かぼちゃ(南瓜)のうち「西洋かぼちゃ」と「日本かぼちゃ」の違いをまとめました。
西洋かぼちゃ・日本かぼちゃの違いとは?
西洋かぼちゃと日本かぼちゃの栄養価を比べるとどのくらい差があるのか?など調べました。
西洋かぼちゃ・日本かぼちゃの違いとは
西洋かぼちゃ・日本かぼちゃはともにウリ科カボチャ属の一年生植物です。
同じかぼちゃで、品種が違います。
そんな西洋かぼちゃと日本かぼちゃの違いをまとめます。
西洋かぼちゃとは?

つるんとした皮と鮮やかな果肉が特徴の西洋かぼちゃ。
西洋かぼちゃは一般的に日本で食べられているかぼちゃです。
栗のような甘くてホクホクした食感から『栗かぼちゃ』とも呼ばれ、煮物やソテーなどどんな料理にも使える万能型のかぼちゃと言えます。
日本へ西洋かぼちゃが伝来したのは1863年のこと。
江戸から明治に時代が変わる直前ですね。
明治時代にまずは北海道を中心に広がり、その後本州でも栽培が盛んになりました。
そして現在では、日本で流通しているかぼちゃの大部分をこの西洋かぼちゃが占めています。
かぼちゃの種類・西洋かぼちゃについてより詳しく掘り下げた記事はこちら≫
日本かぼちゃとは?

彫りが深く、ゴツゴツした見た目が特徴の日本かぼちゃ。
日本かぼちゃは『鶴かぼちゃ』や『菊かぼちゃ』といった品種があるかぼちゃです。
日本かぼちゃは16世紀ごろ、戦国時代に日本へ伝来したとされています。
今でも各地の伝統野菜として栽培は行われていますが、西洋かぼちゃにかぼちゃの主流は奪われてしまっています。

ここからは、そんな西洋かぼちゃ・日本かぼちゃの栄養価の違いをまとめます。
西洋かぼちゃ・日本かぼちゃの栄養価を比較
西洋かぼちゃ・日本かぼちゃの栄養価を比較します。
- 西洋かぼちゃ:野菜類/(かぼちゃ類)/西洋かぼちゃ/果実/生
- 日本かぼちゃ: 野菜類/(かぼちゃ類)/日本かぼちゃ/果実/生
かぼちゃはいずれも『生』の状態の数値です。
<基本>の栄養価を比較
西洋かぼちゃと日本かぼちゃの基本の栄養価です。
栄養素 | 西洋かぼちゃ | 日本かぼちゃ |
---|---|---|
エネルギー | 78kcal | 41kcal |
水分 | 76.2g | 86.7g |
たんぱく質 | 1.9g | 1.6g |
脂質 | 0.3g | 0.1g |
炭水化物 | 20.6g | 10.9g |
食物繊維 | 3.5g | 2.8g |
同じかぼちゃですが、けっこう違いが大きいですね。
そんな違いが大きい栄養素のうち『エネルギー』と『炭水化物』について取り上げていきます。
西洋かぼちゃ・日本かぼちゃのエネルギー
まず、注目すべきはエネルギー(カロリー)の差。
西洋かぼちゃの100gあたり78kcalに対し、日本かぼちゃは41kcal。
西洋かぼちゃは日本かぼちゃに比べてカロリーがほぼ2倍という結果になりました。
なぜ、こんなにも差が開いたのか?と表を確認すると、水分が西洋かぼちゃは76.2gに対し、日本かぼちゃは86.7gと10g以上も差が開いているが分かりました。

