花粉症対策の民間療法として人気を集めている「甜茶(てんちゃ)」。
この甜茶とはそもそもどんなお茶なのでしょう?
また、甜茶は世間で言われるように花粉症の症状緩和に効果が期待できるのでしょうか?
などなど、甜茶と花粉症の関係や、オススメの甜茶アイテムを紹介していきます!
「甜茶」とはどんなお茶?
甜茶とは中国茶のうち甘いお茶の総称です。

つまり、甘い中国茶全般を指す言葉で、一つの品種を示す言葉ではありません。
一般的に『お茶』や『緑茶』といわれる品種とは異なる茶葉によって淹れるお茶です。
お茶や緑茶は『チャノキ』と呼ばれる植物の葉から作られるお茶のみを指します。
甘くて苦い味が特徴で、好き嫌いが分かれます。
わたしは好きですが、わたし以外の家族はあまり好きではない、といった感じです。
お茶の色は茶色で、薄い麦茶やほうじ茶のような色合いとなります。
甜茶の主な種類
甜茶と呼ばれる主な植物です。
- 甜葉懸鈎子(テンヨウケンコウシ):バラ科キイチゴ属
- 牛白籐(ギュウハクトウ):アカネ科
- 多穂柯(タスイカ)・多穂石柯葉(タスイセキカヨウ):ブナ科
- 臘蓮繍球(ロウレンシュウキュウ)
- ヤクシマアジサイ

甜茶ってこんなに種類があるのか!

しかも、分類の科から違うのに、同じ甜茶になるんだね。不思議だ・・・。
また、甜茶は「甘茶」と呼ばれることがありますよね?
わたしは何となく『甘茶=甜茶』だと思っていましたが、この甘茶と甜茶、実は別物です。
甜茶と甘茶の違い
甘茶はアジサイ科(ユキノシタ科)アジサイ属の植物・甘茶の葉を使ったお茶です。
甘茶は仏教の行事の1つである灌仏会(かんぶつえ)のとき、仏像に注ぎかけるお茶として知られています。
灌仏会の別名は花祭り。

わたしはお寺の保育園に通っていたので、花祭りのときにもらえる甘茶がとても楽しみで、嬉しかったことをよく覚えています。
この甘茶が甜茶に含まれない理由は中国茶ではないから。
甘茶の原料である植物のアマチャは、日本や韓国南部が原産。
中国発祥のお茶ではなく、中国茶には含まれません。
ただ甘茶を甜茶に含むか否かは諸説あるのでご注意ください。
また、甘茶と呼ばれるお茶の中でも
- ウリ科のアマチャヅルを使った甘茶
- 緑茶・ほうじ茶などに砂糖を入れた甘茶
は植物のアマチャを使ったお茶ではないため、本来の甘茶には含まれません。
甘茶の注意点とは
甘茶は基本的に害はありません。
しかし、過去に濃すぎる甘茶を飲んだ子どもたちが集団食中毒を起こしたという事件が起きています。
そのため、厚生労働省は
濃い甘茶を避ける。 市販の甘茶には、「甘茶の飲み方」として2~3 グラムを1リットルの水で煮出すとある。甘茶は、薄くいれることが大切なようである。
と中毒を防ぐ方法を記載しています。
※参考 厚生労働省 自然毒のリスクプロファイル:高等植物:アマチャ
甜茶は花粉症抑制に効果がある?
甜茶は花粉症の症状抑制に効果がある
花粉の季節になると、インターネットや店頭などでちょこちょこ見かける言葉です。
しかし、本当に「甜茶は花粉症に効果的」なのでしょうか?
調べたところ、わたしなりの見解としては「効く人には効くかもしれない」といったものです。
「甜茶=花粉症に効果的」の情報の真偽について
まず、花粉症に甜茶が効くという情報は2000年代初めにサントリーが発表した研究結果が発端です。
サントリーは研究結果として『バラ科の甜茶は花粉症に効く』と発表。
その情報は瞬く間に広まり、花粉症対策として甜茶の人気が高まったり、サプリメントが多く開発・販売されたりするようになりました。
けれども、わずか数十名の被検体によって行われたこの研究の結果を疑問視する声が多いのも事実。
実際、厚生労働省は甜茶の花粉症への効果は不確かであると断言。
独立行政法人 国立健康・栄養研究所は『調べた文献の中に信頼できる十分なデータが見当たらない』とも告知しています。

