いつも食べているトウモロコシの種類と、そのトウモロコシの栄養価をまとめました。
トウモロコシの種類を利用方法ごとに分類。
さらに、甘いトウモロコシはハイカロリーであるという噂も。
そのトウモロコシ=カロリーが高いは本当なのか、他の栄養価とともに調べてみました。
普段食べているトウモロコシの種類は?
わたしたちが普段食べているトウモロコシは『甘味種(スイートコーン)』という種類です。

甘味種は名前の通り、甘味が強いトウモロコシ品種の総称。
野菜として一般的に食べられているトウモロコシはすべてこの甘味種となります。
コーンフレークやコーンスターチなど、加工食品の原料になるのもこの甘味種です。
トウモロコシの他の種類
世界的に見ると、トウモロコシは野菜ではなく「穀物」として利用されることが多い食材です。
穀物として利用されるトウモロコシは『硬粒種(フリントコーン)』と呼ばれ、加工食や家畜用の飼料となります。
メキシコ料理であるトルティーヤ(薄焼きのパン)の原料として有名です。
また、お菓子としてなじみ深いのが『爆裂種』。
ポップコーンになる品種で、粒の皮がとても硬いことが特徴です。
加熱すると粒内の水分が膨張し、その圧力に耐えきれなくなった皮が破裂しポップコーンが出来上がります。
コーンスターチ(トウモロコシから採られたデンプン)の原料になる『馬歯種(デントコーン)』も私たちの生活に密接に関わっています。
この馬歯種は成長により糖分がデンプンになってしまうため、そのまま食用には向きませんが、先述したコーンスターチや家畜用の飼料として活用されている種です。
さらに、もち米の代用にもなる、モチモチ食感が特徴の『糯種(ワキシーコーン)』という品種も。
この糯種は粒の色が黄色や白だけでなく、黒や紫色の品種もあります。
- 甘味種(スイートコーン):野菜。甘味が強い。
- 硬粒種(フリントコーン):穀物・飼料。トルティーヤの原料。
- 爆裂種(ポップコーン):ポップコーンの原料。
- 馬歯種(デントコーン):コーンスターチの原料。家畜用の飼料。
- 糯種(ワキシーコーン):もち米のようなモチモチ食感。もち米の代用。
ヤングコーンとトウモロコシの違い
トウモロコシには、トウモロコシをそのままミニチュアサイズにした『ヤングコーン(ベビーコーン)』という種類があります。

日本では缶詰・瓶詰めとして売られていることが多いですね。
そんなヤングコーンとトウモロコシの違いは収穫時期。
甘味種のトウモロコシを、大きくなる前に若採りしたものがヤングコーン。
つまり、トウモロコシとヤングコーンは同じ品種です。
多くは間引きとして早いうちに収穫されてしまうトウモロコシであり、一般的なトウモロコシよりも旬が少し早いのが特徴ですね。
トウモロコシの栄養価
トウモロコシの栄養価を表でまとめます。
野菜として食べられるトウモロコシ、つまり『スイートコーン』の栄養価です。
<基本>トウモロコシの栄養価
トウモロコシの基本の栄養価です。
栄養素 | 100gあたりの含有量 |
---|---|
エネルギー | 89kcal |
水分 | 77.1g |
たんぱく質 | 3.6g |
脂質 | 1.7g |
炭水化物 | 16.8g |
食物繊維 | 3.0g |
エネルギー(カロリー)が100gあたり89kcalというのは、かぼちゃと同程度のハイカロリー。
同じ夏野菜で、甘味が強い野菜なので納得ですね。
野菜の中では高めですが、先述したとおり、そもそもトウモロコシは世界三大穀物の1つで、世界的に見れば『穀物』に分類されます。
実際、炭水化物は100gあたり16.8gと多め。
しかし、炭水化物のうち食物繊維も豊富なのがトウモロコシの特長。
水溶性食物繊維 | 0.3g |
不溶性食物繊維 | 2.7g |
水溶性食物繊維は0.3g、不溶性食物繊維は2.7gと不溶性食物繊維が食物繊維全体の90%を占めます。
このトウモロコシの不溶性食物繊維は粒1つずつを包んでいる皮で、セルロースと呼ばれる成分。
- 便通改善:排便の量・回数を増やす
- 大腸がんの抑制
- コレステロール値を下げる
- デトックス効果
- 満腹感が持続しやすい
という働きを持ち、腸内環境を整えてくれます。
特に、便秘に悩む方は積極的に摂るべき栄養素と言えますね。
<ビタミン>トウモロコシの栄養価
トウモロコシに含まれるビタミンです。
栄養素 | 100gあたりの含有量 |
---|---|
βカロテン(ビタミンA) | 53μg |
ビタミンB1 | 0.15mg |
ビタミンB2 | 0.10mg |
ナイアシン | 2.3mg |
ビタミンB6 | 0.16mg |
葉酸 | 95μg |
ビタミンC | 8mg |
ビタミンD | 0μg |
ビタミンE | 1.3mg |
トウモロコシはビタミンB群(B1・B2・ナイアシン・B6・葉酸)やビタミンEが比較的多めに含まれます。
ビタミンB群はそれぞれ酵素をサポートする補酵素として働く栄養素。
糖質・たんぱく質・脂質などの代謝をサポートしてくれる、とても大切な栄養素と言えますね。
また、ビタミンEは高い抗酸化作用を持ち、動脈硬化の予防に効果的です。
<ミネラル>トウモロコシの栄養価
トウモロコシに含まれるミネラルです。
栄養素 | 100gあたりの含有量 |
---|---|
ナトリウム | 0mg |
カリウム | 290mg |
カルシウム | 3mg |
マグネシウム | 37mg |
リン | 100mg |
鉄 | 0.8mg |
亜鉛 | 1.0mg |
トウモロコシにはカリウムやリン、鉄、亜鉛が多く含まれます。
ナトリウムの排出に役立つカリウムは、利尿作用によるむくみ解消にも効果的。
身体を冷やす効果があるため、夏野菜全般に多く含まれる栄養素でもあります。
リンには骨や歯を作る働きがありますが、普通の食生活をしていれば不足することはありません。
赤血球を作る鉄は、不足すると貧血症状を引き起こします。
特に女性は月経により毎月鉄が失われるので、意識的に摂ることが大切です。
亜鉛は不足すると味覚に異常がでることも。
100種類ほどの酵素の補酵素として働き、細胞の生成やインスリンの合成にも役立ちます。
近年、亜鉛不足の方が増えているので、積極的に摂るべき栄養素と言えますね。
【まとめ】トウモロコシの種類・栄養価
- いつも食べているトウモロコシは『甘味種(スイートコーン)』
- 他にも硬粒種・爆裂種・馬歯種・糯種などという種類がある
- トウモロコシは100gあたり89kcalと野菜の中では高カロリー
- 糖質も高いが、不溶性食物繊維(セルロース)も豊富
- ビタミンB群やビタミンE、カリウム・リン・鉄・亜鉛なども多く含まれる
トウモロコシを調べると、奥が深くて呑み込まれそうでした。
野菜としてのトウモロコシと穀物としてのトウモロコシ、飼料としてのトウモロコシはみんな違う種類であることに驚きました。
けれども、ヤングコーンは甘味種の早採れなので同じ種類というのがビックリです。
カロリーが高いのがネックではあるものの、その分、少量でもエネルギー補給ができるというメリットも。
夏バテ防止にトウモロコシを食べるのもアリですね。