夏から秋にかけて旬を迎え、国産ものが安くたくさん出回る「かぼちゃ(南瓜)」。
実はかぼちゃは種類が豊富。
そのうちスーパーで見かける「いつものかぼちゃ」は、何という種類のかぼちゃなのでしょう?
さらにかぼちゃは色違いも多種多様。
そんないつも食べるかぼちゃの色違いについてもご紹介します。
また、ハロウィンや日本で古くから親しまれていたかぼちゃの種類についても調べてみました!
今回は、かぼちゃの種類について詳しくお伝えしていきます!

いつものかぼちゃは、日本でメジャーなんだから「日本かぼちゃ」とかじゃないの?
日本家庭の定番かぼちゃ
わたしたちが普段スーパーなどで見かけ、買って食べるかぼちゃはセイヨウかぼちゃ(西洋かぼちゃ)という品種です。

日本でポピュラーな品種ですが、もともとは南アメリカ大陸にあるアンデス山脈が原産。
そんなセイヨウかぼちゃの特徴をまとめてみました。
見た目 | 皮の表面に凹凸が少ない ツルツルしている |
味 | 甘味が強い 果肉が粉質 加熱するとホクホクした食感になる |

たしかにいつもの食べているかぼちゃのことだ!
そのセイヨウかぼちゃの品種群に属するのが、日本人にとってなじみ深い栗かぼちゃとなります。
栗かぼちゃは、セイヨウかぼちゃの中でもまるで栗のような強い甘味が特徴。
このうち有名な品種は、
- えびす
- みやこ
- くりゆたか
などがあります。
これらは黒皮栗種のくりかぼちゃ。
また、この黒皮栗種の他にも、栗かぼちゃには皮の色違いの品種もあります。
栗かぼちゃの色違い
日本で最も良く食べられている栗かぼちゃには、黒皮栗種の他に3つの品種があります。
この3つの品種を画像とともにご紹介します。
まずは、東京かぼちゃの別名でも知られる青皮栗種。

(上の「青皮栗種」の画像は確証がありません。もし違う品種のかぼちゃでしたらすみません)
次は、主に石川・金沢で作られ、鮮やかな朱色の加賀伝統野菜・赤皮栗種。

最後は、「雪化粧」という品種が有名な白い皮の白皮栗種。

かぼちゃがこんなカラフルだなんて知らなかったですね!
日本で作られ、流通しているかぼちゃにはいろいろな種類がありました。
かぼちゃの種類いろいろ
わたしたちが普段スーパーで買って食べる栗かぼちゃは、深緑色の果肉で中身が黄色のものです。
しかし、ハロウィンなどで飾りに使われるかぼちゃは皮も果肉もすべてオレンジ色。
このハロウィンで使われるかぼちゃは何という種類のかぼちゃなのでしょう?
また、日本でかつて親しまれていたかぼちゃについてもお伝えします。
ハロウィンで使われるかぼちゃ
ハロウィンで使われるかぼちゃはペポかぼちゃという種類です。

ペポかぼちゃの原産は北アメリカ大陸の南部。
北米から世界中に広がり、中国から日本へ伝えられました。
そのため、ペポかぼちゃなどかぼちゃ全般のことを「唐茄子」とよぶ文化も残っています。

かぼちゃって「なす」なの?
かぼちゃはウリ目ウリ科、茄子はナス目ナス科なので、植物学的には全然違います。
しかし、ペポかぼちゃはセイヨウかぼちゃなど他のかぼちゃ品種よりもなすの方が似ているかもしれません。
ハロウィン用ペポかぼちゃ
ハロウィンでジャック・オー・ランタンになるオレンジ色のかぼちゃは、アトランティックジャイアントという種類のペポかぼちゃです。

いわゆる「おばけかぼちゃ」というやつですね。
アトランティックジャイアント、直訳すると「大西洋の巨人」。
しかし、現在では大西洋沿岸以外でも広く作られるようになっています。
ちなみに、特に大きいものは1トン以上に育ったものも!
育ったあとが大変そうですね・・・。
アトランティックジャイアントは、かつて現地・アメリカではハロウィンが終わるとパンプキンパイにして食べる習慣がありました。
しかし、現在は観賞用に特化したことで味が落ち、食べることは少ないようです。
また、観賞用としてはおもちゃかぼちゃという品種もあります。
小ぶりなので置く場所に困らず、育てやすいことからハロウィンの季節のインテリアとして人気を高めています。
食用ペポかぼちゃの種類
ペポかぼちゃは、少し変わった形の種類が多い品種です。
その種類の一部をご紹介します。
- そうめんかぼちゃ(金糸瓜)
- どんぐりかぼちゃ
- プッチィーニ
- ズッキーニ
ここからは、それぞれについて詳しくまとめていきます。
そうめんかぼちゃ(金糸瓜)
金糸瓜(キンシウリ)という名前も有名なそうめんかぼちゃ。

