かけるだけで美味しい、まさにマヨネーズマジックな調味料「マヨネーズ」。
そのマヨネーズには卵黄・全卵という2つのタイプがあります。
この卵黄タイプ・全卵タイプの違いとは?
さらに、この2種類のマヨネーズは栄養価にも違いがあるのでしょうか?
今回は、マヨネーズの卵に着目し、マヨネーズの謎を解き明かしていきます!
マヨネーズの「卵」の種類
マヨネーズには卵黄タイプと全卵タイプの2種類に大別できます。
文字通り、この2種類の違いは卵の卵黄のみを使用するか、全部使用するかの違いです。
市販のマヨネーズではメーカーによって異なりますが卵黄タイプ・全卵タイプどちらも主流です。
ここからは卵黄タイプと全卵タイプの代表的なマヨネーズとともにその特長をご紹介します。
卵黄タイプのマヨネーズ
卵黄タイプの代表はキューピーマヨネーズ(キューピー株式会社)。
1925年、日本で初めてマヨネーズを発売したキューピー。
一般的な450gサイズのマヨネーズには、なんと卵黄が3.6個も入っています!
卵黄のみを使用していることで、どこか懐かしい濃厚な味わいを実現しているのですね。
ちなみに、マヨネーズに使われない卵白も無駄になりません。
キューピーが販売するお菓子やかまぼこ、ハムなど他の商品に活用されているとのことです。
卵白だけだったら、たくさんメレンゲが作れるね。
全卵タイプのマヨネーズ
全卵タイプのマヨネーズで有名なのは味の素株式会社のピュアセレクト(R)マヨネーズです。
味の素がマヨネーズ販売に着手したのは1968年。
キューピーが日本初のマヨネーズを販売してから43年後のことでした。
その頃はマヨネーズ=キューピーという勢力が特に強かったため、差別化を図るためあえて全卵タイプのマヨネーズを販売することにしました。
ちなみに、キューピーの牙城は未だ崩れず、マヨネーズのトップシェアをキープし続けています。
そんな味の素ピュアセレクトの特長は「とれて3日以内の国産新鮮たまごのみを使用」していること。
そのフレーズはCMで聞いたことがあるかも!
全卵タイプの特長は、焼き料理に適していること。
むらなく焼き目が付くので見栄えが良く、トーストなどにバター代わりに塗っても美味しいのがポイントです。
Amazon.co.jpで「味の素 マヨネーズ」をCheckする ≫世界のマヨネーズは卵黄・全卵どちら?
卵黄タイプが主流の日本とは違い、世界的に見るとマヨネーズは全卵タイプが主流です。
もともと、日本のキューピーが海外との差別化を図るために卵黄のみを使用したマヨネーズにしたのが始まり。
日本のマヨネーズがイレギュラーな存在だったのですね。
また、世界のマヨネーズは日本「マヨネーズ」の規格に当てはまらないことが多いのが実情です。
海外産マヨネーズは日本だと「半固体状ドレッシング」に分類されることが多いのだとか。
このように、日本のマヨネーズは独自の発展を遂げているようでした。
卵黄・全卵マヨネーズは味も違う?
卵黄タイプと全卵タイプのマヨネーズは味に多少の違いが見られます。
まず、卵黄タイプは、
- コクがある
- 濃厚
- 酸味が強め
という味の特長があります。
卵黄のみの濃厚さと強い酸味は、野菜だけでなく肉や魚にも負けません。
つづいて、全卵タイプには、
- クリーミー
- 淡泊
- 酸味が控えめ
という特長があります。
後述しますが、全卵タイプは酢の量が控えめで全体的にマイルドになっています。
そのため淡泊な野菜はもちろん、パンに塗ってトーストしても濃すぎず食べやすいのが特長です。
卵黄・全卵マヨネーズの栄養を比較
卵黄タイプと全卵タイプのマヨネーズでは栄養の量も変わるのでしょうか?