日本かぼちゃは水分が多い分、カロリーが低くなったと考えられますね。
水分が多い日本かぼちゃは、西洋かぼちゃに比べねっとりした食感なのが特徴。
一方で、水分が少ない西洋かぼちゃはホクホクした食感が特徴となります。
西洋かぼちゃ・日本かぼちゃの炭水化物
100gあたりに含まれる炭水化物の量を比較すると、西洋かぼちゃは20.6g、日本かぼちゃは10.9gとなりました。
西洋かぼちゃ炭水化物量は日本かぼちゃのほぼ2倍です。
炭水化物が多い=甘い、とは言い切れません。
しかし、炭水化物が多い西洋かぼちゃの方が日本かぼちゃよりも甘みが強いと言われるのは確かです。
また、西洋かぼちゃ・日本かぼちゃの食物繊維量は西洋が3.5g、東洋が2.8gとそこまで差がないという結果に。
これにより糖質(炭水化物ー食物繊維)は西洋かぼちゃが17.1g、東洋かぼちゃが8.1gとなります。
100gあたり17.1gもの糖質量は野菜の中ではトップクラス。
糖質制限ダイエットをしている方にはあまりオススメできないほど糖質が多いため、美味しいですが、西洋かぼちゃの食べ過ぎには注しましょう。
<ビタミン>の栄養価を比較
西洋かぼちゃと日本かぼちゃに含まれるビタミンです。
栄養素 | 西洋かぼちゃ | 日本かぼちゃ |
---|---|---|
βカロテン(ビタミンA) | 2500μg | 1400μg |
ビタミンB1 | 0.07mg | 0.08mg |
ビタミンB2 | 0.08mg | 0.05mg |
ビタミンB6 | 0.23mg | 0.15mg |
葉酸 | 42μg | 80μg |
ビタミンC | 43mg | 16mg |
ビタミンD | 0μg | 0μg |
ビタミンE | 5.2mg | 5.2mg |
大きな差が出たのは『βカロテン』の量。
100gあたりに含まれるβカロテンは、西洋かぼちゃは2500μg、東洋かぼちゃは1400μgとなりました。
βカロテンが100gあたりに600μg以上含まれる野菜は『緑黄色野菜』に分類されるため、かぼちゃは西洋・日本いずれも緑黄色野菜に分類されます。
βカロテンには抗酸化作用や目・粘膜の保護といった働きがあります。
また、そもそもβカロテンはオレンジ色の色素成分でもあるため、果肉の色が濃いめの西洋かぼちゃに多く含まれるのもまあ納得できますね。
ただし、かぼちゃでβカロテンが多く含まれるのは『皮』の部分とされているので、果肉の色はそこまで関係ないようです。
さらに、西洋かぼちゃ・日本かぼちゃはいずれもビタミンをバランス良く含むのが特徴です。
そのうち特に多く含まれるのは
- 葉酸:造血作用やDNAの合成に役立つ。妊娠中に積極的に摂るべき栄養素。
- ビタミンC:高い抗酸化作用。美肌・美白効果へ期待もできる。
- ビタミンE:高い抗酸化作用。
となります。

かぼちゃには栄養が豊富なイメージがあったけど、本当だったんだね。
<ミネラル>の栄養価を比較
西洋かぼちゃと日本かぼちゃに含まれるミネラルです。
栄養素 | 西洋かぼちゃ | 日本かぼちゃ |
---|---|---|
ナトリウム | 1mg | 1mg |
カリウム | 430mg | 420mg |
カルシウム | 22mg | 20mg |
マグネシウム | 25mg | 15mg |
リン | 25mg | 55mg |
鉄 | 0.4mg | 0.5mg |
ミネラルのうち、西洋かぼちゃ・日本かぼちゃともに多く含まれるのは『カリウム』でした。
カリウムは夏野菜に多く含まれる栄養素で、
- ナトリウムの排出
- 利尿作用によるむくみ解消
といった働きを持ちます。
他の野菜にも多く含まれる栄養素なので、かぼちゃから頑張って摂る必要はありません。
【まとめ】西洋かぼちゃ・日本かぼちゃの違い
西洋かぼちゃ・日本かぼちゃの違いをまとめます。
- 西洋かぼちゃ
- 日本では現在主流の品種
- 皮の表面はツルツル
- 水分は少なめ、糖質は多め
- 日本かぼちゃ
- 古くから日本にあるが、現在は稀少
- 皮はゴツゴツし彫りが深い
- 水分が多めでねっとりしている
また、西洋かぼちゃ・日本かぼちゃと同じ部分としては『いずれも緑黄色野菜』であることが挙げられます。
同じかぼちゃなので数値が近い、似ているのは当然ですが、それでも水分や炭水化物などで大きな差が出たのは意外でしたね。
今では市場でほぼ西洋かぼちゃしか見かけませんが、機会があったら日本かぼちゃも食べてみたいです。