味つけしなくてもただ焼くだけで甘い「かぼちゃ(南瓜)」。
こどもから大人まで好かれるかぼちゃですが、ダイエットには不向きとの噂も。
その理由は、他の野菜と比べかぼちゃは糖質高め&高カロリーだから?
そこで、かぼちゃは本当に高糖質・高カロリーなのか、他の野菜との比較表とともにご紹介します!
かぼちゃのダイエットへの向きor不向き、その理由も合わせてお伝えしていきます!

甘くて美味しいかぼちゃだけど、甘いってことは糖質が高いってことかあ・・・。
カロリーも確かに高そうだな~。
かぼちゃの糖質
かぼちゃの糖質はイメージ通り高いのでしょうか?
それぞれ調べてみました!
また、この記事でのかぼちゃとは、現在の日本で一番多く出回っている「西洋かぼちゃ」を指します。
西洋かぼちゃはいわゆる「栗かぼちゃ」で、深緑色の皮とオレンジ色の実が特徴のかぼちゃ。
わたしたちが普段スーパーで見かけるあのかぼちゃです。
かぼちゃの糖質量

かぼちゃの100gあたりの糖質量は17.1gです。
そもそも糖質とは、食材に含まれる炭水化物のうち食物繊維を除いたものです。
かぼちゃの炭水化物量は20.6g・食物繊維量は3.5gなので、20.6-3.5=17.1gとなります。

それって多いの?

なかなか多いんじゃないかな?
糖質高そうな野菜と比較
100gあたりの糖質量が17.1gと言われても、いまいちピンときませんよね?
そこで分かりやすいように、表にまとめました!
かぼちゃとよく似た野菜と言われがちなさつまいも・じゃがいも、さらに普通の野菜代表としてにんじんと比較します。
野菜・すべて100gあたりの数値 | 炭水化物量 | 食物繊維量 | 糖質量 |
かぼちゃ | 20.6g | 3.5g | 17.1g |
さつまいも(皮付き・生) | 33.1g | 2.8g | 30.3g |
じゃがいも(生) | 17.6g | 1.3g | 16.3g |
にんじん | 9.3g | 2.8g | 6.5g |
この表では「さつまいも」が最も糖質量の多い野菜となりました。
それもそのはず、さつまいもの糖質量は野菜の中でトップ!
そしてさつまいもと同じいもの仲間・じゃがいもは、かぼちゃよりも糖質量が低いという結果になりました。

表を見ると、炭水化物全体の量も低いけど、食物繊維量も低いことが分かるね。
また、普通の野菜代表として選出されたにんじんは圧倒的に糖質量が低いことが分かりました。
にんじんと比べるとかぼちゃの糖質量はおよそ2.6倍!
かぼちゃと同じく甘いイメージがあるにんじんですが、糖質量では大きな差がありました。
やはり、いも類やかぼちゃはイメージ通り「糖質が多い」のですね。
さらに、食物繊維の量はかぼちゃが一番でした。
つづいては、この食物繊維についてご説明していきます。
食物繊維とは
食物繊維は、炭水化物から糖質を除いた部分のこと。
つまり、先ほどした糖質の説明の逆ですね。
また、食べ物のうち人間自身が分泌する消化酵素だけでは分解できないものすべて、という意味もあります。
簡単にまとめると「自力で吸収できず排出されるもの」ということですね。
かつては「ただのカス」扱いされていた時期もありましたが、現在はとても重要な成分として位置づけられています。
日本では、1日の摂取量として、
- 成人男性は19g以上
- 成人女性は17g以上
が望ましいとされています。
不足すると腸の動きが悪くなり便秘気味になる食物繊維。
その食物繊維には、
- 水溶性食物繊維
- 不溶性食物繊維
という2つの種類があります。
名前の通り、水に溶ける・溶けやすい食物繊維と水に溶けない・溶けにくい食物繊維です。
以下、この2種類の食物繊維をそれぞれご紹介します。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維の主なはたらきは3つ。
- コレステロールの吸収を抑える
- 血糖値の上昇をゆるやかにする
- 満腹に感じさせる
ここからは、このはたらきを1つずつ説明していきます。
コレステロールの吸収を抑える
「コレステロールの吸収を抑える」ことで、体内のコレステロール値の上昇を抑える効果が期待できます。
コレステロールが多すぎる身体は動脈硬化を引き起こし、血栓ができやすくなります。ひどい場合には脳こうそくなど重大な病気につながることも!
さらにコレステロールの代謝や排せつを促すはたらきもあり、生活習慣病の予防に役立ちます。
血糖値の上昇をゆるやかにする
「血糖値の上昇をゆるやかにする」ことは、つまり体内での糖質の吸収をゆっくりにするということ。
血糖値の急激な上昇におけるデメリットは、インスリンが分泌されすぎてしまうことです。
インスリンは身体全体に血糖値を下げるよう指示を出すはたらきをします。
その指示により糖が身体に吸収され、血糖値が下がっていくのです。
しかし、インスリンには吸収されず余った糖を脂肪として蓄えるはたらきも!
インスリンが分泌されすぎると糖→脂肪のはたらきも活発になってしまうのです。
血糖値の上昇を抑えることは、ダイエットにとても重要なポイントですね。
満腹に感じさせる
「満腹に感じさせる」ことは、水溶性食物繊維が胃に入ったときにふくらむことが理由です。
ふくらむことでおなかいっぱいになったと思えるのですね。
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維のはたらきは主に3つ。
- 排便を助ける
- 有害物質のデトックス
- 満腹に感じさせる
ここから以上3つを説明していきます。
排便を助ける
「排便を助ける」とは、つまり便秘を予防し改善させる効果があるということ!
不溶性食物繊維は、水分を吸って大きくふくらむという性質を持ちます。
そのふくらむ性質で腸が活性化。
たまっているから出さなきゃ!と思わせるのです。
さらに、不溶性食物繊維そのものもやわらかい便となります。
便をやわらかくすることで、排便を助けることにつながるのですね。
有害物質のデトックス
「有害物質のデトックス」とは、ダイオキシンや水銀など身体に毒と言われている物質を吸着させる性質によるものです。
ダイオキシンなどをくっつけ、そのまま便としていっしょに排出してくれます。
満腹に感じさせる
不溶性食物繊維にも、水溶性食物繊維と同じ「満腹に感じさせる」効果があるとされています。
しかし理由は違います!
まず、不溶性食物繊維が多く含まれる食材は硬いものが多く、しっかりかまないと食べられません。
この「かむ」ことが満腹感につながります。
さらに、水分を吸ってふくらむという性質によりおなかがいっぱいになったと錯覚し、食べ過ぎを防げるのです。
かぼちゃは水溶性・不溶性どちらの食物繊維が多いのか
かぼちゃの食物繊維量を水溶性・不溶性に分けてまとめました。
水溶性食物繊維 | 0.9g |
不溶性食物繊維 | 2.6g |
このように、かぼちゃは不溶性食物繊維の方が豊富に含まれています。

