ゼリー作りで凝固剤として使用される「寒天(かんてん)」。
そんな寒天の栄養価をまとめます。
また、ここでは料理やお菓子作りに使われることが多い「粉寒天」についてまとめます。
ここからの数値は日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の「藻類/てんぐさ/粉寒天」を参考にしています。
そもそも「寒天」とは?についてはこちらの記事でまとめています≫
粉寒天100gあたりの基本の栄養価
粉寒天100gあたりの基本の栄養価です。
栄養素 | 100gあたりの含有量 |
エネルギー | 160kcal |
水分 | 16.7g |
たんぱく質 | 0.2g |
脂質 | 0.3g |
炭水化物 | 81.7g |
食物繊維 | 79.0g |
粉寒天は100gあたり160kcalとなります。
同じ粉物の「小麦粉(穀類/こむぎ/[小麦粉]/薄力粉/1等)」のカロリーは100gあたり349kcalなので、小麦粉と比べるとカロリーは半分以下でした。
そして、注目すべきはその炭水化物と食物繊維の量!
粉寒天100gあたりの炭水化物量は81.7g、つまり全体の8割以上が炭水化物という結果になります。
寒天に炭水化物が多いイメージはなかったので意外ですね。
けれども、そんな炭水化物のうち食物繊維は79.0g。
食物繊維は炭水化物の約97%を占めるという結果になりました。
寒天を構成する食物繊維について
寒天に含まれる食物繊維はアガロース・アガロペクチンといった多糖類です。
この多糖類が寒天の固まる作用のもととなります。
また、上の栄養成分表にて参考にした日本食品標準成分表(八訂)増補2023年には、寒天の食物繊維総量のみが記載され水溶性・不溶性食物繊維の内訳は記載されていませんでした。
ただし、寒天の原材料はテングサなどの海藻(紅藻類)。
他の海藻に含まれる食物繊維は「水溶性食物繊維」が主となります。
したがって、寒天には水溶性食物繊維が多く含まれると思われます。
水溶性食物繊維には
- 腸内環境の改善
- コレステロールの吸収抑制、代謝・排せつをサポート
- 糖質の吸収スピードをゆっくりにする(血糖値の急激な上昇を抑える)
といった働きがあります。
粉寒天100gあたりのビタミン
粉寒天にはビタミンがほぼ含まれていないため割愛します。
粉寒天100gあたりのミネラル
粉寒天100gあたりに含まれるミネラルです。
栄養素 | 100gあたりの含有量 |
---|---|
ナトリウム | 170mg |
カリウム | 30mg |
カルシウム | 120mg |
マグネシウム | 39mg |
リン | 39mg |
鉄 | 7.3mg |
このように寒天はミネラルを豊富に含みます。
全然、想像してないミネラルの豊富さにビックリしているところです。
特に多く含まれるのが「カルシウム」と「鉄」。
鉄に関しては寒天100gで成人男性における1日あたりの目安量7.0~7.5mgに達する量です。
カルシウムは骨や歯のもととなる栄養素。
鉄は赤血球を作り、体中に酸素を運び貯める働きがあります。

ここまで、粉寒天100gあたりの栄養価をまとめました。
ただし1つ疑問が。
寒天を固めたゼリー、いわゆる「寒天ゼリー」作りに必要な粉寒天はどのくらいなのでしょうか?
寒天ゼリー作りに必要な粉寒天は○g?
寒天ゼリーに必要な粉寒天は、ゼリーにしたい飲料に対し1%の分量が目安です。
つまり飲料を500ml用意した場合に必要な寒天は5gほどとなります。
ただ、絶対に1%ではなくてはダメ!という訳ではなく、好みの寒天の硬さによって調整してももちろんOKです。
寒天の割合を増やせば固くなり、寒天の割合を減らせば柔らかくなります。
何度か作ってみてお好みの硬さを追求するのも一つの楽しみかもしれませんね。
また、1回あたりの量の目安として5gあたりの寒天の栄養価もまとめます。
栄養素 | 100gあたりの含有量 |
エネルギー | 8kcal |
炭水化物 | 4.085g |
食物繊維 | 3.95g |
ナトリウム | 8.5mg |
カリウム | 1.5mg |
カルシウム | 6mg |
マグネシウム | 1.95mg |
リン | 1.95mg |
鉄 | 0.365mg |
1/20なので、当然ですが少なくなってしまいましたね。
それでも食物繊維は豊富です。
日頃の生活で食物繊維不足を感じている方は、寒天を食生活に取り入れることをオススメします。