前回の記事で、スポーツドリンクの種類「アイソトニック飲料」と「ハイポトニック飲料」についてまとめました。
今回は、そんなアイソトニック飲料・ハイポトニック飲料よりも糖分が多い「ハイパートニック飲料」についてまとめます。
「ハイパートニック飲料」はどんな飲料なのでしょうか?
また、脱水症状が出ているときに危険?というのはなぜなのか?詳しくまとめています。
「ハイパートニック飲料」とは?
「ハイパートニック飲料(Hypertonic)」は糖分が非常に多く含まれた飲料のこと。

『ポカリスエット』や『アクエリアス』などのスポーツ飲料・アイソトニック飲料よりも糖分が多く含まれています。
英語の「Hyper(ハイパー、過度の、~を超えた)」という言葉の通り、アイソトニック飲料・ハイポトニック飲料と比べても最も濃度が高い飲料となります。
主な「ハイパートニック飲料」について
スポーツドリンクに限らず、世の中の『甘くて濃い飲みもの』の多くはハイパートニック飲料となります。
- 果汁100%ジュース
- エナジードリンク・栄養ドリンク
- 飲むタイプの高カロリーエネルギーゼリー
- プロテイン入りのリカバリードリンク
「ハイパートニック飲料」の糖分濃度について
「ハイパートニック飲料」の糖分濃度は8%以上です。
つまり100mlあたり8g以上の糖分が含まれています。
8%の場合、ペットボトル1本あたり500mlと換算すると40g!
ペットボトル1本で砂糖大さじ4杯ほど、というクラクラするほどの量が入っているのですね・・・。
アイソトニック飲料・ハイポトニック飲料の糖分濃度は?
アイソトニック飲料の糖分濃度は4~8%以下、ハイポトニック飲料の糖分濃度は2%以下です。
- ハイポトニック飲料:糖分濃度~2%
- アイソトニック飲料:糖分濃度4~6%
- ハイパートニック飲料:糖分濃度8%~
飲料の糖分濃度が違う理由とは?
ハイパートニック飲料やアイソトニック飲料、ハイポトニック飲料の糖分濃度が異なるのは飲むべき場面が異なるため。
そもそも、糖分濃度が違うと、水分に含まれる成分が薄い方から濃い方へ移動しようとする力・浸透圧が変わります。
飲んだとき、体内の水分(体液)と比べると
- ハイポトニック飲料:体液よりも浸透圧(濃度)が低い
- アイソトニック飲料:体液と浸透圧(濃度)が同じくらい
- ハイパートニック飲料:体液よりも浸透圧(濃度)が高い
ということになります。
この体液よりも浸透圧が低い・同じくらい・高いと違うことで、体への影響がどう変わるのかまとめます。
浸透圧が低い「ハイポトニック飲料」は体内での吸収がスピーディー
人間の体液よりも浸透圧(濃度)が低い「ハイポトニック飲料」。

浸透圧は『濃度が薄い方が濃い方へ引っ張られる』という働きなので、体内で濃度が低いハイポトニック飲料はより濃度が濃い体液へ引っ張られる形に。
ハイポトニック飲料⇒体液(体内)
つまり「ハイポトニック飲料」は体内へ素早く吸収されやすいということとなります。
「ハイポトニック飲料」を飲むタイミング
ハイポトニック飲料は
- 激しい運動でたくさんの汗をかいた後
- 夏場のお風呂上がり
- 熱中症での脱水症状時
- 下痢・嘔吐で大量に水分を失ったとき
といった体から水分が大量に失われているタイミングで飲むのがオススメです。

脱水症状時でも浸透圧の低い「ハイポトニック飲料」であれば水分を体に吸収させることができます。
通常の汗をかいたときはスポーツドリンクを、軽度~中度の脱水症状が出ているときには「経口補水液」を選びましょう。
浸透圧が同じ「アイソトニック飲料」は運動前の水分・エネルギー補給に
人間の体液と浸透圧(濃度)が同じ「アイソトニック飲料」。

濃度が同じなので、飲んだときに体への負担が少なく、効率的に水分・エネルギーを補給することができます。
ただし、体内への吸収スピードはハイポトニック飲料と比べると遅めです。
「アイソトニック飲料」を飲むタイミング
アイソトニック飲料は運動前・運動中の水分・エネルギー補給をするときに飲むのがオススメです。
あらかじめの水分補給はもちろん、体を動かすためのエネルギー(糖分)を補給することで、運動パフォーマンスの向上に効果が期待できます。
ただし、脱水症状が出始めているときに飲むのはオススメできません。
脱水症状が出始めているときは、体内の水分・塩分が汗とともに流れ、失われている状態です。
血液が薄くなることを防ぐため、体液の浸透圧が下がっている状態でもあります。
汗からは水分・塩分が失われますが、水分の方が圧倒的に多く失われます。
そのため、汗を大量にかくと水分が少なく塩分が濃い状態になり、体は喉の渇きを感じさせることで水分を補給させます。
しかし、このときに真水を飲むと、今度は塩分濃度が薄まってしまいます。
この状態では、喉の渇きはなくなり、さらに大量に尿を排せつさせることで水分を体外へ一気に出そうとします。
ちなみにこの『汗をかいて真水を飲むと、体が勝手にこれ以上水分を受け付けなくなり、尿として出してしまって脱水がすすむ現象』は「自発的脱水」と呼ばれる状態です。
そうして、体は浸透圧をあえて下げることで、これ以上体内の塩分濃度が薄まらないようにしているのです。
安静時の体液とは同じ濃度のアイソトニック飲料。
しかし、このような脱水症状時では体液よりも濃度が高くなってしまい、体内への吸収スピードが遅くなってしまいます。
したがって、脱水症状が出始めているときは浸透圧が低い「ハイポトニック飲料」を飲むのが良いのですね。
浸透圧が高い「ハイパートニック飲料」は疲労回復に
人間の体液よりも浸透圧(濃度)が高い「ハイパートニック飲料」。
濃度が高いため、素早い水分補給にはまったく向いていません。

濃度が高いハイパートニック飲料を薄めるため、血管から腸の中へ水分が逆流し、吸収に時間がかかるとされています。
水分が逆流することで胃の中に水分が溜まりタプタプ状態に!
また、水分が多くなることでお腹がゆるくなり、下痢を引き起こす可能性も高まります。
むしろ運動中に飲むと脱水症状を引き起こす可能性もあるので、絶対に避けましょう。
「ハイパートニック飲料」を飲むタイミング
ハイパートニック飲料は
- 運動後の疲労回復(リカバリー)
- 運動前の糖分補給
- マラソン・トライアスロンなど長時間の運動に向けたエネルギー備蓄
というタイミングで飲むのがオススメです。
運動中にはオススメできませんが、運動前・運動後のエネルギー補給にはうってつけです。
【まとめ】糖分濃度が異なる飲料の使い分け
ここまでまとめてきた糖分濃度が異なる飲料の使い分けをおさらいします。

こうしてみると飲料ごとに役割が全然違うことが分かりますね。
ここまで「ハイパートニック飲料」をはじめ、アイソトニック飲料・ハイポトニック飲料も含めた使い分けについてまとめました。
今年の夏はこれら3つの飲料を使い分けて、いっしょに猛暑を乗り越えましょう!



