記事内にプロモーションが含まれています。

【ひな祭り】なぜ『ちらし寿司』を食べる?具材に込められた意味とは

3月3日といえば、女の子のお祭りである『ひな祭り』。

ひな祭りにはちらし寿司を作り、お祝いをする習慣がありますよね?

しかし、なぜひな祭りにはちらし寿司を食べるのでしょう?

また、実はちらし寿司の具材1つ1つにはある思いが込められていました。

そんなひな祭りとちらし寿司の関係、さらに具材に込められた意味をまとめてみました。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

ひな祭りとは

ひな祭り(雛祭り)とは女の子の健やかな成長を願う日本独自の年中行事です。

桃の節句に行われる行事としても有名ですね。

節句とは?

節句とは、古代中国の陰陽五行説を元にした暦のこと。

節句は年間を通して5回訪れ、そのうち桃の節句は上巳(じょうし)とも呼ばれます。

ちなみに他の節句は

  • 人日(じんじつ)
  • 端午(たんご)
  • 七夕(しちせき)
  • 重用(ちょうよう)

と呼ばれます。

ひな祭りは何月何日?

現在のひな祭りは3月3日に行われます。

花緒
花緒

今年(2022年)は木曜日ですね。

しかし、和暦(太陽太陰暦・旧暦)を用いていた江戸時代までは今の4月ごろに行われていました。

今でも一部では、ひな祭りを旧暦の3月3日、または新暦の4月3日に行う地域があるとのこと。

そもそも『桃の節句』という名前は桃の花が咲く時期の節句という意味。

桃の花は3月下旬~4月上旬にかけて咲くので、旧暦のまま行う方が自然と言えば自然ですね。

参考までに、他の節句の日にちもまとめてみます。

日付節句:和名節句:漢名
1月7日七草の節句人日(じんじつ)
3月3日桃の節句・ひな祭り上巳(じょうし)
5月5日菖蒲の節句端午(たんご)
7月7日笹の節句・たなばた七夕(しちせき)
9月9日菊の節句重陽(ちょうよう)
五節句の日付・和名・漢名

5月5日のこどもの日は『端午の節句』と呼ばれる方が一般的でしょうか?

また、短冊に願い事を書く事でおなじみの七夕も節句の1つだったのですね。

花緒
花緒

意識しませんが、節句はわたしたちの生活にも身近な存在ですね。

他の節句の行事料理についてまとめた記事は↓

ひな祭りにちらし寿司を食べる理由

ひな祭りと言えば、カラフルで華やかなちらし寿司。

女の子のお祝い、というのに相応しい可愛らしさですよね。

そんなひな祭りの定番とも言えるちらし寿司ですが、実はひな祭りにちらし寿司を食べる理由は特にありません。

大正時代以降に広まったとされ、意外とここ100年ほどの新しい文化だったりします。

何となく昔から伝統的に食べられている行事料理のような気がしてたから意外だね。

そもそも『ちらし寿司』とは?

