アスパラガスにはよく目にする「グリーンアスパラガス」以外にもさまざまな種類があったりします。
ホワイトアスパラガスは何となく知っていますが、他にも色違いがあるようなのです。
ということで、今回はアスパラガスの種類について、
- 正しい分類
- 色違い・サイズ違い
の2点を調べ、詳しくまとめてみました!
アスパラガスの分類
アスパラガスはキジカクシ科クサスギカズラ属の野菜です。
しかし、Wikipediaには「クロンキスト体系ではユリ科に含める」とあります。
ユリ科の場合はユリ科アスパラガス属に分類されます。
ちなみに「キジカクシ科クサスギカズラ属」は分子系統学によるAPG植物分類体系による分類です。
全体的に、何言っているか分かりませんね・・・。
ということで、上記の分類について簡単にまとめていきます。
ユリ科アスパラガス属:クロンキスト体系とは
クロンキスト体系とはアーサー・クロンキスト(Arthur Cronquist)が提唱した被子植物の分類体系です。
このクロンキスト体系では、
「花被・おしべ・めしべ等が多数に軸の周りを螺旋状に配列している両性花を出発点とし、この原始的被子植物から種々の植物群が進化した」
クロンキスト体系―Wikipedia
という考えのストロビロイド説を採用しています。
1980年代に提唱されたクロンキスト体系。
しかし、21世紀の現在では旧分類と見なされています。
クロンキスト体系が旧分類となったのはAPG体系が登場したためでした。
キジカクシ科クサスギカズラ属:APG体系とは
APG体系は1998年に公表された被子植物の新しい分類体系です。
「APG」は「被子植物系統グループ(Angiosperm Phylogeny Group)」の略で、この分類を実行する植物学者の団体です。
つまり分類そのものにちゃんとした名前がありません。
便宜上、APG体系と呼ばれているだけなんですね。
名前は定まっていないものの、現在ではこのAPG体系が植物の分類体系の主流。
そんなAPG体系の特徴はDNAの解析から植物を分析し分類していることです。
よって、これまではユリ科に属していたものの、DNAを解析したらキジカクシ科だったということです。
現在の主流はAPG体系とのことなので、ここでもアスパラガスの分類はキジカクシ科クサスギカズラ属とします。
アスパラガスの種類~色違い編~
アスパラガスは、
- グリーンアスパラガス
- ホワイトアスパラガス
- パープルアスパラガス
- ミニアスパラガス
といった色やサイズが違う種類に大分されます。
※ちなみに全然関係ありませんが、わたし個人的な↑の感想は、
- グリーンアスパラガス:いつもの
- ホワイトアスパラガス:何となく知ってるけど、見たことはない
- パープルアスパラガス:紫!何それ
- ミニアスパラガス:へぇ~、小さいのもあるんだ
でした。
どうでもよい情報でした。すみません。
種類ごとにアスパラガスはどう違うのでしょう?
その違いを知るために、グリーンアスパラガスをもとにそれぞれの種類と比較してみました。
ホワイトアスパラガスとの違い
グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスの違いは太陽の光に当てるか・当てないかです。
「ホワイトアスパラガス」という品種があるワケではなく、その違いは栽培方法にありました。
グリーンアスパラガスは太陽の光を当てて育てます。
日光を浴びたアスパラガスは葉緑素がたくさん作られるので緑色に変色します。
一方、ホワイトアスパラガスは太陽の光を当てないように土寄せという作業を行います。
土の下から芽が顔を出すと、その上に土を被せ日光を浴びせないようにするのです。
この栽培方法は軟白栽培と呼ばれ、この文字通りホワイトアスパラガスは柔らかく白い姿で出荷されます。
日本で初めて栽培されたのは、このホワイトアスパラガスだったんだって。
日本初ホワイトアスパラガスの誕生について、詳しくは↓
栄養価の違いは?
グリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスを栄養価の観点から見ると、グリーンアスパラガスに軍配が上がります。
グリーンアスパラガスは光合成により栄養価を蓄えます。
よって、グリーンアスパラガスは日光を浴びないホワイトアスパラガスでは作られない栄養も蓄えることができます。
その最たる例が色素の成分でもあるβカロテン。
白いホワイトアスパラガスにβカロテンはほとんど含まれません。
また、その他の栄養でも、全体的にホワイトアスパラガスがグリーンアスパラガスに劣っています。
日当たりは野菜の栄養価を大きく左右するようですね。
味や食感の違いは?
グリーンアスパラガスは香り高く、味も濃いのが特長です。
しかし、その分青臭さも強いので苦手な方も少なくはないようです。
一方のホワイトアスパラガスは香りが薄く、味もマイルド。
青臭さがない上に甘みも感じるので、お子さんでも食べやすい味と言えます。
どちらにもそれぞれの良さがあるので、料理によって使い分けられると良いですね。
ホワイトアスパラガスのデメリット
ホワイトアスパラガスは柔らかく繊細なため保存が難しいというデメリットを持ちます。
さらに、土寄せという手間が増える分、栽培量も少なめ。
このようにグリーンアスパラガスよりも傷みやすく・手間がかかるので、市場にはあまり流通せず価格も高いのがホワイトアスパラガスのデメリットです。
それでも、柔らかい特別な食感と甘味のある風味はまた格別!
家庭向けと言うよりもレストランなどのプロ向けの食材と言えますね。
パープルアスパラガスとの違い
グリーンアスパラガスとパープルアスパラガスの違いは品種です。
パープルアスパラガスは表皮にアントシアニン色素を多く含むため紫色をしています。
アントシアニンはブルーベリーに含まれる色素だね。
日本でも「はるむらさきエフ」といった品種などが生産されていますが、市場にはほとんど出回らないレアな存在。
生長しすぎると表皮が緑になり、普通のアスパラガスになってしまう栽培が難しい品種です。
栄養価の違いは?
グリーンアスパラガスとパープルアスパラガスの栄養価はほとんど変わりません。
ただし、パープルアスパラガスは紫色な分、アントシアニンを多く含みます。
ポリフェノールの一種であるアントシアニンには高い抗酸化作用があります。
さらに、視力改善効果も期待できます。
そういうサプリメントが売っているよね。
味や食感の違いは?
パープルアスパラガスは甘味が強く、香りが高いという特長があります。
生長しきっていない状態で収穫するので柔らかく、新鮮なら生食も可能です。
ミニアスパラガスとの違い
グリーンアスパラガスとミニアスパラガスの違いはサイズのみです。
グリーンアスパラガスを生長途中に早採りしただけのものです。
ミニアスパラガスのサイズは10cmほど。
普通のアスパラガスの半分以下の長さで出荷されます。
栄養価の違いは?
ミニアスパラガスは、グリーンアスパラガスを早く収穫しただけなので栄養価に違いはありません。
味や食感の違いは?
ミニアスパラガスはまだ生長しきってない状態なので、グリーンアスパラガスよりも柔らかいのが特長です。
また、アスパラガスと比べて、
- 細い
- 皮が薄い
- 青臭さも少ない
というメリットがあるので、料理しやすいと言えます。
まとめ
- アスパラガスはキジカクシ科クサスギカズラ属の植物に分類される。
- 一般的なグリーンアスパラガス以外にも種類があり、それぞれ、
- ホワイトアスパラガス:日光を当てずに育てた同品種
- パープルアスパラガス:アントシアニンが豊富な別品種
- ミニアスパラガス:早採りした同品種 という特徴を持っていた。
馴染みは薄いですが意外と豊富なアスパラガスの種類を調べてみました。
普通のスーパーではなかなかお目にかかれないレアな色違い・サイズでしたね。
運良く見かけたら、購入して食べてみたいと思います!
種類ごとのアスパラガスのゆで方をまとめた記事は↓