前回「アスパラガスの種類」について調べたところ、色違いごとにゆで方が大きく違うことに気付きました。
同じアスパラガスなのに、ゆで方が変わるなんて面白い!
そう思い、色違いごとのアスパラガスのゆで方についてまとめてみました。
アスパラガス料理の注意点
まずは、アスパラガス全般に共通する料理の注意点をご紹介します。
アスパラハスはとても栄養価が高い野菜です。
しかし、アスパラガスに多く含まれる栄養は水溶性のものが多かったりします。
水溶性、つまり水に溶けやすいということ。
お湯の中で長くゆですぎると栄養が逃げて行ってしまうのです。
また、ビタミン類の中には加熱に弱い成分もあります。
高温で焼き付けるとせっかくの栄養が壊れ、とてももったいないことに!
よってアスパラガスの料理に共通する注意点は、
- ゆですぎない
- 高温で熱しすぎない
となります。
この注意点をふまえて、色違いごとのアスパラガスのゆで方を確認しましょう。
アスパラガスの栄養については↓の記事で詳しくまとめています。
グリーンアスパラガスのゆで方

おそらく最もなじみ深いであろうグリーンアスパラガス。
グリーンアスパラガスのゆで方では、ゆでる前にもいくつかのポイントがあります。
グリーンアスパラガスの下処理
- 根元から4~5cmを切り落とす
- 切り落とした根元から4~5cmの皮を剥く
- 「はかま」を切り落とす
根元を切り落とす
まず、グリーンアスパラガスの根元の太い部分は切り落とします。
アスパラガスは根元から穂先にかけ円錐状になっていますよね。
ですので、当然、根元と穂先では火の通りやすさが変わってきます。
火の通り具合をできるだけ均一にするために、固い部分は切り落とし、皮を剥きます。
根元の部分は、アスパラガスの根元と真ん中の部分を両手で持ち、軽い力でしならせます。
すると、根元から4~5cmほどがパキンとすっぱり折れます。
簡単に折れるので力は要りません。
折った根元の部分はゆでても固い繊維質なので、もったないですが捨ててしまいましょう。
残った根元部分の皮を剥く
その後、折った根元から4~5cmほどの皮を剥きます。
アスパラガスは根元にかけて繊維質が多いので、均一に食べやすくするために皮剥きを行います。
「はかま」を取り除く
さらに、必須ではないですが、より食感を良くしたいなら「はかま」を切り落とすのもオススメです。
「はかま」とは茎に付いている三角形の部分で、アスパラガスの葉に当たります。
ピーラーで剥けば厚さが均一になるので楽ですよ。
「はかま」は三角形の上部分から包丁を滑らせれば簡単に切り落とせます。
すべて取り除くのは面倒ですが、ツルツルしたワンランク上の食感を味わいたいなら手間は惜しめません!
下処理はここまでです。
栄養が逃げるのを極力防ぎたいなら、切り分けるのはゆでた後がオススメです。

切った断面から栄養が逃げちゃうからね。
グリーンアスパラガスのゆで方
- お湯を沸かした鍋に塩を入れる。
- アスパラガスを根元から入れる。
- 1~2分ほど、向きを変えながらゆでる。
- 湯からザル・冷水にあげる。
アスパラガスは「塩ゆで」する
グリーンアスパラガスのゆで方は塩ゆでです。
塩ゆでにする理由は、色味を良く仕上げるためです。
アスパラガスに限らず、緑色の野菜は塩ゆでにすることで緑色を鮮やかに見せることができます。
また、薄く下味も付くのこの後の料理がしやすくなるというメリットもあります。
塩の分量
お湯が沸騰したら塩を入れます。
塩の分量はお湯の1~3%位を目安にしてください。
お湯1Lに対し10~30gほどですね。
アスパラガスをゆでるコツ
塩を入れ、ふたたび煮立ったらアスパラガスを根元から入れていきます。
ゆっくりとアスパラガス全体が浸かるように入れ、時々向きを変えながら調整します。
また、長いアスパラガスは鍋よりもフライパンでゆでるのがオススメ!

直径が大きいフライパンならアスパラガスがしっかりお湯に浸かりますね。
さらに、アスパラガスをゆでる専用の鍋というのもあります↓

アスパラガスを縦に入れてゆでられるなんて合理的ですね。
グリーンアスパラガスのゆで時間は1~2分。
太さによって調整していき、そろそろだと思ったら竹串で刺してチェックしてもOK。
スッと通ったら素早くお湯から上げます。
塩ゆで後は陸揚げ?水揚げ?
ゆでたアスパラガスは陸揚げ・水揚げどちらでもOKです。
ザルに直接陸揚げする場合は、余熱で火が通るので少し固めにゆであげるのがコツです。
陸揚げしたアスパラガスはほっこりした柔らかい食感が味わえます。
一方、冷水に水揚げしたアスパラガスは緑色が鮮やかになり、食感もシャキシャキに!
サラダなど食感&彩り重視の料理に使うと良いですね。
ただし、水溶性の栄養を考え、冷水に浸ける時間はできるだけ短めにしましょう!
ホワイトアスパラガスのゆで方

