赤色が特徴的な夏野菜・トマト。
しかし、ミニトマトには赤色以外に黄色・オレンジなどカラーバリエーションが豊富な印象ですよね?
けれども、なぜミニトマトには色違いがあるのでしょう?
また、色違いごとに含まれる栄養は変わるのでしょうか?
今回は、ミニトマトの色違いについて調査していくとともに、色違いごとのトマトの栄養についてもご紹介していきます!
色違いのミニトマトはサラダの彩りにうってつけ!
けど、どうしてあんなにカラフルになったんだろう?
ミニトマトに色違いがある理由
ミニトマトに色違いがあるのは、含まれる色素の量や構成が違うからです。
ちなみに、ミニトマトとトマトはサイズが違うだけで同じ野菜です。よってここからは、表記を「トマト」に統一します。
そもそもトマトの赤色は色素・リコピンによるもの。
しかし、リコピンは最初からトマトに多く含まれているわけではありません。
実際、実ができたばかりのトマトはまだ緑色ですよね。
この緑色はクロロフィル、つまり葉緑素です。
光合成することで知られるクロロフィルは、トマトの実が育っていくとともに減少していきます。
反対に成長とともにリコピンは増加!
そのため、トマトは緑から赤に色が変化していくのです。
また、トマトには黄色やオレンジ色のものもあります。
これは、黄色・オレンジ色のトマトにはリコピンの代わりにオレンジ色の色素・βカロテンが多く含まれているからです。
黄色~オレンジ色に決まるのは、βカロテンが含まれる割合によって変わります。
だからミニトマトにはいろんな色があるんだね。
色違いごとのトマトの栄養
トマトの色違いは、含まれる色素の量や構成が違うことが理由でした。
しかしここで疑問が1つ。
色素の違いによってトマトに含まれる栄養も変わるのでしょうか?
よってここからは、色違いごとのトマトの栄養についてご紹介します。
赤色トマト
赤色トマトの赤色はリコピンによるものです。
リコピンはカロテンの一種。
鮮やかな赤色が特徴の色素であり、強い抗酸化作用があります。
リコピンについてはこちらの記事で詳しく説明しています。
黄色トマト
黄色トマトの黄色はルテインによるものです。
ルテインとはカルテロイドの一種で、黄色・赤色・オレンジ色の色素成分。
ほうれん草やケールなど緑黄色野菜や卵黄に多く含まれる成分です。
このルテインのはたらきは目を守ること!
ルテインは眼球の網膜の中心にあり、視覚に関わる黄斑部に多く存在しています。
そのルテインのうち黄色色素には、目に入るブルーライト・紫外線を吸収する効果があると言われています。
パソコン・スマートフォン画面が発するブルーライトは目にとって有害。
長時間目に浴び続けると網膜へのダメージとなり、目の疲れや痛み、睡眠障害を引き起こす可能性も!
抗酸化作用の強いルテインはそんなブルーライトから目を守ります。
その効果は「天然のサングラス」と呼ばれるほど!
目を酷使する人には黄色トマトがおすすめだね!
さらに、コントラスト感度を上げるはたらきもあり、暗いところのものでも判別しやすくします。
抗酸化作用も強いルテインには、病気から目を守る効果も!
白内障など目の病気への予防・改善効果が期待されています。
また、このルテインは体内で生成することができません。
なので、身近な食品から摂取することが必要となります。
トマトだったら食べやすくて便利だね。
オレンジ色トマト
オレンジ色トマトのオレンジ色はβカロテンによるものです。
βカロテンはオレンジ色の色素。
にんじんやピーマンなどの緑黄色野菜やバターのような乳製品などに多く含まれます。
また、水には溶けないものの油に溶けやすいという特徴を持つので、緑黄色野菜をバター炒めにすると効率的に摂取できます。
そんなβカロテンは人間の身体の中に入るとビタミンAに変化!
そのためビタミンAの前駆体(不活性型)とも呼ばれます。
ビタミンAには、皮膚や粘膜を健康に保つはたらきがあります。
目の健康維持にも効果的とされ、足りないと夜目が利かなくなるなどの症状が出ると言われます。
身体の発育を促すはたらきもあるので、成長期のこどもにとっても必要不可欠な栄養成分です。
ビタミンAは摂り過ぎると身体に悪いから注意が必要!
しかし、βカロテンはビタミンAが体内で不足していなければ変化しないという特徴も!
よって、取り過ぎの心配はいりません。
じゃあ安心だね。
緑色トマト
緑色トマトの緑色はクロロフィル(葉緑素)によるものです。
クロロフィルは、植物の細胞内にある葉緑体に含まれる成分です。
葉緑体の緑色の元になる成分でもあります。
健康食品として人気のユーグレナにも多く含まれる成分です。
そんなクロロフィルのはたらきは、身体にたまった不要物を排出するデトックス効果!
また、不要物とともに匂いも排出するので体臭が気になる方にもおすすめです。
黒色トマト
黒色トマトの黒色はアントシアニンによるものです。
アントシアニンは天然色素で、ポリフェノールの一種でもあります。
紫色が特に有名で、ブルーベリーやアサイー、なす、ぶどうなどに含まれる成分です。
「黒色トマト」って言うけど、本当は紫色だね。
そんなアントシアニンのはたらきで有名なのが、目の健康維持!
サプリメントのテレビCMの影響で、アントシアニン=視力回復というイメージが強いのではないでしょうか?
アントシアニンには紫外線のダメージから身体を守るというはたらきがあります。
そのはたらきが紫外線から目を守り、さらに目の中の傷ついた細胞を再合成。
これにより、目の健康を維持する効果が期待できるのです。
さらに、抗酸化作用が強いことから動脈硬化・老化に効果的とも言われています。
生活習慣病の予防にも効果的だって!
また、体内のヒスタミンを減少させるというはたらきから、花粉症を予防する効果もあると言われています。
まとめ
トマト・ミニトマトに色違いがある理由は、色素の構成や量の違いでした。
また、トマトは色違いによって含まれる栄養もさまざま。
色素の栄養成分によって得られる栄養成分が変わる面白い野菜でした!
赤・黄・オレンジ・緑・黒、他にもカラーバリエーションがあるトマト。
食卓を彩るのにうってつけで栄養も豊富なので、ぜひ、活用していきましょう!