ちらし寿司とは酢飯にいくつかの具材を合わせて作る寿司の一種。

酢飯の上に具材を『散らす』ようにして合わせることからちらし寿司という名前になりました。

そんなちらし寿司には

  • 五目寿司
  • ばら寿司
  • 混ぜ寿司
  • ばらちらし

といった別名もあります。

これらは細かい視点で見れば違う料理ですが、広い意味では同じ料理と見なされています。

酢飯の上に具材を散らすのがちらし寿司、酢飯に具材を混ぜ込むのが五目寿司、と分けることもあるみたいです。

ただ、いずれにしても明確な定義はありません。

酢飯に具材を散らしたり混ぜたりする料理はちらし寿司と認識して大丈夫だと思います。

ちらし寿司の発祥

ちらし寿司の由来には

  1. 岡山県の郷土料理『どどめせ』
  2. 三重県の郷土料理『なれずし』

という郷土料理がルーツであるという2つの説があります。

岡山県の郷土料理『どどめせ』

『どどめせ』は日本の中世・鎌倉時代から食べられていたとされる岡山県の郷土料理です。

岡山県のうち備前福岡地方が発祥とされています。

どどめせは、炊き込みご飯に酢酸発酵が進み酸っぱくなったどぶろく(にごり酒)をかけた食べ物。

偶然どぶろくを加えたら美味しかったため、この地方で名物になっていったとのことです。

名前は「どぶろくめし」がなまったもの。

このどどめせは、後の江戸時代で同じく岡山県の郷土料理である『備前ばら寿司』のルーツとなります。

備前ばら寿司はばら寿司なのでちらし寿司の一種。

よって、どどめせがちらし寿司の発祥とされているのですね。

※参考 備前福岡一文字うどん 備前福岡の郷土料理「どどめせ」

三重県の郷土料理『なれずし』

『なれずし』とは塩漬けにした魚と米を乳酸発酵させた食べ物です。

もともとは魚を米により発酵させ、長期保存するために考えられた加工法。

発酵に使われる米は捨てられていました。

しかし、室町時代ごろから魚とともに米も食べる「なまなれ」という食べ方が定着。

後になれずしと呼ばれるようになったといわれています。

ちなみに、滋賀県の郷土料理として有名な鮒寿司(ふなずし)もこのなれずしの一種です。

ただ、このなれずし、見た目や作り方などはまったくちらし寿司に似ていません。

特に、酢ではなく乳酸発酵によりご飯に酸味を付けるというのが一番の違いと言えます。

このことからも、なれずしがちらし寿司のルーツとなった、というのはやや信憑性が薄いと思われます。

しかし、なれずしはお正月にも食べられる縁起が良い料理。

かつては桃の節句の時期にも食べられていたという説もあり、この時期に食べられたなれずしを華やかな具材で彩ったのがルーツでは?ともされています。

※参考 農林水産省 うちの郷土料理 なれずし 三重県

ちらし寿司の主な具材

ちらし寿司には「絶対にこれ!」というような具材はありません。

ご飯と調味料があれば、基本的に何を散らしても大丈夫だと思います。

しかし、何事にも王道を知ることは必要。

そんなちらし寿司のオーソドックスな具材を意味とともにまとめてみました。

れんこん

穴の空いた形が特徴的なれんこん。

そんなれんこんには『先のことがよく見通せる』『先の見通しが立つ』という意味が込められています。

子どものお祝いの日に相応しい意味ですね。

海老

海老には『長生きできるように』との意味が込められています。

お正月のおせち料理でも聞いたことがある意味ですね。

腰が曲がったように見える海老になぞらえ、いつまでも元気で長生きして欲しいとの願いが込められていたのですね。

また、現代だとピンときませんが、子どもが大人になる確率が今よりもはるかに低かった近代日本では、生きることが何よりの願いだったのだと感じました。

いくら

いくらには『子孫繁栄』の意味が込められています。

いくらは鮭の卵ですので、この意味合いはけっこうダイレクトですね。

川で生まれ、海で成長し、産卵のためまた川に戻る。

そんな鮭の強さにあやかり『子宝に恵まれて欲しい』との願いも込められているとのこと。

ちらし寿司に豆?と思ってしまいますが、さやいんげんやさやえんどう、枝豆などは確かにちらし寿司にも入っていますね。

そんな豆には『まめに働いて欲しい』との意味が込められています。

さらに、かつて「まめ」という言葉には健康・丈夫との意味合いもありました。

そのため『健康・丈夫で働けますように』との意味もあるとのこと。

錦糸卵・桜でんぷん

ちらし寿司を華やかに彩る錦糸卵・桜でんぷん。

この2つにも何か思いや意味が込められていそうですが、錦糸卵・桜でんぷんには装飾以外の意味はないようです。

ただ、この2つが入るちらし寿司は一気にひな祭り感がでるのも事実!

女の子のお祭りには欠かせない重要な具材ですね!

まとめ

  • ひな祭りとは5節句の1つ・上巳、つまり桃の節句を祝う年中行事
  • ちらし寿司をひな祭りに食べる理由は特にない
  • ちらし寿司の具材には子どもの健やかな将来への思いが込められている

ひな祭り=ちらし寿司というイメージを持っていましたが、食べる理由は特にないというショッキングな事実が発覚しました・・・。

けれども、ちらし寿司の可愛らしさは、女の子のお祭りであるひな祭りにピッタリ!

女の子がいるご家庭ではぜひ作ってみてはいかがでしょうか?

タイトルとURLをコピーしました