夏に美味しいトマト。
そんなトマトの栄養成分として「リコピン」が有名ですよね?
しかし、そのリコピンとはいったいどんな栄養成分なのでしょう?
また気になるのはリコピンの効果的な食べ方!
さらに、リコピンの摂取量の目安も知っておきたいですね。
- トマトの栄養「リコピン」について
- トマトによって違うリコピン量
- 効果的なリコピンの摂取方法
- リコピンの摂取目安
- 抗酸化作用とは
今回は、トマトのリコピンについて、またリコピンをたっぷり摂れるトマトの食べ方をご紹介します。
トマトの栄養「リコピン」とは
リコピンは、カロテンの一種です。

そのカロテンとは、カロテノイドの一種で、ニンジンなどのだいだい色の元である天然の色素のこと。
つまりリコピンは色素なのです。
そして、カロテンのうち鮮やかな赤色をしたものがリコピンになります。
そんなリコピンは、トマトだけに含まれる栄養成分というわけではありません。
以下、リコピンが含まれる野菜・フルーツをまとめてみました。
- ニンジン
- すいか
- パパイヤ
たしかにどれもオレンジや赤の野菜・フルーツですね。
しかし、赤いフルーツの代表とも言えるイチゴやサクランボの赤色はリコピンではなくアントシアニンによるものです。
リコピンの栄養成分
リコピンが含まれる栄養群・カロテノイドは抗酸化作用が強いことで知られています。
そのカロテノイドの中でも、リコピンの抗酸化作用は随一!
しかし、高い抗酸化作用があるとどう健康によいのでしょう?
というわけで、まずは抗酸化について簡単にご説明します。
抗酸化作用とは
抗酸化とは、酸化にあらがうという字の通り「身体の酸化を防ぐ」はたらきのこと。
人が生きていくのに酸素は不可欠!
けれども、取り入れた酸素の一部は身体の中で「活性酸素」に変化してしまいます。
この活性酸素のはたらきは身体を酸化させること。
そのため、活性酸素が増えると身体の中が酸化、つまり金属が錆びたようになってしまうのです!
金属の錆は、身体では老化にあたります。
よって抗酸化作用とは、身体の老化を食い止めるはたらきのことです。
さらに、抗酸化作用にはがん細胞が増えることや動脈硬化を防ぐはたらきもあります。
また、体内の抗酸化物質は、年齢とともに減少していくとされているので、抗酸化作用が高いリコピンは、特に中高年の方が摂取すべき栄養成分とも言えますね!
ちなみにリコピンの抗酸化は、同じく抗酸化作用が高いとされるビタミンEのおよそ100倍の強さを持つそうです!
抗酸化=リコピンが効果的ですね!
リコピンが効果的に摂れるトマトの食べ方
リコピンの抗酸化作用がアンチエイジングにとても大切だと分かりました。
そんなリコピンが多く含まれるというトマト。
そのトマトには、どのくらいの量のリコピンが含まれているのでしょう?
さらに、リコピンがたっぷり摂れるトマトの食べ方もご紹介します。
また、目安とされるリコピンの摂取量とは?
詳しくお伝えしていきます!
トマトのリコピン量を比較
実はトマトの種類や食べ方によって、含まれるリコピン量に大きな違いがあることが分かりました。
野菜ジュース「野菜生活」でおなじみのカゴメ株式会社の調査によると、生食用のトマトにはおよそ3~5mg(トマト100gあたり、以下同)のリコピンが含まれます。
生食用のトマトとは、一般的にスーパーに売られている普通のトマトのことです。
しかし、これが加工用のトマトになるとおよそ10mgまでリコピン量がアップ!
さらに加工用・高リコピントマトではおよそ15mgといわれています。
加工用だとおおまかに3倍近くはリコピン量が多いのですね。
ここまでリコピン量に違いが出るのは、トマトの赤色が関係しています。
さきほどリコピンは「赤い」天然の色素と説明しました。
そう、つまり真っ赤なトマトほどリコピンがたっぷり含まれているのです!
加工用のトマトは真っ赤に熟した状態で加工されます。
そのためリコピンをより多く含むことになるのです。
よって、トマトはより赤いものを選ぶとリコピンを効率よく摂取できます。
また、ミニトマトの場合はおよそ8mg。
大きいトマトよりもミニトマトの方がリコピン量では勝っているのですね。
リコピンの効果的な摂り方
「リコピンを効果的に摂りたい!」という場合はトマトジュースで摂るのがおすすめです。

普通のリコピンは細胞壁にガードされた状態にあります。
ガードされたリコピンは、そのまま食べるとなかなか吸収されません。
そのためリコピンの吸収率がアップさせるには、細胞壁を壊してあげることが必要。
トマトジュースのリコピン吸収率は、生食用のトマトと比べ4倍以上になることからもベストな摂り方と言えますね。
また、この法則に当てはまるトマトケチャップやトマトピューレももちろんおすすめです。
さらにリコピンが含まれるカロテノイドには、以下の3つの特徴があります。
- 水に溶けにくい
- 加熱に強い
- 脂質に溶ける
ここからは、その3つの特徴ごとに詳しく説明していきます。
水に溶けにくい
リコピンは「水に溶けにくい」という特徴を持ちます。
そのため、浅漬けなどで食べてもリコピンは失われにくいのです。
加熱に強い
リコピンには「加熱に強い」という特徴も。
加熱してもリコピンは壊れずそのまま残ります。
むしろ加熱することで細胞壁が壊れ、リコピンの吸収率は上がります。
ハヤシライスなど、加熱する上にトマトをたくさん使える料理は特におすすめですね。
脂質に溶ける
リコピンは「脂質に溶ける」、つまり油に溶けるという特徴も持ちます。
さらに、脂質といっしょに摂取するとより吸収されやすくなる、という特徴も!
トマトとチーズを薄切りにしオリーブオイルをかけたイタリア料理・カプレーゼは理にかなった食べ方と言えますね。

また、加熱にも強いので油を絡めた炒め物にしても効果的です。
リコピンの1日あたりの摂取目安
リコピンの1日あたりの摂取目安はおよそ15mgです。
明確な基準はありませんが15mgがベストとされています。
リコピン15mgは、トマトジュース1杯・200mlほどで摂れる量です。
また、生のトマトなら大きめを2つ分と覚えておいてください。
1個250gとして計500gと考えると、けっこうな量ですね・・・。
ですので、やはり効率を考えたらトマトジュースがベストでしょう。
まとめ
- トマトの栄養「リコピン」は赤色の天然色素。
- リコピンはカロテンの一種で、老化やがんの抑制に効果的とされる高い抗酸化作用を持つ。
- リコピンの抗酸化作用を効果的に得るならトマトジュースがオススメ。
- さらに加熱に強く油に溶ける特徴から、炒め物にしても効果的。
このように、今回はトマトの栄養・リコピンについてまとめました!
よく名前は聞くけどイマイチ分からなかったリコピンについて詳しく知ることができましたね。
これからは生食以外にも、トマトジュースや炒めものにして美味しくトマトをいただきたいですね♪