酸っぱい野菜・果物の代表格といえるレモン。
そんなレモンは「レモン1個分のビタミンC」などとビタミンC量の目安として使われがちですよね。
しかし、この「レモン1個分のビタミンC」とは実際どのくらいなのでしょう?
今回はそんな「レモン1個分のビタミンC」の量を調査するとともに、ビタミンCの働きなどにも着目しまとめてみました。
「レモン1個分のビタミンC」はどのくらい?
広告などでよく見かける「レモン1個分のビタミンC」というワード。
この「レモン1個分のビタミンC」とはどのくらいなのでしょう?
レモンに含まれるビタミンCの量、レモン1個分の重量などを調べ、まとめていきます。
レモン100gあたりのビタミンC量
レモンに含まれるビタミンCは100gあたり100mgです。
100gあたり100mgとは、覚えやすいね。
レモン1個分の重量
レモン1個分の重量は約120gとなります。
当然レモン1個分の個体差はありますが、平均すると120gほど。
したがってレモン1個分のビタミンCは120mgとなりますね。
では、広告で使用されている「レモン1個分のビタミンC」とはどのくらいなのでしょう?
広告での「レモン1個分のビタミンC」の求め方
広告における「レモン1個分のビタミンC」は20mgとされています。
これはレモン1個あたりの『レモン果汁』に含まれるビタミンC量となります。
一体どういうことなのか、詳しく説明していきます。
レモン果汁100gあたりのビタミンC
レモン果汁100gあたりのビタミンC量は50mgとなります。
レモン果実の同じ量と比べると半分の量ですね。
レモン1個分のレモン果汁はどのくらい?
レモン果汁はレモン果実の約30%を占めるとされています。
つまり、レモン果実1個・120gのうち、レモン果汁の量は36gとなりますね。
【結果】「レモン1個分のビタミンC」とは
↑で分かったこと
- レモン果汁100gあたりのビタミンC量は50mg
- レモン1個分のレモン果汁量は36g
から「レモン1個分のレモン果汁に含まれるビタミンC量」が18mgと分かります。
この18mgを切りの良い『20mg』にしたものが「レモン1個分のビタミンC」の数値となります。
この考え方は一般社団法人全国清涼飲料連合会のHPに記載されていた内容を参考にしました。
清涼飲料水に添加されたビタミンC量をレモン果実の個数により表示する場合には、レモン果実1個当たり 「20mg換算」を基準とすることが適切である。 (参考)当該表示の例示 「レモン○個分のビタミンC配合(果汁換算)」
一般社団法人全国清涼飲料連合会「レモン果実1個当たりのビタミンC量」表示ガイドライン
この考え方に当てはめると「レモン果実1個分に含まれるビタミンC」はレモン6個分になるのか・・・。とてもややこしい話になったね。
ちなみに、ビタミンCが豊富に含まれることで有名な清涼飲料水「CCレモン(500ml)」のビタミンC量は800mg。
公式HPにも記載されていましたが『CCレモン1本に含まれるビタミンCはレモン40個分』とのことでした。
ビタミンCについて
「レモン1個分のビタミンC」は20mgと分かりましたね。
しかし、そもそもビタミンCとはどんな栄養素なのでしょう?
ここからは、そんなビタミンCがわたし達の身体にとってどのような働きをしてくれるのか?などをまとめていきます。
ビタミンCの働き
ビタミンCの働きは、主に
- コラーゲンの生成
- ストレスへの抵抗力アップ
の2つになります。
コラーゲンの生成
ビタミンCはコラーゲンを作るのに欠かせない栄養素です。
コラーゲンとは体内の細胞と細胞の間を結ぶたんぱく質のこと。ゼラチンの原料でもあります。
『細胞と細胞の間を結ぶ』という働きから、体中の皮膚・血管・骨の生成にも重要です。
- 皮膚の生成
- シミ・シワを防ぐ
- 傷の治りを早める
- 美肌
- 血管を丈夫にする
- 壊血病(血管がもろくなる病気)の予防
- 骨を丈夫にする
コラーゲンは美肌や骨の健康維持など美容・健康どちらにも大切な役割を果たすのですね。
そのため、コラーゲンのもととなるたんぱく質、そのコラーゲンの生成に欠かせないビタミンCを意識的に摂ることが大切です。
ストレスへの抵抗力アップ
ビタミンCには
- 神経伝達物質
- アドレナリン
- ドーパミン
- 副腎皮質ホルモン
という2つの物質の合成という働きがあります。
アドレナリンとはストレスがかかったとき(交感神経が興奮状態になるとき)に分泌されるホルモンのこと。
ドーパミンとは快感を得たときに分泌されるホルモンのこととなります。
また、副腎皮質ホルモンとは脳から指令を受け副腎という組織から分泌されるホルモンで、体中のあらゆる組織に作用します。
この副腎皮質ホルモンは
- 血中濃度が高まる→脳から指令が抑えられる
- 血中濃度が減る→脳からホルモンを作るよう指示される
という性質があり
- 抗炎症作用
- 抗アレルギー作用
- 免疫反応抑制作用
- 細胞増殖抑制作用
- 血管収縮作用
という働きを持ちます。
↑のように、身体にかかるストレスへの抵抗力を上げるため抗ストレスホルモンとも呼ばれます。
この副腎皮質ホルモンを元にして作られたのがいわゆる『ステロイド剤』です。
以上の神経伝達物質『アドレナリン』『ドーパミン』&抗ストレスホルモン『副腎皮質ホルモン』の合成をサポートするビタミンCは精神的&身体的なストレスへの抵抗力アップに欠かせません。
日常的に強いストレスを感じている方は特に積極的に摂るべきといえますね。
ビタミンCの目安量とは?
ビタミンCは1日あたり100mgの摂取(成人男女)が推奨されています。
100mgならレモン1個未満だね!
ビタミンCは排出のスピードが速いので、毎日バランスの良い食事から取り入れていくことが大切です。
また、摂りすぎても尿として排出されるので摂取の上限量はありません。
まとめ
- レモンに含まれるビタミンC量は100gあたり100mg
- 「レモン1個分のビタミンC」は20mg
- ビタミンCには『コラーゲンの生成』・『ストレスへの抵抗力アップ』など、健康に欠かせない働きがある
- 摂取目安量は1日あたり100mg
「レモン1個分のビタミンC」という言葉に隠された意外な真実を知ってしまいましたね・・・。
少しややこしいですが、これから「レモン○個分のビタミンC」という言葉を見てもピンとくるようになりましたね。
いつでも大切な栄養素ですが、風邪や花粉症に悩まされる時期には特に欠かせないビタミンC。
毎日の食事から上手に取り入れていきましょう。