秋になると食べたくなってしまう焼き芋、つまり「さつまいも」の品種についてまとめています。
日本では現在、約60品種ものさつまいもが栽培されています。
そんなさつまいもの品種を『ホクホク系』と『ねっとり系』それぞれ3つずつpickup!
どれも甘くて美味しい品種ばかり、好みに合わせて選びましょう。
さらに、ゲットしたさつまいもを長持ちさせる「正しい保存方法」もまとめました。
『ホクホク系』さつまいも品種3選
ホクホク系のさつまいも品種をご紹介します。
昔ながらの焼き芋といえば!という印象のホクホク系。
食べると口の中が乾くので、飲み物と一緒にいただくのがオススメです。
紅あずま

見た目・味ともに「ザ・焼き芋」というべき品種「紅あずま(ベニアズマ)」。
鮮やかな赤紫色の皮と、薄黄色の果肉はまさにさつまいもです。
加熱によりホクホク食感となり、さらにねっとりとした舌触りも併せ持ちます。
甘味が強いので昔から人気の高い品種ですね。
主に関東で生産、出荷されているため、関東の方にとってはなじみ深い品種となります。
収穫時期は10月が最盛期、貯蔵を経た食べ頃の旬は12~2月の冬の時期となります。
高系14号

西日本で多く作られているホクホク系の代表品種「高系14号」。
昭和20(1945)年、高知県で誕生した歴史のある」品種となります。
現在人気のホクホク系品種の元となっている場合が多く、高系14号の改良品種は多く出回っています。
果肉の色は薄めでクリーム色。
しかし糖度が高く、加熱により黄色くなり甘味をグッと増すのが特長です。
成長が早い早掘り品種であり、さらに貯蔵性が高いことでも知られます。
ただし、収穫後にしっかり貯蔵させないと糖化が進まず、甘味が出にくいのがデメリットです。
高系14号はさまざまな地域で改良品種が生産され、
- 鳴門金時(高知県)
- 紅はるか
- 五郎島金時(石川県)
- 坂出金時(香川県)
などというブランド名で出荷されています。
収穫時期は9月初旬~11月まで、貯蔵を経た食べ頃の旬は11~2月の冬の時期となります。
鳴門金時

徳島県にて作られる特産のさつまいも品種「鳴門金時(なるときんとき)」。
徳島県のうち一部地域で作られているさつまいもしか「鳴門金時」・「なると金時」を名乗れないのが特徴、流通が少ない稀少な品種です。
↑でご紹介した「高系14号」の改良品種の1つでもあります。
キレイですべすべした赤紫色の皮、クリーム色の果肉を持ちます。
加熱により甘味を増し、ホックホク食感になるのが特長です。
比較的、甘さが控え目なので大学芋や天ぷらなど料理への活用もしやすい品種と言えます。
「高系14号」の改良品種なので糖化させる貯蔵期間が長めなのが特徴。
収穫時期は早く8月には収穫が開始され、貯蔵を経て11月ごろからが食べ頃となります。
『ねっとり系』さつまいも品種3選
ねっとり系さつまいも品種をご紹介します。
「さつまいも・焼き芋といえばホクホク系!」というイメージを微塵に破壊した、新ジャンル『ねっとり系』。
焼いただけ、それだけでスイーツのような甘さと滑らか食感がたまりません。
安納芋

ねっとり系の代表品種「安納芋(あんのういも)」。
鹿児島県の種子島・安納地区の在来種で、特産品。
今では日本各地で作られている安納芋ですが、やはり種子島・安納地区で作られる安納芋のおいしさは別格とのこと。
『蜜いも』と呼ばれるほど甘味が強く、焼き芋にすると破れた皮から蜜が溢れ出るほど。
トロトロの舌触りはまさにスイーツです。
収穫時期は9~12月ごろ、貯蔵を経て、10月中旬ごろからが食べ頃です。
紅はるか