ホワイトアスパラガスの下処理&ゆで方はグリーンアスパラガスとけっこう違います。
グリーンアスパラガスとの違いをふまえ、ホワイトアスパラガスのゆで方をお伝えします。
ホワイトアスパラガスの下処理
- 根元部分は切り落とす必要なし
- 根元部分の皮を剥く
根元部分の切り落としは?
ホワイトアスパラガスはグリーンアスパラガスより茎が柔らかいのが特徴です。
そのため、ホワイトアスパラガスは根元の部分を切り落とす必要はありません。
少し気になる場合は根元から1cmほどを切り落としましょう。
皮剥きはどのくらい?
ホワイトアスパラガスは下ゆで前に皮剥きをするのがオススメです。
皮を剥く長さはホワイトアスパラガスの硬さによって変わります。
硬いものだったら真ん中~根元部分まで、柔らかいものだったら根元5cmほどだけでOKです。
根元部分が硬いようなら厚めに皮を剥きます。
※皮は香りつけのためゆでるときに使用します。捨てずに取っておきましょう。
ホワイトアスパラガスのゆで方
- 鍋に湯を沸かす
- 下処理で剥いた皮を入れる
- 熱湯にレモン汁(適量)を入れる
- 再び煮立ったらホワイトアスパラガスを入れる
- 火が通るまで4~10分ほどゆでる
- ゆでた後はザルに上げる・鍋の中で冷ます
レモン汁を入れるのは?
ホワイトアスパラガスをゆでるときに登場するのはレモン汁。

レモン汁を入れることで、ホワイトアスパラガスのホワイトがより際立ちキレイに仕上がります。
入れすぎは禁物で、目安量はお湯1Lに対し~小さじ1くらいです。
ゆで時間は長め
ホワイトアスパラガスはグリーンアスパラガスと比べ太く、太さに伴いゆで時間も長くなります。
太さによって変動しますが、太いものでは10分もかかる場合も!
ゆで時間の目安は竹串を刺して少し抵抗が残るくらいです。
グリーンアスパラガスと違い、スッと竹串が通るくらいまでゆでるとゆですぎになります。
ゆでた後は陸揚げだけど・・・
ゆでた後のホワイトアスパラガスの冷水への水揚げはNGです。
ホワイトアスパラガスが持つせっかくの風味がぶち壊しになってしまうので、ゆでた後は必ずザルに陸揚げにしましょう。
また、ホワイトアスパラガスは独特の苦味が強い場合があります。
そんな苦味が好きじゃない場合は火を止めたゆで汁の中でそのまま冷まします。
20~30分ほどおけば粗熱が取れるので、そこからザルに上げましょう。
少し手間がかかりますが、ちゃんと段取りを踏んだホワイトアスパラガスは絶品ですよ♪
パープルアスパラガスのゆで方
「パープルアスパラガスのゆで方」と書きましたが、パープルアスパラガスは火を通さずに食べるのが一番オススメです。
グリーンアスパラガスよりも水分が多めで柔らかいのが特長。
新鮮なら生で食べてもOKなので、そのままスライスしてサラダの彩りにしても美味しいです。

生で食べるのが栄養的には一番オススメだってさ。
また、パープルアスパラガスにはゆでると色が落ちるというデメリットがあります。
せっかく紫色なのに、ゆでると普通のグリーンアスパラガスになってしまうのです。
残念ですね・・・。
それでも「ゆでて食べたい」という場合には↓の方法が良いでしょう。
パープルアスパラガスの下処理
- 根元を1~2cmを切り落とす
- 根元近くの皮を剥く
下処理はグリーンアスパラガスと似ています。
しかし、パープルアスパラガスの方が全体的に柔らかいため、切り落とす根元部分は~2cmほどでOK。
また少し繊維質なので、根元近くの皮を剥いておくとより歯触りが良くなります。
パープルアスパラガスのゆで方
- 鍋に湯を沸かす
- 沸騰したら油の中に酢(適量)を入れる
- パープルアスパラガスを入れる
- サッとゆでる
- ザルか冷水に揚げる
なぜ酢を入れる?
パープルアスパラガスのゆで汁に酢を入れるのは色落ちを防ぐためです。
パープルアスパラガスの紫色成分・アントシアニンは酢と反応するとキレイに発色するという性質があります。
・・・と言っても、完全に色落ちを防ぐことはできません。
加熱はしすぎない
パープルアスパラガスをゆでるときはゆですぎないのがポイント。
もともとが柔らかいので、ゆで時間はグリーンアスパラガスよりも短時間にしましょう。
残りの工程はグリーンアスパラガスと変わりません。
アスパラガスのゆで方まとめ
アスパラガスの色違いごとのゆで方を表でまとめてみます。
料理のポイント | 緑 | 白 | 紫 |
---|---|---|---|
切り落とす根元の長さ | 4~5cm | 1cmほど | 1~2cm |
ゆでるときに入れるもの | 塩 | レモン汁 | 酢 |
ゆで時間 | 1~2分 | 4~10分 | サッとゆでる |
ゆでた後 | 陸揚げ・水揚げ | ゆで汁の中で冷まして陸揚げ | 陸揚げ・水揚げ |
色によってここまでゆで方に違いが出るなんて驚きでした!
奥深きアスパラガス、正しいゆで方を知ったのでもっと美味しく味わえそうですね♪