発酵食品である「味噌」は正しく保存をしないと発酵が進み、品質が変化してしまいます!
味噌の品質を保ったまま保存するにはどうすれば良いのか?
そんな味噌の保存について、場所や期間、変色した味噌が食べられるのか否かなどからまとめました。
味噌の保存場所
味噌は買ってきたらすぐに「冷凍庫」へ入れることをオススメします。

『開封前は常温保存、開封後は冷蔵庫へ』と書かれた味噌が多いものの、我が家では未開封から問答無用で冷凍庫へ!
開封後の味噌は必ず冷蔵庫もしくは冷凍庫へ入れましょう。
特に、夏場は未開封でも常温保存は避けた方が良いでしょう。
味噌の冷凍保存がオススメの理由とは?
味噌の冷凍保存は発酵を止められるのでオススメです。
善玉菌が増えるとともに、素材のうま味を引き出してくれる発酵。
良いことが多い発酵ですが、発酵が進みすぎると味や香りが悪くなります。
さらに、発酵が進むと味噌は色がどんどん濃くなり、黒ずんでいきます
この味噌の色が濃く変わることを『褐変(かっぺん)』と言います。
褐変した味噌は、カビが生えるなど明らかに腐っていなければ、健康を害する心配はありません。
ただ味や香りが劣化するため味噌の良さは減っています。
そのため、まとめ買いなどで大量に買った味噌、しばらく使わない味噌を保存するときは、スペースに余裕があれば全て冷凍庫へいれてしまうのが一番です。
冷凍しても味噌は凍らない?
味噌は冷凍しても凍りません。
冷蔵保存と比べるとやや硬くはなりますが、力を入れなくてもスプーンが挿せるほどの柔らかさは保たれます。
冷凍しても味噌が凍らないのは塩分濃度が高いため。
味噌の塩分濃度は一般的に10~12%ほど。
この10~12%の塩分濃度の味噌を凍らせるためには-30℃ほどの環境が必要です。
家庭にある普通の冷蔵庫の冷凍室の温度は-18℃前後なので、味噌を固めるほど寒くはありません。
ただし、塩分濃度が低い『減塩タイプ』の味噌は少し凍ることもあります。
それでも完全に固まることはないので、使う分だけ取り分け、室温に戻しておくことですぐに柔らかくなります。
味噌の保存期間

味噌の保存期間を『未開封』と『開封後』からまとめていきます。
未開封の味噌
発酵食品である味噌は冷凍庫で保存すれば1年ほど保存ができます。
賞味期限を1カ月ほど過ぎても発酵が進むだけで、健康に問題なく食べられることが多いです。
さすがに2カ月以上経っている場合は注意すべきでしょう。
冷蔵保存でも同様です。
また常温保存でも、涼しく温度変化が少ない冷暗所であれば賞味期限内なら安全に食べられます。
ただ未開封でも褐変が進むため、やはり冷凍で保存することをオススメします。
味噌の賞味期限は、味噌の種類にもよりますが最長で1年以内です。
開封後の味噌
冷蔵保存の場合、開封後の味噌は2カ月以内に使いきりましょう。
冷凍保存の場合は2カ月以上保存OKですが、品質が劣化するためなるべき早めに使い切ることがオススメ。
開封した味噌は空気に触れるため品質が急激に劣化していきます。
つまり、味噌の劣化を防ぐにはできるだけ空気に触れないようにするのが一番!
劣化を防ぐ味噌の保存方法は味噌の表面にぴったりとラップをすること。
ラップがピタッと付けられるように、味噌を掬うときはできるだけ平らになるように気を付けましょう。
買ったときに付いている白い紙を使うのは?
味噌には買った時点で表面に白い紙が付いていることがありますよね。
この紙は開封してすぐに捨ててOK!
白い紙が入っている理由は脱酸素剤が味噌の中に沈み込まないようにするため。
空気に触れないため・表面が乾燥しないために付けられているわけではありません。
空気に触れさせないためには、ラップをして密閉するのが最善でしょう。
袋入り味噌の保存方法について
ここまでまとめてきたのは『プラスティック』の容器に入った味噌の保存方法です。
ここからは『袋入り味噌』の保存についてまとめます。
袋入り味噌の保存場所・期間はプラスティック容器の味噌と変わりません。
開封前は常温OKですが冷蔵庫・冷凍庫へ入れ、開封後は2カ月以内に使いきるのが基本です。
使用後はすぐに空気を抜いてから袋の口を閉じ、冷蔵庫・冷凍庫へ。
輪ゴムが手っ取り早いですが、冷凍庫では劣化するので冷凍OKのクリップがオススメです。
袋入り味噌を詰め替えるなら?
袋入り味噌は使いづらいのでタッパーなど別の容器へ移し替えるのも1つの手。
移し替える容器は匂いが残らない
- ホーロー
- ガラス
- 陶器
の容器がオススメです。
使い終わった他の味噌のプラスティック容器を再利用するのもあり。
移し替えた後は表面をラップで覆い、冷蔵庫か冷凍庫へ入れ、2カ月以内に使いきりましょう。
色が変わった味噌は食べられる?

色が濃くなった味噌(褐変)は風味が劣るものの普通に食べられます。
ただし、酸っぱい匂いがしたり、食べたときに苦味や酸味を感じたりした場合はすぐに処分しましょう。腐っています。
味噌に浮かんだ白いツブツブの正体は?
時たま、味噌の表面に白いツブツブが浮かんでいることがあります。
このツブツブは食べても問題ありません。
白いツブツブの正体は『チロシン』と呼ばれるアミノ酸が結晶化したもの。
うま味成分でもあるので、むしろ取り除かずそのまま使うべきでしょう。
味噌の表面に浮かぶ白い膜は?
味噌の表面にうっすらと白い膜が浮かぶこともあります。
この白い膜は『産膜酵母』と呼ばれる酵母菌の一種で、食べても問題はありません。
ただ、産膜酵母は独特の匂いがあり、食べると味噌本来の風味を損なう可能性が。
健康上の問題はありませんが、産膜酵母は取り除いてから使った方が良いでしょう。
また、味噌の表面にフワフワとした白い物体があれば、それは『白カビ』なので味噌ごと捨てることをオススメします。
【まとめ】味噌の保存について
- 未開封の味噌は常温OK
- しかし冷蔵庫・冷凍庫へ入れた方が発酵が進まずオススメ
- 開封後の味噌は必ず冷蔵庫or冷凍庫へ
- 開封後の味噌は2カ月以内に使いきる
- 表面にラップを密着させるなど空気に触れないことがオススメ
- 色が濃くなった味噌・表面に白いツブツブがある味噌は食べてもOK
- 表面に白い膜がある味噌は膜を取り除いてから食べる
- 白いフワフワが生えた味噌は捨てる
ここまで、味噌の保存についてまとめました。
発酵食品である味噌は、パック詰めされてからもどんどん発酵が進んでしまいます。
発酵のしすぎは風味劣化のもと!
おいしく、安全に長持ちさせるためにも、味噌は買ったらすぐに冷蔵庫か冷凍庫へ入れるのがベストですね。

