ソースとは、料理に風味や水分、装飾を加える液状・ペースト状の調味料です。
日本でソースといえばウスターソースや中濃ソース、とんかつソースなどの「ソース」が一般的。
そんなウスターソース・中濃ソース・とんかつソースの違いとは何なのでしょう?
日本におけるソースの規格や原材料、栄養成分から違いを深掘りしていきます。
ソースの種類『ウスター・中濃・とんかつ』の違い

いわゆる「ソース」にはウスターソースや中濃ソース、とんかつソースという種類があります。
このウスターソースと中濃ソース、とんかつソースの違いは粘度。
そんな日本農林規格によるソースの分類を表にしてみました。
種類 | 粘度(Pa・s) |
---|---|
ウスターソース | 0.2Pa・s未満 |
中濃ソース | 0.2Pa・s以上 2.0Pa・s未満 |
とんかつソース (濃厚ソース) | 2.0Pa・s以上 |
※粘度の単位である「Pa・s」は『パスカル秒』と読みます。
粘度は「Pa・s」の値が小さいほど粘り気が少なく、大きいほど粘り気が多いことになります。
つまり、ウスターソースはあっさりしていてサラサラ、とんかつソース(濃厚ソース)はドロッとしていて濃いめ、中濃ソースはその中間の濃さということ。

なんとなく使い分けていたけど、ソースの種類は明確に違いがあるんだね。
また、これらソースのうち基本となるのは「ウスターソース」。
中濃ソースはウスターソースよりもとろみが強いもの。
とんかつソースは、ウスターソースよりもとろみが強い中濃ソースよりもさらにとろみが強いソースとなります。
ウスター・中濃・とんかつソースの「原材料」の違い
ウスター・中濃・とんかつソースの3種類は粘度が違うことが分かりました。
ここからは、そんなウスターソース・中濃ソース・とんかつソースの原材料の違いについてまとめます。

これより紹介するのは、(株)ブルドッグソースの商品の原材料です。
まずは『ウスターソース』から。
野菜・果実(りんご、トマト、たまねぎ、プルーン、レモン、にんじん)、醸造酢、砂糖、食塩、酵母エキス(大豆を含む)、香辛料、煮干エキス
ウスターソース
野菜や果実がもっとも多く、次に酢が含まれるという結果に。
このウスターソースが基準となります。

ちなみに、日本のウスターソースは本場・イギリスのウスターソースと比べると甘みが強く、辛味・酸味が控え目とのことです。
つづいて『中濃ソース』です。
野菜・果実(トマト、プルーン、りんご、レモン、にんじん、たまねぎ)、醸造酢、砂糖類(ぶどう糖果糖液糖、砂糖)、食塩、澱粉、酵母エキス(大豆を含む)、香辛料
中濃ソース
野菜や果実が一番多く含まれるのは変わりません。
しかし、野菜・果実の中でもっとも多く含まれるものが『りんご』から『トマト』に変更されています。
3番目に多く含まれていた『玉ねぎ』が、野菜・果実の中では一番少ない量になっていました。
甘味料として、砂糖の他に『ぶどう糖果糖液糖』が追加。
さらに、ウスターソースには含まれていなかった『澱粉(でんぷん)』も追加されています。
ウスターソースにはないとろみをつけるために使用されているのでしょう。
また、ウスターソースには入っていた『煮干エキス』が中濃ソースには含まれていませんでした。

ウスターソース・中濃ソースは原材料にけっこう違いがあったね。
最後は『とんかつソース』となります。
野菜・果実(トマト、りんご、プルーン、レモン、にんじん、たまねぎ)、醸造酢、砂糖類(ぶどう糖果糖液糖、砂糖)、食塩、澱粉、酵母エキス(大豆を含む)、香辛料
とんかつソース
とんかつソースの原材料は、中濃ソースの原材料とほとんど同じ。
しかし、野菜・果実の順序が一部異なっています。
とんかつソースでは2番目に『りんご』、3番目に『プルーン』が多く含まれ、中濃ソースの配置とは逆に。
それ以外では違いがありませんでした。
さらに、ブルドックソース(株)のソースはウスター・中濃・とんかついずれも無添加!
着色料・増粘剤・甘味料は不使用で、開封後は1~2カ月を目安に使い切ることが求められます。
開封済みソースを早く使い切りたい!そんなときにはこちらの記事がオススメ≫
ウスター・中濃・とんかつソースの「栄養価」の違い
ウスターソース・中濃ソース・とんかつソースの栄養価を表で比べます。
栄養成分の数値はまたまたブルドックソース(株)の商品を参考にしました。
また、以下の成分は1杯・約18gの数値となります。
栄養成分 | ウスター | 中濃 | とんかつ |
---|---|---|---|
エネルギー(kcal) | 20 | 24 | 23 |
たんぱく質(g) | 0.2 | 0.1 | 0.1 |
脂質(g) | 0 | 0 | 0 |
飽和脂肪酸(g) | 0 | 0 | 0 |
炭水化物(g) | 4.8 | 5.7 | 5.6 |
糖質(g) | 4.7 | 5.6 | 5.5 |
食物繊維(g) | 0.1 | 0.1 | 0.1 |
食塩相当量(g) | 1.4 | 1.0 | 0.9 |
3種類のソースを比べてみると、
- ウスターソースがもっとも低カロリー・低糖質
- 中濃・とんかつソースはほぼ同じものの、わずかにとんかつソースの方がカロリー・糖質が少ない
という結果になりました。
ただし、もっとも食塩相当量が多いのはウスターソース。
スパイシーで味がしっかりしているのはウスターソース、甘みが強くマイルドなのがとんかつソース、その中間でありスパイシーさも甘みもどちらも味わえるのが中濃ソースと言えますね。
【まとめ】ウスターソース・中濃ソース・とんかつソースの違い
- ウスターソース:粘度は0.2Pa・s未満、サラッとした液状でスパイシーさが強い
- 中濃ソース:粘度は0.2Pa・s以上2.0Pa・s未満、ウスターソースととんかつソースの中間
- とんかつソース:粘度は2.0Pa・s以上、ドロッとした液状で甘みとコクが強い
ここまで、ソースの種類ごとの違いについてまとめました。
これまで何となく選び買っていたソースですが、種類によって全然違いがあることに驚きました(当たり前ですが・・・)。
これからは、料理や用途によって使うソースをしっかり選んでいきたいと思います。