
今年もやってきました!花粉症の季節です。
毎年毎年、2月の後半から目がかゆい、鼻水が出る、とにかく不調といった症状を引き起こす花粉症。
そんな花粉症対策として、今年は「お茶」について取り上げていきます。
そもそも花粉症とは?基本のメカニズムをまとめた記事はこちら≫
花粉症対策に「お茶」は本当に有効?
お茶は花粉症の症状緩和に効果が期待できます。

成分のうち効果が期待されているのは、お茶に多く含まれる「ポリフェノール」。
ポリフェノールは地球上にあるほとんどの植物に含まれる成分。
主に苦味や渋味のもととして知られ、コーヒーや赤ワイン、柿の渋味などが有名です。
そんなポリフェノールの効果として期待されているのが抗酸化作用や抗炎症作用。
抗酸化作用には、皮膚や粘膜が傷つくことを防ぎ、免疫機能を高める働きがあります。
特に、お茶のポリフェノールには、アレルギー誘発物資である『ヒスタミン』の働きを抑える働きを持つものがあるため、より高い効果が期待できるのです。
さらに、抗炎症作用には文字通り炎症を抑える働きが期待できます。
抗酸化・抗炎症作用はいずれも花粉症の症状を和らげる効果が期待できるのですね。
お茶は「花粉症の症状を緩和させる」ことが期待できますが、花粉症の症状を抑えることはできません。

花粉症の症状がある場合は、まず病院でしっかり診断を受け、お薬をもらい、さらに症状を和らげるためにお茶などを活用しましょう。
花粉症の緩和が期待できるお茶一覧
ここからは花粉症の症状緩和が期待できるお茶をまとめていきます。
どんなお茶の、どんな成分に効果が期待できるのかチェックしましょう。
甜茶(てんちゃ)

甜茶(てんちゃ)とは中国茶の一種で、甘いお茶の総称。
甘茶という呼び名でも知られています。
お茶としての香ばしさや苦味がありつつ、柔らかい甘みがあるのが特徴です。
わたしは子どもの頃から大好きなのですが、家族の中では嫌いな人もいて、好き嫌いは分かれるかもしれません。
甜茶のうち、花粉症に効果が期待できるのは?
甜茶は甘いお茶の総称。
そのため、甜茶といっても種類がいくつかあります。
そんな甜茶のうち、花粉症に効果が期待できるのは「甜葉懸鈎子(てんようけんこうし)」というお茶の葉を使ったもの。
この「甜葉懸鈎子(てんようけんこうし)」のお茶には『ヒスタミンの放出を抑える』という効果があります。
ヒスタミンはアレルギー様症状を引き起こす物質。
体内に花粉(アレルゲン:アレルギーの原因物質)が侵入すると放出され、鼻や目の粘膜を刺激するのがヒスタミンの特徴です。
鼻や目の粘膜への刺激によって、鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみが引き起こされます。
つまり、ヒスタミンの放出を抑えることで、粘膜への刺激が減り花粉症の症状が緩和されるといわれているのですね。
ちなみにアレルギーの薬である抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンの働きをブロックして症状を和らげます。
甜茶はヒスタミンの放出を抑える効果が期待できるだけなので、ヒスタミンの働きそのものを抑えることはできません。
花粉症の症状を抑えるには「甜茶+抗ヒスタミン薬」をいっしょに利用するのが良いでしょう。
緑茶

日本で広く親しまれている緑茶。
名前が示す通り、鮮やかな緑色をしているのが特徴です。
そんな緑茶に含まれる成分のうち、アレルギーへの抑制効果が期待できるのは「カテキン」という成分。

カテキンは緑茶に含まれる成分としてよく聞きますね。
そもそも、カテキンはお茶の渋味のもととなる成分。
ポリフェノールの一種であり、高い抗酸化作用があることで知られています。
緑茶のうち、花粉症に効果が期待できるのは?
カテキンのうち、強い抗アレルギー効果があるとされるのが「メチル化カテキン」。
このメチル化カテキンを多く含む緑茶を長い期間、飲み続けると、スギ花粉の症状悪化を抑えることができる、という研究結果もあります。
そんなメチル化カテキンを多く含む緑茶は『やぶきた』、『紅ふうき(紅富貴)』という種類のもの。
メチル化カテキンには
- 高温で溶け出しやすい
- 水に溶けることで働く
という特徴もあり、まさにお茶として飲むのにピッタリです。
毎日の習慣として続けやすいのもうれしいですね。
紅茶

深い赤色が特徴的な紅茶。
紅茶は緑茶と同じチャノキの茶葉が使われているお茶。
緑茶とは違い、茶葉を完全に発酵させて作られます。
同じチャノキのお茶なので、花粉症の症状を緩和させる成分は同じ「カテキン(メチル化カテキン)」で、働きも同じです。
そんな紅茶のうち、アレルギー様症状の緩和に期待ができる種類は、緑茶と同じ『紅ふうき(紅富貴)』となります。
烏龍茶

中国茶の一種で、半発酵茶(少し発酵している)として知られる烏龍茶(ウーロン茶)。
発酵の度合いが異なるだけで、実は緑茶や紅茶と同じ茶葉(チャノキ)から作られます。
日本ではダイエット効果が期待できる!というトクホ飲料もあるなど、人気の高いお茶の1つです。
そんな烏龍茶にも緑茶や紅茶のように「カテキン(メチル化カテキン)」が多く含まれ、花粉症の症状緩和に効果が期待できます。
烏龍茶のうち、特にアレルギーの抑制効果があるのは『凍頂烏龍茶』や『黄金桂』、『鉄観音』など。
緑茶や紅茶と同じく、効果を高めるなら花粉症の季節が始める数ヶ月前から飲み始めるのが良いでしょう。
ルイボスティー

ルイボスティーはハーブティーの一種で、紅茶のような赤色のお茶です。
香りが良く、味にクセがないのが特徴で、毎日でも飲みやすいのが魅力です。
また、ルイボスティーはノンカフェインなので、夜や寝る前に飲んでも安心です。
そんなルイボスティーに多く含まれているのがポリフェノールの一種「フラボノイド」。
フラボノイドはポリフェノールなので高い抗酸化作用、また抗炎症作用も期待できます。
さらに、ルイボスティーはヒスタミンの放出を抑える働きも期待できます。
ただし、いずれにしても花粉症の症状への劇的な効果は期待できません。
毎日の習慣として、飲み続けて症状を抑える方法の1つとして活用するのがオススメでしょう。

ここまで、花粉症の症状緩和に効果が期待できるお茶についてまとめました。
今年2025年の花粉飛散量は例年よりも多いといわれ、四国や近畿、中国地方などでは例年の2倍以上と予想されています。
ただ、花粉の飛散量が多いといっても、症状が重くなるわけではありません。
厚生労働省のHPによると
ただ、花粉飛散数がたとえ2倍、3倍となっても症状が2倍、3倍と強くなる訳ではなく、症状はあるところで一定になります。逆に花粉数が半分になったからといって、症状の強さも半分になる訳ではありません。
花粉症の民間医療について|厚生労働省
とのことで、飛散量の増加が症状の悪化を引き起こすわけではないようです。
飛散量が多いからといって、過剰に心配する必要はなさそうですね。
スギ花粉のピークは3月いっぱい、ヒノキ花粉は3月下旬から4月前半。
しかし、花粉症の対策はピークがくる前から行うのが鉄則!
- 病院で診断を受ける
- アレルギーの薬をもらう
- 生活習慣を見直す
といった対策を取り、今年も花粉症に備えましょう。