和食の味付けに使われる調味料「白だし」。
この白だし、そもそもどんな調味料なのでしょう?
ネット検索すると『めんつゆと同じ』という情報が!
めんつゆとの違いを含め、白だしの基本について調べてみました。
「白だし」とは
白だし(白出汁)とは、出汁と調味料を合わせた合わせ調味料の一種です。
透き通った薄い色が特徴で、大抵が液体タイプで販売されています。
白だしの使い方は、
- 希釈(水で薄める)して麺のつけ汁にする
- そのまま煮物に使う
などが一般的。主に和食の味付けに使用されますね。
白だしの発祥について
白だしが市販製品として販売を開始したのは1971年。
販売したのは白しょうゆの有名メーカーであるヤマシン醸造で、製品名は「しらつゆ」でした。
「しらつゆ」は、ヤマシン醸造の主力商品である白しょうゆに煮干し・さば・鰹などの出汁を加えた白だしです。
また、白だしが「白だし」という名前で初めて販売されたのはその7年後の1978年でした。
一般家庭向けに販売されてから、まだ50年ほどしか経っていないのですね。
白だしの原材料
白だしに使われる出汁は『昆布出汁』や『鰹出汁』、調味料は『薄口醤油』や『みりん』、『砂糖』、『食塩』などとなります。
ちなみに、市販の白だしカテゴリーの中で売り上げ第1位を誇るヤマキ「割烹白だし」の原材料は↓のようになります。
食塩(国内製造)、たん白加水分解物(大豆を含む)、ふし(かつお、そうだかつお)、米発酵調味料、砂糖、しょうゆ(小麦を含む)、還元水飴、かつおぶしエキス、魚介エキス、醸造酢、酵母エキス / 調味料(アミノ酸等)、アルコール
ヤマキ 割烹白だし 300ml 商品情報
ヤマキ「割烹白だし」は、鰹出汁ベースの白だしということが分かります。
また、味のベースは食塩ですね。
2番目に多く含まれている『たん白加水分解物』とは、肉・魚などたんぱく質が多く含まれた食品や大豆・小麦たんぱくを分解し、様々なアミノ酸を取り出したもの。
グルタミン酸やイノシン酸など旨み成分はアミノ酸の一部です。
つまりたん白加水分解物(アミノ酸)は旨みを調製するために加えられています。
参考にしたヤマキ「割烹白だし」はこちら
白だしと「めんつゆ」の違い
白だしとめんつゆは、実はほぼ同じです。
先ほど、白だし製品の例としてご紹介したヤマキの製品「めんつゆ」の原材料をチェックしてみます↓。
しょうゆ(小麦・大豆を含む、国内製造)、ぶどう糖果糖液糖、食塩、砂糖、かつおぶしエキス、ふし(かつお、そうだかつお)、たん白加水分解物、醸造酢、魚介エキス、酵母エキス、デキストリン / 調味料(アミノ酸等)、アルコール
ヤマキ めんつゆ500ml 商品情報
原材料の順番が違います。
調味料や出汁の分量・割合が異なるだけで、入っているものはほぼ同じということですね。
一番の違いは、一番多く含まれているのが白だしの場合は『食塩』で、めんつゆの場合は『しょうゆ』であること。
塩味に使われるのが、透き通った薄い色が特徴的な白だしは無色の食塩ですが、濃い茶色が特徴のめんつゆはしょうゆである、という違いですね。
たしかに「白だし」と「めんつゆ」は原材料の構成が違うだけで、使われるものはほぼ同じでした。
参考にしたヤマキ「めんつゆ」はこちら
白だしとめんつゆの『使い方』の違い
白だしは素材の色を生かしたいときに、めんつゆは素材の色をそこまで気にしないときでも使える、という違いがあります。
作る煮物が何でもかんでも茶色くなってしまう・・・。
という場合に、白だしベースで煮物を作るとキレイに仕上がります。
大根やレンコンなどの根菜類、白菜やキャベツなど淡色の葉物野菜などの煮物・煮浸しにオススメ。
また、鮮やかな黄色を保ちたいだし巻き卵や、関西風のうどんつゆなどにも向いています。
もちろん、青物野菜の味付けにも。
どんな食材の味付けにも使え、1本で味が決まるので万能調味料とも言われています。
白だしとめんつゆの『塩分量』の違い
色的にめんつゆの方がしょっぱそうですが、舐めてみると案外白だしも味が濃いですよね?
そんな白だしとめんつゆの塩分量を比較してみます。
※塩分量の数値はヤマキ「割烹白だし」と同「めんつゆ」を参考にしました。
種類 | 100gあたりの塩分相当量 |
---|---|
割烹白だし | 10.2g |
めんつゆ | 7.2g |
白だしが10.2g、めんつゆが7.2gと、100gあたりでは白だしの方が3gも塩分量が多いことが判明しました。
まさかの白だしの方が塩分量が多いという結果に。
製品によりますが、めんつゆの代わりに白だしを使う場合は量を少し減らした方が良いでしょう。また、白だしの代わりにめんつゆを使う場合はちょっと塩or醤油を足すと良いかもしれません。
ヤマキ「割烹白だし」と同「めんつゆ」にはいずれも塩分ひかえめタイプがあります。
白だし・めんつゆいずれも塩分が30%カットされているので、塩分が気になる方にオススメです。
Amazon.co.jpで「ヤマキ」の減塩調味料をCheckする ≫白だしとめんつゆの「栄養成分」の違い
白だしとめんつゆの栄養成分の違いも確認します。
※栄養成分の数値はヤマキ「割烹白だし」と同「めんつゆ」を参考にしました。
栄養素 | 割烹白だし | めんつゆ |
---|---|---|
エネルギー | 42kcal | 71kcal |
たんぱく質 | 3.1g | 2.4g |
脂質 | 0g | 0g |
炭水化物 | 7.5g | 15.4g |
食塩相当量 | 10.2g | 7.2g |
白だしとめんつゆの栄養成分の比較では、エネルギーと炭水化物に大きな差がありました
エネルギーは白だしが42kcalに対し、めんつゆは71kcal。
めんつゆの方が約1.7倍もカロリーが高いという結果になりました。
また、炭水化物は白だしが7.5g、めんつゆが15.4g。めんつゆの炭水化物が2倍以上も多い結果に。
このめんつゆのエネルギー・炭水化物量が白だしと比べて2倍前後も多く含まれるのは、めんつゆに砂糖や甘味料などが多く使用されているからです。
そのため、一般的にめんつゆの方が白だしよりも甘味が強い傾向にあるのですね。
【まとめ】白だしの基本&めんつゆとの違い
- 白だしは昆布・鰹などの出汁に、醤油・砂糖・食塩などの調味料を合わせた合わせ調味料
- 原材料はめんつゆとほぼ同じ
- 塩分量は白だしの方が多く、エネルギー・炭水化物量はめんつゆの方が多い
白だしとめんつゆの大きな違いは色が薄いかor濃いか。
原材料はほとんど変わらず、しかし含まれる割合が異なるため栄養成分には一部大きな差が出ました。
と思っていましたが、めんつゆと同じように使えると知り、これからは余らせることなく使え切れそうです!
※参考 ヤマキ株式会社
特選料亭白だし「四季の彩」お試しセット
何となく、白だしって使いづらいな・・・。