人気おかず・きんぴらに欠かせない「ごぼう(牛蒡)」。
これからの時期は筑前煮やけんちん汁など、体が温まる料理にも引っ張りだこな野菜です。
しかしごぼうには「アク抜き」や「皮むき」など下ごしらえが面倒なイメージありませんか?
今回はそんなごぼうの下ごしらえについてまとめてみました!
手軽にできるコツを知って冬の料理に活かしましょう。
ごぼうの「アク抜き」

ごぼうに限りませんが、アク抜きは、
- 味のえぐみを取り除く
- 色味を良くする
ために行います。
ここからは、ごぼうのアク抜き方法やごぼうのアクの正体、アクの意外なはたらきについて説明していきます。
ごぼうのアク抜き方法
ごぼうのアク抜き方法は、
- 水にさらす
- 酢水にさらす
- 熱湯にさらす
の3種類があります。
水にさらす
「水にさらす」は、一番基本と言えるごぼうのアク抜き方法です。
その方法は、切ったごぼうを水の中に入るだけ。

さらす時間の目安は3分ほど。
水の色が結構変わるので「長くやった方が良いのでは・・・」と心配になりますが、アクは短い時間水にさらすだけでも十分に抜けます。
むしろ、水に長い時間さらしすぎると栄養が損なわれ味も落ちるのでおすすめしません。
さらに、水にさらし終わりザルにあげた後にも酸化は進み変色してしまいます。
そのため、水にさらしてもすぐに加熱することがおすすめです。
酢水にさらす
「酢水にさらす」方法は、ごぼうの色味をより良くするために行います。
ごぼうの白さを際立たせたいごぼうサラダなどを作るときにおすすめの方法です。
酢は少量でOK。
酢量の目安は水1リットルあたり小さじ1/3~1くらいです。
さらす時間は「水にさらす」場合と同じ、3分くらいが目安です。
熱湯にさらす
「熱湯にさらす」方法は、アク抜きだけでなく煮物の下ゆでとしての効果もあります。

方法は、
- 煮立ったお湯に数秒間くぐらせる
- ざるに入れ熱湯を回しかける
の2つがあり、どちらも熱湯にさらしすぎないのがポイントです。
熱湯にさらすと短時間でアクが抜けるうえに、雑味が抜けスッキリとした味に仕上がります。
ごぼうの「アク」は何?
アクが多いイメージがあるごぼう。
水にさらしたときにごぼうから染み出し、水を薄い茶色に変色させるのがそのアクです。
そのごぼうの「アク」は、ポリフェノールの一種・クロロゲン酸という物質です。
クロロゲン酸は、コーヒー豆に多く含まれるポリフェノールです。
その特徴は水に溶けやすいということ。

↑はアク抜きでごぼうをさらした後の水です。
そのため、アク抜きを水にさらして行うのですね。
また、クロロゲン酸には渋みがあるので、繊細な味の料理を作る際にはアク抜きをした方が良いとされます。
しかし、そんなクロロゲン酸には抜くにはもったいないはたらきも!
クロロゲン酸のはたらき
クロロゲン酸には強い抗酸化作用があります。
抗酸化作用とは、体内で老化を進行させる活性酸素のはたらきを抑えること。
つまり、クロロゲン酸を積極的に摂るとアンチエイジングに効果が期待できます!
さらに、クロロゲン酸には、
- 脂肪肝
- 糖尿病
を予防する効果が期待されます。
特に糖尿病に関しては治療薬への活用も期待されており、研究が進められているとのこと。
また、脂肪の蓄積を抑えるはたらきもあり、ダイエット中の方にもおすすめです。

とにかく、健康に痩せたい人におすすめの栄養素ってことだね。
したがって、ごぼうのアク抜きをする際はクロロゲン酸を抜きすぎないようにすることも大切ですね。
ごぼうのアク抜きはしなくても良い?
クロロゲン酸は抜くにはあまりにももったいないはたらきを持つ栄養素でした。

先ほども出した画像ですが、↑の水の色はすべてクロロゲン酸です。
このことを知ると「もうごぼうのアク抜きなんてしたくない!」と思ってしまいますよね。
そんな栄養重視な方に朗報!
ごぼうのアク抜きはしなくてもOKです!
最初に説明しましたが、ごぼうのアク抜きは、
- 味のえぐみを取り除く
- 色味を良くする
ために行います。
よって、きんぴらごぼうなど濃いめの味・色の料理だったらわざわざアク抜きをする必要はありません。
また、ごぼうは空気に触れることで酸化が進みます。
そのため、切ってすぐに火を通せば酸化は防げ色味良く仕上げられます。

