊害が!
そんなカルシウムは、大根の葉100gに260mg含まれています。
この数値、実は野菜の中でもトップクラス!
最も多いとされるパセリの290mgに次ぐ2番目の数値です。
しかし、パセリと大根の葉だったら、大根の葉の方が食べやすいですよね。
よって、野菜でカルシウムを摂取するなら大根の葉が向いているでしょう。
大根の葉の活用法
大根の葉はほうれん草や小松菜など他の青菜と同じように食べることができます。
しかし、そのままだと苦味が強く食べづらいというデメリットが!
そのため、わたしはいつも大根の葉を下ゆでしてから調理に使います。

面倒ですが、この一手間で味や風味がだいぶ変わります。
また、葉が付いた状態の大根を手に入れた場合は、すぐに根と葉を切り離しましょう。
葉が付いた状態で保存すると、栄養がすべて葉にいき根がスカスカになってしまいます!
料理法・保存法の一手間で、大根をもっと美味しく楽しみましょう♪
まとめ
- 大根は根・葉で大きく栄養価が異なり、ほぼすべての栄養価において葉が根を上回っている。
- 特にβカロテンの量から、根は淡色野菜、葉は緑黄色野菜に分類されている。
- さらに、大根の葉はビタミン類やカルシウムなどが豊富だった。
同じ野菜なのに部位によって大きく栄養価が異なるなんて面白いですね。
大根の葉の栄養価がこれほど高いと知らなかったので、ビックリしました。
これからは、大根を余すことなく料理に使いたいと思います♪