味や見た目がこれまでのさつまいもより『はるか』に優れている、という名前の由来を持つ「紅はるか」。
2010年に誕生したばかりの新しい品種です。
見た目もすべすべで形が良いものが多いのが特長で、味も抜群!
水分が多いので加熱によりねっとりとした食感になります。
糖分のうち麦芽糖が占める割合が多い傾向にあり、強い甘味を持ちながらスッキリとした後味という食べやすさを実現しています。
紅はるかには
- 甘太くん(大分県)
- 紅天使(茨城県)
- 葵はるか(宮崎県)
といったブランドがあり、同じ品種ながら特徴が異なるのがポイント。
どのブランドも圧倒的に甘く美味しいのが共通点です。
収穫時期は10~11月、貯蔵期間を経て11月ごろが食べ頃となります。
シルクスイート

ねっとり系のスター品種とも言える「シルクスイート」。
2012年に種苗の販売が開始されたばかりの新しい品種でありながら、既に圧倒的な支持を集める品種と言えます。
名前の由来は『絹(シルク)のように滑らかな舌触り』から。
加熱するとねっとりトロトロの食感になり、優しくもしっかりした甘さが特長です。
しつこくないので食べやすい、上品な甘味が高い人気を誇っています。
収穫時期は9月の終わりから10月にかけて、食べ頃は11月ごろからとなります。

つづいて、購入したさつまいもを保存する方法をまとめます。
さつまいもの保存方法
さつまいもは常温保存がオススメです。

保存するときは1本ずつ新聞紙に包み、段ボール箱など気密性の低い箱に入れます。
新聞紙がない場合はキッチンペーパーなどでもOK。
保存場所は風通しが良く、直射日光が当たらない場所を選びましょう。
保存期間は2週間~1か月ほどが目安です。
さつまいもが『冷蔵保存NG』の理由とは?
さつまいもが冷蔵保存に向いていない理由は『低温障害を起こすため』です。
意外ですが、さつまいもは寒さに弱い食材です。
気温が10℃以下の環境に置かれると、徐々に細胞が死んでしまい、黒く変色してしまいます。
低温障害を起こしたさつまいもは腐っているわけではないので、食べても問題はありません。
けれども味は落ち、栄養価も下がっているので、無理して食べることはないと思います。
また、一部の黒ずみなら黒い部分をカットすればOKですが、全体的に黒ずんでいる場合は諦めて捨てましょう。
真夏は冷蔵庫へ!そのコツとは?
さつまいもの保存に適した気温は15℃前後。
10~20℃の気温では常温保存が最も向いています。
しかし、気温が20℃を超える夏場や、10℃を下回る冬場などは常温保存にも注意が必要です。
気温が20℃を超える夏場はさつまいもの冷蔵保存がオススメです。
暑い夏場に常温保存をすると、さつまいもが発芽し、芽に栄養が集中してしまうので味も栄養も落ちてしまいます。
さつまいもの冷蔵保存も1本ずつ新聞紙に包むところからはじめます。
新聞紙に包んださつまいもはポリ袋へ入れ、袋の軽く口を縛り、冷蔵庫の『野菜室』へ入れます。
野菜室は他の部屋よりもやや庫内の温度が高いため、少しでも低温障害を防ぐには野菜室を選ぶべきでしょう。
また、気温が10度を下回る冬場は、室内など気温が下がりすぎない場所で保存するのがオススメ。

いずれにしても早く食べきるのが一番ですね!
【まとめ】さつまいもの保存
- 気温が10~20℃では常温保存
- 夏は冷蔵庫、冬は気温が下がりすぎない室内で保存
- さつまいもは1本ずつ新聞紙で包む、段ボールなどに入れる、風通しの良い直射日光が当たらないところへ置く
購入したり、たくさんもらったりしたさつまいもを長持ちさせるため、正しい保存方法を取り入れてみてくださいね♪