ごぼうの下ごしらえはスピード勝負だね。
ごぼうの「皮剥き(洗い方)」方法

ごぼうの下ごしらえ、続いては皮むきについてお伝えします。
まず、ごぼうの皮を剥きすぎるのはおすすめしません。
なぜなら、ごぼうは皮にクロロゲン酸を多く含むからです。
またごぼうのうま味がたくさん含まれているのも皮と皮のすぐ近く。
よって、栄養豊富で味も良く仕上げたいなら、皮むきをしない方が良いでしょう。

でも、皮を剥かないのは抵抗あるよね。
たしかに、料理の見た目を意識するなら皮を剥かないのは少し難しいかもしれません。
そこで、皮を剥きすぎないで見た目良く仕上げる方法として、
- 包丁の背で削ぐ
- タワシで洗う
- アルミホイルでこする
の3つをご紹介します。
包丁の背で削ぐ
ごぼうの皮むき方法として最もオーソドックスな方法がこの「包丁の背で削ぐ」ものです。
包丁の刃の部分ではなく反対側の背の部分を使います。

この方法では、包丁の背をごぼうに押し当て、表面を削ぎ落としていきます。
「包丁の背で削ぐ」方法は、慣れるまでは少し難しいかもしれません。
また、力を入れすぎると皮の大部分を削ぎ落としてしまうので注意が必要です。
メリット | 包丁だけでできるので洗い物が増えない。 |
デメリット | 皮を落としすぎてしまいがち。 |
「包丁の背で削ぐ」と、キレイに仕上がりますが損なわれる栄養も多くなってしまいます。
しかし、これから紹介する2つの方法では、もっと簡単に皮を残しつつキレイに仕上げることができます!
タワシで洗う
「タワシで洗う」方法は、野菜を皮付きのまま使う料理でよく用いられる方法です。

タワシを使えば、皮を落としすぎずに表面の汚れをキレイに落とすことができます。
ただし、タワシの後始末が面倒というデメリットがあります。
タワシでごぼうを洗うと、皮がボロボロと細かく落ちます。
その細かくなった皮がタワシに入り込めば洗うのに一苦労。
また、ごぼうといえばあの独特のニオイ。
そのニオイがタワシに付くと水で洗ってもなかなか落ちません。
さらに、泥ごぼうを洗った後はタワシがドロドロに・・・。
よって、タワシのお手入れが面倒というのが少々難点といえます。

野菜専用でタワシを用意するのも面倒だな・・・。
アルミホイルでこする
「アルミホイルでこする」方法は、わたしが一番おすすめする方法です。
おすすめの理由は使い捨てできるところ!
先ほどの「タワシで洗う」項でも説明しましたが、ごぼうの皮むきの後は洗うのがすごく面倒です。
その点、アルミホイルなら一度使えばそのまま捨てられるので洗う手間がいりません。
「アルミホイルでこする」場合に必要なアルミホイルの長さは30cmほど。

このアルミホイルを1回ぐしゃぐしゃにします。

あまり固く丸めると広げられなくなるので注意しましょう。
ぐしゃぐしゃにした後は広げておきます。

この丸めた際にできたデコボコでごぼうの皮をこすっていくのです。
方法は、アルミホイルでごぼうを巻きこするだけ!

水で流しながらだと、ものの10秒ほどでここまでキレイになります。

実際やってみてもすごく簡単でした!
「アルミホイルでこする」方法は、本当に表面の汚れのみ落とせる感じでした。
「皮がもったいない」という思いもなかったです。
今度ごぼうを料理する際は、この「アルミホイルでこする」方法がおすすめです。

アルミホイルだったら家にあることも多いし使いやすいかもね。
まとめ
- ごぼうのアク抜きの方法は、水・酢水・熱湯にさらすという3通りがある。
- ごぼうのアクはクロロゲン酸というポリフェノールの一種。
- クロロゲン酸は強い抗酸化作用があるため、水などにさらす際は長い時間さらしすぎないのがポイント。
- また、ごぼうのクロロゲン酸は皮や皮の近くに多く含まれるため、皮は剥きすぎない方が良い。
- 皮のむき方は「アルミホイルでこする」方法が、洗い物がなく落ちる皮の部分も少ないのでおすすめ。
ごぼうの栄養を重視するなら、アク抜きをしすぎない・皮を剥きすぎないことが一番!
面倒だと思っていたごぼうの下ごしらえですが、あまりちゃんとやらなくて良いと知り気が楽になりました。
これからはごぼうが食卓に並ぶ日がこれまで以上に増えそうです。