気になったので、キューピー(卵黄タイプ)とピュアセレクト(全卵タイプ)の栄養成分を比べてみました。
卵黄タイプ (キューピー) | 全卵タイプ (ピュアセレクト) | |
---|---|---|
エネルギー | 100kcal | 110kcal |
たんぱく質 | 0.4g | 0.21g |
脂質 | 11.2g | 11g |
炭水化物 | 0.1g | 0.54g |
食塩相当量 | 0.3g | 0.27g |
ここからは、数値に差があるカロリー・たんぱく質・炭水化物について掘り下げていきます。
マヨネーズのカロリー比較
マヨネーズのカロリーは、卵黄タイプが100kcal、全卵タイプが110kcalでした。
カロリーは全卵タイプの方が多いのが分かりますね。
15gあたりで10kcalも多いので、100gあたりで換算すると60kcal以上も差が出ます。
しかし、卵のみのカロリーからすると少し不思議な結果です。
卵黄100gあたりのカロリーは387kcal。
その一方、卵白は100gあたり47.1kcalしかありません!
カロリーに大きく影響する脂質量はほぼ変わらない数値です。
よって普通に考えれば、卵黄タイプの方がカロリーが高くなる気がしますよね?
その理由は炭水化物量にありました!
マヨネーズの炭水化物比較
マヨネーズの炭水化物量は、卵黄タイプが0.1g、全卵タイプが0.54gでした。
全卵タイプの炭水化物量が5.4倍も多い結果になりました!
ここまで炭水化物量に大きな差が出たのは、全卵タイプでは原材料に甘味料を使用しているためだと思われます。
キューピーとピュアセレクトのマヨネーズの原材料を書き出してみます。
- 食用植物油脂(国内製造)
- 卵黄
- 醸造酢食塩
- 香辛料/調味料(アミノ酸)
- 香辛料抽出物
- (一部に卵・大豆・りんごを含む)
卵黄タイプには甘味料が入ってないね。
- 食用植物油脂(菜種油(国内製造)大豆油、コーン油)
- 卵
- 水あめ
- 醸造酢(醸造酢、ぶどう酢、穀物酢、米酢)
- 食塩香辛料
- 濃縮レモン果汁/調味料(アミノ酸)
この通り、全卵タイプのピュアセレクトには甘味料として水あめが含まれています。
上記の一覧は原材料が多く含まれる順なので、水あめは酢よりも多いということに!
この水あめがカロリー及び炭水化物の量を引き上げているのでしょう。
※炭水化物とは糖質・食物繊維から構成される栄養素。
全卵タイプのマヨネーズに卵黄タイプにはない甘味料(水あめ)が含まれるのは、コクを出すためと思われます。
コクがある卵黄のみに比べ、あっさりした卵白も加えた全卵タイプではどうしてもコクや濃厚さに差が出てしまいます。
そのコクを補うために水あめを入れ、卵黄タイプに負けないコクを引き出しているのでしょう。
また、卵100gあたりの糖質量を比べてみると、卵黄は0.1g、卵白は0.4gです。
この糖質量が多い卵白が含まれるかどうかも、マヨネーズの炭水化物量に影響しているのではないでしょうか。
マヨネーズのたんぱく質比較
マヨネーズのたんぱく質量は、卵黄タイプが0.4g、全卵タイプが0.21gでした。
卵黄タイプがおよそ2倍もたんぱく質量が豊富という結果になっています。
この差はたんぱく質量の多い卵黄を使用する割合の差と考えられます。
卵黄のたんぱく質量は100gあたり16.5gです。
一方の卵白は100gあたり10.5g。
卵黄の方が6gも多い結果となりました。
卵黄タイプはたんぱく質が豊富な卵黄のみがミチミチに入っているため、たんぱく質が豊富になっているのですね。
まとめ
- マヨネーズは大きく卵黄タイプ・全卵タイプに分かれる。
- 代表的な商品として、卵黄タイプではキューピーマヨネーズが、全卵タイプではピュアセレクト(R)マヨネーズがあげられる。
- 栄養成分の違いでは、卵黄タイプの方がたんぱく質が多く、全卵タイプの方がカロリー・炭水化物の方が多かった。
- 炭水化物量が多いことから、全卵タイプの方がカロリーが高くなると推測される。
卵黄・全卵のタイプによって味にも栄養にもけっこう差が出ることが分かりましたね。
わたしは、これまであまり意識しなかったのですが、これからは特徴を意識しながらマヨネーズを選びたいと思いました。
あなたもぜひこの記事を参考にマヨネーズ選びを楽しんでくださいね♪