じゃあとくに便秘がちの時に食べるといいのかもね!
かぼちゃのカロリー
つづいてはかぼちゃのカロリーをお伝えします。

他の野菜との比較や、そもそもカロリーのはたらきについても説明しました。
はたしてかぼちゃはダイエットに向いているのでしょうか?
かぼちゃのカロリー
かぼちゃのカロリー(エネルギー)は100gあたり91kcalです。
スーパーで売られるかぼちゃは1/4カットのものがほとんど。
そのかぼちゃ1/4カットの重さは300~400gくらいです。
仮に300gとすると、かぼちゃ1/4カットのカロリーはだいたい273kcalとなります。

けっこうな高カロリーじゃない?
かぼちゃのカロリー比較
1/4カット(300g)のかぼちゃのカロリーが273kcalとは、だいぶ高カロリーな気がしませんか?
そう考え、とても身近なごはん(白米)と比べてみました。
ごはん1杯分は普通盛り160gとします。
その普通盛りごはんのカロリーは269kcal。
よって、ごはんはかぼちゃ1/4カットとほぼ同カロリーとなります。
また、かぼちゃは真ん中の種の部分は食べません。
種の部分の重さを除けば、その分カロリーも減少します。
そう考えると、そこまで高カロリーに感じませんね。
さらに、糖質のときに比べた野菜たちとのカロリー比較も行いました。
野菜名 | エネルギー |
かぼちゃ | 91kcal |
さつまいも | 132kcal |
じゃがいも | 76kcal |
にんじん | 37kcal |
糖質量の比較と同じように、さつまいもの数値が一番高くなりましたね。
また、じゃがいもの数値も高いですが、かぼちゃよりも15kcalも低い値でした。
いも類と比べると、そこまで高カロリーに思えません。
しかし、にんじんと比べるとおよそ2.5倍も高カロリーでした。
そのため、野菜全体の中では高カロリーと言えますね。
カロリー(エネルギー)のはたらき
カロリー(エネルギー)は、わたしたち人間が生きていくためのパワーの源!
不足すると痩せていくものの、体力の低下や疲れが取れにくい状態に。
さらには頭がしっかり働かなくなったりと、最悪、生活に支障が出てしまいます。
摂り過ぎたら太る原因になるので何かと敬遠されがちなカロリーですが、キチンと摂らないとそれはそれで大変。
かぼちゃは野菜の中では高カロリーです。
しかし食物繊維が豊富なため、少しの量でおなかいっぱいになるというメリットがあります。
そもそも、かぼちゃを100gってけっこうな量です。
例えば「かぼちゃの甘煮」を1/4カットのかぼちゃで4人分作ったら1人分は75g。

かぼちゃだけのカロリーは70kcal未満です。
そう考えると、けっこうヘルシーな食材に感じませんか?
まとめ
かぼちゃの糖質量は17.1g、カロリーは91kcalでした(いずれも100gあたりの含有量)。
この数値は野菜全体の中では結構高い数値です。
しかしかぼちゃは食物繊維が豊富なので、高糖質・高カロリーでもダイエット向けの食材と言えます。
また、少しの量でも満腹感が得られるのはダイエッターの強い味方になるでしょう。
よって、かぼちゃは意外にもダイエット向きの食材だと思います。
ダイエット中の方やダイエットの挑戦したい人は、ぜひ、かぼちゃを食事に取り入れてみてください。