夏野菜として人気が高い「なす」。
そんな「なす」には「栄養がない」という噂が!
なすには栄養がない、というのは本当なのでしょうか?表にして確認してみました!
また、なすにはなす特有のレアな栄養素が含まれるとの情報も。
なす特有のレアな栄養素を調べると、スゴい働きが明らかになりました!
今回はそんな「なすの栄養」についてまとめています。
なすは「栄養がない」野菜?
なすには「栄養がない野菜」という不名誉な噂があります。
なすにとっては不名誉極まりない噂ですが、この噂には『なすは水分量が多すぎる』というちゃんとした根拠がありました。
そんな、なすの水分量は100gあたり93.2g。
つまりなす全体の93%以上が水分ということです。
栄養はなす全体の7%弱しかないなら「栄養がない野菜」といわれても仕方ないかな。
しかし、野菜の水分量はおおむね90%以上を占めているため、なすが飛び抜けて水分が多いわけではありません。
特に、なすと同じ夏野菜の「きゅうり」などは実に95%が水分だったりします。
なすが栄養のない野菜であるのかどうか、なすの栄養を表にしてまとめてみます。
<表で確認>なすの栄養成分表
なすの栄養成分を基本・ビタミン・ミネラルの3つずつご紹介していきます。
【基本】なすの栄養成分表
まずは、なす100gに含まれる基本の栄養価です。
栄養成分 | 100gあたりの含有量 |
---|---|
水分 | 93.2g |
エネルギー | 18kcal |
たんぱく質 | 1.1g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 5.1g |
食物繊維 不溶性食物繊維 水溶性食物繊維 | 2.2g 1.9g 0.3g |
注目すべきはカロリー(エネルギー)の少なさ!
100gあたり18kcalとなかなかの低カロリーです。
また、食物繊維が100gあたり2.2gと少なくないのもポイント。
そんな食物繊維のうち『不溶性食物繊維』が1.9gと豊富なので、便秘の改善・予防に効果が期待できます。
【ビタミン】なすの栄養成分表
つづいて、なす100gに含まれるビタミンです。
栄養成分 | 100gあたりの含有量 |
---|---|
βカロテン | 100μg |
ビタミンB1 | 0.05mg |
ビタミンB2 | 0.05mg |
ビタミンB6 | 0.05mg |
葉酸 | 32μg |
ビタミンC | 4mg |
ビタミンE | 0.3mg |
ビタミンK | 10μg |
なすのビタミン類で特筆するほど豊富に含まれる栄養成分はありません。
ただ、あらゆる栄養素を少しずつでもまんべんなく含んでいる印象です。
【ミネラル】なすの栄養成分表
最後は、なす100gに含まれるミネラルです。
栄養成分 | 100gあたりの含有量 |
---|---|
カリウム | 220mg |
カルシウム | 18mg |
マグネシウム | 17mg |
リン | 30mg |
鉄 | 0.3mg |
ビタミン同様、なすには特別豊富に含まれるミネラル類はありません。
強いて言うならカリウムが100gあたり220mgと比較的多く含まれているくらいでしょう。
カリウムは体内のナトリウムを調節・排出する働きがあり、高血圧の方は積極的に摂るべき栄養素と言えます。
また、利尿作用があり、体内の余分な水分の排出をサポートしてくれるので、むくみ解消に効果的。
水分を尿として排出することで身体を冷やす働きも。
カリウムは他の夏野菜にも多く含まれる栄養素です。
【まとめ】なすの栄養
ここまで、なすの栄養を表にまとめて確認してみました。
栄養成分表から判断すると、なすの栄養は「少ない」と言えますね。
全然ない、わけではありませんが、栄養が豊富な野菜とも言えない野菜。
というのがなすの栄養でした・・・。
なすに含まれるレアな栄養2選
なすは「栄養が少ない」野菜であることが判明してしまいました・・・。
けれども、なすには他の野菜では珍しい、レアな栄養素が2つも含まれています。
なすのレアな栄養素① ナスニン
なすのレアな栄養素その1は『ナスニン』です。
ナスニンはアントシアニン系ポリフェノールの一種。
なすの皮の紫色の色素成分で、あの独特な紫色の正体でもあります。
ナスニンの働き
ナスニンの働きは
- 抗酸化作用
- 眼精疲労の軽減
の2つです。
ナスニンは強い『抗酸化作用』を持ち、生活習慣病の予防に効果的です。
さらに、アントシアニンの一種でもあるので『眼精疲労の軽減』にも効果が期待できます。
ナスニンを効率的に摂る料理法
ナスニンはなすの皮に含まれる水溶性の栄養素です。
つまり、ナスニンを効率的に摂取するには、
- 皮ごと(皮を剥かない)
- アク抜きで水にさらさない
という2つの料理法を意識すると良いでしょう。
なすのレアな栄養素② コリンエステル
なすのレアな栄養素その2は『コリンエステル』です。
このコリンエステルは高知県で生産・出荷されている「高知なす」に含まれる機能性成分です。
高知なすは2020年9月に機能性表示食品として消費者庁によって届出が受理されました。
一見すると普通のなす。なのに機能性表示食品なんて面白いですね!
コリンエステルの働き
機能性成分・コリンエステルは
- 血圧改善効果
- 気分改善効果
が確認されています。
まず『血圧改善効果』は血圧が高めの方の血圧(拡張期血圧)を改善する機能があると報告されています。
この血圧改善効果は生のなすでは日本初の届出受理となっています。
また『気分改善効果』はストレスを感じている方のネガティブな気分が抑制される機能が実験により明らかとなっています。
コリンエステルを効率的に摂取する料理法
コリンエステルはなす全体に含まれ、熱に強いという特長があります。
『熱に強い』ため、加熱してもコリンエステルが壊れないのがポイント!
しかし、水溶性なので水にさらすと流出してしまいます。
また、コリンエステルにはなすを生のまま保存すると徐々に減少していくというデメリットが。
つまり、コリンエステルを効率的に摂取するには
- 加熱してから保存する
- 水にさらさない
という料理法を意識することが良いでしょう。
全部のなすではなく高知県の「高知なす」のみの機能性成分なので注意が必要ですね。
※参考 JA高知 高知なすで健康生活
<まとめ>なすの栄養について
- なすは栄養が少ない野菜だった
- なすは栄養が少ない一方、レアな栄養を含む野菜でもある
- 抗酸化・目の疲れに効く『ナスニン』
- 血圧改善効果がある『コリンエステル』
ここまで、なすの栄養についてまとめてみました。
なすは「栄養がない」わけではないものの、「栄養が少ない」野菜ではありました・・・。
ただ、少量ずつでもまんべんなく栄養が含まれているのは1つの特徴です。
さらになす特有の『ナスニン』『コリンエステル』というレアな栄養素も含まれるなす。
効率的に摂取できる料理法を意識して、なすの栄養を上手に取り入れていきましょう♪