仕事や家事の合間にコーヒーを飲んでいる方も多いはず。
そんなコーヒーに含まれることで有名なカフェイン、実際のところコーヒーにどのくらいの量が含まれているのでしょう?
そもそも「カフェイン」とはどんな成分なのでしょうか?
今回は、気になるカフェインのメリット・デメリット、1日あたりの摂取上限などカフェインの基本をまとめてみました。
コーヒー1杯に含まれるカフェイン
コーヒー1杯あたりに含まれるカフェインを
- ドリップコーヒー
- インスタントコーヒー
の2つに分けてご紹介します。
コーヒーに含まれるカフェインの数値は「日本食品標準成分表2010」を参考にしています。
ドリップコーヒー1杯あたりのカフェイン
ドリップコーヒー1杯に含まれるカフェインの量は90mgです。
まず『コーヒー1杯あたりの量は150ml』です。
150mlは家庭用ドリップコーヒー1杯あたりの量です。
ドリップコーヒーには100mlあたり60mgのカフェインが含まれるため、150mlでは1.5倍の90mgとなります。
インスタントコーヒー1杯のカフェインは?
お湯を注ぐだけですぐにコーヒーができるお手軽なインスタントコーヒー。
そんなインスタントコーヒー1杯・140mlあたりのカフェイン量は80mgです。
そもそも「カフェイン」とは
カフェインは精神刺激薬として使われる有機化合物(アルカロイド)の一種です。
コーヒーを飲んだときに感じる苦味成分の1つでもあります。
カフェインはコーヒーの原料・コーヒーの木から単離された(取り出された)成分。
英語では「caffeine」と表記されます。
カフェインのメリット
- 中枢神経が刺激される
- 覚醒作用→眠気覚まし
- 興奮作用→疲労感の軽減・抑制
- 血管の収縮作用
- 利尿作用
- 血管の拡張作用
- 血流促進
カフェインの大きな働きの1つは『中枢神経への刺激』です。
この『中枢神経への刺激』による覚醒・興奮作用で眠気や疲労を感じにくくなります。
覚醒・興奮作用は学習・運動のパフォーマンスをアップさせることにつながります。
また、血管の収縮がサポートされ利尿作用を引き起こします。
「トイレが近くなる」のはデメリットでもありますが、その分老廃物が排出されるデトックス効果も期待できますね。
さらに、血管が拡張されることで血流促進にも効果的!
血液の流れを活発にすることで冷え性の改善にも効果が期待できます。
カフェインのデメリット
カフェインにはパフォーマンス向上など素晴らしい効果がありますが、デメリットもあります。
カフェインのデメリット① 不眠
カフェインのデメリットその1は「不眠」です。
眠気覚ましに効果が期待できるカフェインですが、その分、夜の眠りを妨げるというデメリットもあります。
カフェインは体内に摂取してから4時間ほど効果が持続します。
効果が長続きするのは昼間ならありがたいですが、夜に眠れなくなるのはキツいですよね。
カフェインのデメリット② 耐性
カフェインのデメリットその2は「耐性」があることです。
カフェインを含むコーヒーなどを飲み続けると、身体にカフェインへの耐性ができ、カフェインの良い効果が得られにくくなってしまいます。
カフェインのデメリット③ 依存性
カフェインのデメリットその3は「依存性」です。
ずっと飲み続けたコーヒーをある日突然辞めると、頭痛・疲労感・集中力の低下など「離脱症状」と呼ばれる生理現象を引き起こします。
それに伴いカフェインを求め、大量に摂取してしまうことで依存が深まってしまいます。
わたしもコーヒーを日常的に飲んでいるので、調べていたら少し怖くなってしまいました・・・。
カフェインの過剰摂取について
カフェインのデメリットは、おおむねカフェインの過剰摂取により引き起こされます。
コーヒーは、適切に摂取すれば、がんを抑えるなど、死亡リスクが減少する効果があるという科学的データも知られていますが、カフェインを過剰に摂取し、中枢神経系が過剰に刺激されると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が起こります。消化器管の刺激により下痢や吐き気、嘔吐することもあります。
農林水産省 カフェインの過剰摂取について
短期的にでもカフェインを過剰摂取すれば↑のような症状が起こりかねません。
また稀な事例ではありますが、2015年には日本でカフェインが多く含まれたエナジードリンクを多用したためにカフェイン中毒で亡くなってしまった事例もあります。
※参考 カフェイン中毒で国内初の死亡者 エナジードリンクを大量摂取
さらに長い期間、カフェインの過剰摂取を続けると(個人差がありますが)高血圧のリスクが上昇することもあります。
また、妊娠中の女性によるカフェインの過剰摂取は胎児の発育を阻害し、低体重さらには将来の健康リスクを引き起こすおそれも。
子どもへの摂取もリスクが大きいので避けるべきです。
大人に比べて身体が小さくカフェインの影響を受けやすい上に、過剰摂取では脳にダメージを受ける可能性もあります。
大人も過剰摂取は危険なのはもちろん、妊婦さんや子どもは特に量を摂りすぎてはいけないね。
カフェインの過剰摂取を防ぐには、含まれるカフェイン量が少ない「デカフェ・カフェインレス」という選択肢もあります。
1日あたりのカフェイン摂取量
1日あたりのカフェイン摂取量の上限は400mgとされています。
ドリップコーヒーに含まれるカフェインは1杯あたり90mgなので1日4杯までが目安ですね。
この『1日あたりのカフェイン摂取上限量が400mg』はアメリカ・ヨーロッパ・カナダにおける基準です。
日本では明確な基準による注意喚起はされていませんが、この『1日あたり400mgまで』を目安に摂取するようにした方が良いでしょう。
子ども・妊娠中のカフェイン摂取
世界各国では、子どもや妊娠中の女性はカフェイン摂取によって健康被害が起こる可能性があり、健康な成人男女とは異なる摂取基準が設定されています。
ただ、その基準量は国によって異なります。
まずはカナダ保健省の摂取基準を見ていきましょう。
年齢層 | 1日あたりの摂取上限 |
---|---|
4~6才の子ども | 45mg |
7~9才の子ども | 62.5mg |
10~12才の子ども | 85mg |
妊婦・授乳中の女性 | 300mg |
12才以下の子どもに対する基準はなかなかに厳しく、ドリップコーヒーなら1杯未満です。
さらに『12才以下では1日あたり体重1kgにつき2.5g以上を摂取しないように』と勧告もしています。
次にヨーロッパの食品安全機関(EFSA)は『大人の場合はカフェイン摂取量が3mg/kg体重であれば急性毒性の懸念はない』としています。
これは「1日」ではなく「1回」の数値ですね。
さらに、妊娠中・授乳中の女性の場合は1日あたり200mgまでであれば健康リスクは増加しないとしています。
また子どもに関しては『1日あたり3mg/体重』の基準なら健康に悪影響が見られないと推察されるとしています。
妊娠中の女性に関しては、世界保健機関(WHO)も『コーヒーを1日に3~4カップまでにすること』としています。
妊娠中=カフェインはダメ、というイメージがあったので、意外とコーヒーが飲めることに逆にビックリしています。
ここまでコーヒーに含まれるカフェインやカフェインそのものについてまとめてみました。
カフェインは身体に良いはたらきをする一方で、過剰摂取により健康被害を引き起こすことも分かりました。
また、体制や依存症など聞き馴染みはないものの危険な症状についても知ることができました。
どんな食べ物も食べ過ぎないことが大切!
日常にコーヒーが欠かせない、という方も多いはずです。
飲み過ぎに注意しつつ、コーヒーのカフェインと上手く付き合っていきましょう。