その名の通り、加熱するとそうめんのように果肉が細長くほぐれるのが特徴です。
また、色は皮も果肉も薄い黄色。
その色から「金糸」瓜とも呼ばれています。
セイヨウかぼちゃはずんぐりとした丸型ですが、そうめんかぼちゃは円柱のように縦に長いのもポイントです。
かぼちゃの一種ですが、味や食感はセイヨウかぼちゃとあまり似ていません。
さっぱりしているので酢の物にもぴったり。
海外では、麺の代わりに食べることもあるとか。
セイヨウかぼちゃよりもカロリーが低いので、よりダイエット向きでもあります。
どんぐりかぼちゃ
どんぐりのような見た目から名付けられたどんぐりかぼちゃ。

アメリカなどではポピュラーなかぼちゃですが、日本に住む日本人にとってはなじみが薄いかぼちゃです。
セイヨウかぼちゃと比べると甘みは少なめ。
あっさりした味わいが特徴です。
また、熱を通すとねっとりした食感になるので、オーブンなどで焼き上げるのが一般的とのこと。
おかずにも甘いおやつにも使えて、スープにもなる結構万能なかぼちゃです。
プッチィーニ
プッチィーニは、手のひらサイズの小さなかぼちゃです。

前述した「おもちゃかぼちゃ」と似ていますが、このプッチィーニは食用。
まるごと料理でき、美味しく食べられるのが特徴です。
小さいので皮も薄め。
そのため、セイヨウかぼちゃよりも火の通りが早いというメリットも!
食べられる器としても使われ、見た目にも愛らしいかぼちゃです。
ズッキーニ
そうめんかぼちゃ・どんぐりかぼちゃ・プッチィーニはいずれもかぼちゃらしいかぼちゃでした。
しかし、ズッキーニにかぼちゃのイメージはほぼありませんよね?

ほぼきゅうり・・・、といった印象ですがズッキーニはきゅうりの仲間ではありません。
ズッキーニはウリ科ウリ目ペポかぼちゃ種、つまりペポかぼちゃの一種です。
加熱するとねっとりした食感になるのが特徴で、フランス料理・ラタトゥイユなどに使われる人気野菜です。
かつて日本で食べられていたかぼちゃ
現在、日本で主流のかぼちゃはセイヨウかぼちゃ。
しかしこのセイヨウかぼちゃが主流となる前には、日本かぼちゃという種類が最もポピュラーでした。
現在では、スーパーなどで見かけることもレアになった日本かぼちゃ。
その露出減少の理由は、セイヨウかぼちゃの台頭でした。
日本かぼちゃは和風料理との相性が良く、淡泊でねっとりした味わいが特徴でした。
そこに甘くてホクホクした味わいから和風にも洋風にも相性抜群なセイヨウかぼちゃが登場。
その美味しさや使い勝手の良さから、じょじょにかぼちゃと言えば「セイヨウかぼちゃ」になっていったのです。
たしかに、セイヨウかぼちゃはどんな料理にも合う万能種かもしれませんね・・・。
その日本かぼちゃの特徴は、セイヨウかぼちゃと比べゴツゴツした見た目。
ペポかぼちゃのように皮に深い溝が刻まれているのもポイントです。
主な種類としては
- 菊かぼちゃ(小菊)
- 坊ちゃんかぼちゃ
- 鹿ヶ谷かぼちゃ
があります。
かぼちゃの種類ごとの英語名
かぼちゃの英語名といえば「pumpkin(パンプキン)」と思いつく方が大半でしょう。
しかし、実はこの「pumpkin」はオレンジ色の皮のかぼちゃのみを指す英語名です!
わたしたちに身近なセイヨウかぼちゃには当てはまらないのです。
皮がオレンジ色以外のかぼちゃの英語名は「squash(スクウォッシュ)」。
全然なじみがありませんね・・・。
(ちなみに、この記事のURL末尾は「squash-kind」になっています)
先ほどペポかぼちゃ種とご紹介したズッキーニは「zucchini」という英語名の他に「summer squash」とも呼ばれます。
また、漢字表記でもいろいろあり、
- 南瓜
- 唐茄子
- 南京(なんきん)
などさまざま。
ややこしいですが、すべてかぼちゃを指す言葉なんて面白いですね。
まとめ
わたしたちが普段食べているかぼちゃは「セイヨウかぼちゃ」という種類でした。
かつては「日本かぼちゃ」というかぼちゃが主流でしたが、セイヨウかぼちゃの使い勝手の良さ&美味しさから徐々に表舞台から消えていきました。
また、ハロウィンで使われるかぼちゃは「ペポかぼちゃ」という種類。
この種類には、他にもそうめんかぼちゃやズッキーニなどさまざまなかぼちゃが含まれています。
「かぼちゃ」と一口に言ってもいろいろなんだな~、という感じですね。
これからかぼちゃを食べるときは、種類も意識して味わってみてはいかがでしょうか?