甜茶は正式には「花粉症に効く」とは言えないんだね。
ただ、研究結果では一部の人には効果があったことも事実です。
また、そもそも甜茶は健康に良い成分がたっぷり含まれているため、生活習慣を改善したいならまずは甜茶から!という始め方もできます。
医薬品のように効果が実感できるわけではありませんが、とりあえず試してみたいという方には甜茶はオススメです。
そもそも、なぜ甜茶は花粉症対策に良いとされているのか?
甜茶が花粉症の症状緩和に効果が期待できるとされているのは「甜茶ポリフェノール」が含まれているから。

ポリフェノールとはほとんどの植物に含まれる、主に苦味や渋味のもととなる成分です。
このうち甜茶ポリフェノールには「ヒスタミンの放出を抑える」という効果が期待されています。
ヒスタミンとはアレルギー症状を引き起こす原因となる物質です。
体の中にアレルゲン(アレルギーの原因物質)が侵入すると放出されるのがヒスタミンの特徴。
放出されたヒスタミンは鼻や目の粘膜を過剰に刺激してしまい、その結果、鼻水や鼻づまり、目のかゆみを引き起こします。
つまり、ヒスタミンの放出を抑えられると、花粉症を引き起こすきっかけが減り、症状が軽減するのでは!?と期待されているのです。
あくまでも「効果が期待できる」という判断ですので、甜茶の効果は絶対ではありません。
また、ポリフェノールには抗酸化作用が期待できます。
生活習慣病の予防効果が期待できるため、花粉症対策だけでなく、健康のために取り入れるのも良いでしょう。
花粉症の症状緩和に効果が期待できる「甜茶の種類」
先ほど、サントリーの研究結果では「バラ科の甜茶」が花粉症の症状緩和に効果が期待できるとありました。
バラ科の甜茶、それはつまり「甜葉懸鈎子(テンヨウケンコウシ)」のこと。

実際に「甜葉懸鈎子(テンヨウケンコウシ)」の甜茶は花粉症対策のお茶として売られていることが多いです。
ここからは、花粉症対策に少しでも効果を求めたい方向けに、オススメの「実際に「甜葉懸鈎子(テンヨウケンコウシ)」の甜茶を紹介します。
1つ目は喜保屋「甜茶」です。
無農薬の茶葉や、無漂白の不織布テトラティーバッグを使用。
気軽に甜茶を飲んでみたい、という方向けのアイテムです。
2つ目は山本漢方製薬「甜茶100%」です。
1袋あたり3gのティーバッグが20袋入り。
レビューを読むと、花粉症対策に購入する方が多く、されていることが分かります。
ただ、普通に飲むとなかなかに甘いのがデメリット。
甘い飲み物が苦手な方は生姜を入れるなど工夫して飲んでいるようでした。
最後は、甜茶の花粉症対策について研究結果を発表したサントリーのサプリメント「甜茶400」です。
上記2つとは違い、お茶ではなくサプリメントとして甜茶の成分を摂取できるという便利なアイテムです。
1袋で30日分、約1カ月分入っているのでコストパフォーマンスも悪くありません。
甜茶独特の味が苦手、そもそもお茶が嫌い、という方への花粉症対策としてオススメです。

ここまで、花粉症対策として注目されている甜茶についてまとめました。
あくまで、甜茶は「花粉症の症状を緩和させる」ことが期待されています。花粉症の症状そのものを抑えることはできません。
花粉症の症状がある場合は、まず病院で診察を受け、お薬をもらうことが大切です。
病院のお薬でしっかり対処し、そのプラスアルファとして甜茶を活用していきましょう。