スーパーで1年中、同じ価格で売られている豆苗。
そんな親しみやすい豆苗ですが、そもそもどんな野菜なのでしょう?
実はあのお豆と同じ野菜だった!?そのお豆の正体とは?
さらに、豆苗の特殊な栽培方法の秘密と高い栄養価についてもチェック!
豆苗の基本を丁寧にまとめています。
豆苗とは
豆苗(トウミョウ)はエンドウ豆を発芽させ、成長した若菜を食べる野菜です。
芽の部分を食べるスプラウト野菜の一種でもあります。
「スプラウト」は豆類・野菜の種子などを人為的に発芽させた野菜の総称で、別名は「発芽野菜」「新芽野菜」。
スプラウトには
- 種子を付けたまま成長する『もやし系(豆型)』
- 種子から発芽して新芽を伸ばす『かいわれ系(アブラナ科型)』
の2種類があり、豆苗は『かいわれ系(アブラナ科型)』に分類されます。
スプラウト野菜には「貝割れ大根」や「もやし」など親しみやすい野菜が多いね。
豆苗の「豆」について
豆苗は「エンドウ豆」を発芽させ、成長した若菜を食べる野菜です。
そのエンドウ豆とはグリンピースのこと。
豆苗ってグリンピースの新芽だったんだ!
言われて見れば味が似てる?かもしれません。
そもそも「グリンピース」とは?
グリンピースはマメ科の一・二年草で、別名はエンドウ豆。
小さな緑色のお豆を使った豆ご飯や、シュウマイの彩りとして有名ですよね。
そんなグリンピースは収穫時期によって呼び名が変わるややこしい野菜でもあります。
- 若菜:豆苗
- 未熟な莢(さや):さやえんどう
- 大きく膨らんだ豆:グリンピース
- 完熟した茶色の豆:エンドウ豆
豆苗・さやえんどう・グリンピース・エンドウ豆はすべて同じ野菜だったんだ!
ちなみに、莢付きでお豆が大きい「スナップえんどう」はこのエンドウの一品種になります。
豆苗の「豆」は食べられる?
豆苗として販売されている豆苗の「豆」は食べられません。
豆苗の豆は食べる用には想定されていないので、くれぐれも食べないように!
豆苗のお豆が食べたい場合は、エンドウ豆・グリンピースとして販売されている商品を購入しましょう。
豆苗の栽培方法
市販されている豆苗は工場での水耕栽培により作られています。
水耕栽培とは土を使用しない栽培方法のこと。
使用するのは水と液体肥料のみ。
水と液体肥料を根から吸収させることで、植物を成長させます。
水耕栽培は、植物工場と呼ばれる屋内の栽培施設で育てられるため
- 安全安心:衛生的で農薬を使用しない
- 安定供給:季節・天候に左右されない
というメリットがあります。
豆苗が1年中、同じ値段で販売されている理由は水耕栽培によるものだったのですね。
ちなみに、豆苗は家庭で料理に使用した後、再び栽培&収穫することができます。
豆苗の栄養価
スプラウト野菜である豆苗は栄養価が高い野菜でもあります。
そんな豆苗の栄養価をまとめていきます。
また、ご紹介している栄養科の数値は『トウミョウ/芽ばえ/生』のものです。
豆苗100gはどのくらい?
豆苗100gは市販されているパック1袋弱となります。
※根・豆の部分を除いた量です。
パックによって成長度合いは異なりますが、おおむね「1パック=100g弱」です。
<基本>豆苗の栄養価
<栄養成分> | <100gあたりの含有量> |
エネルギー | 27kcal |
水分 | 92.2g |
たんぱく質 | 3.8g |
脂質 | 0.4g |
炭水化物 | 3.2g |
食物繊維 | 2.2g |
水溶性食物繊維 | 0.2g |
不溶性食物繊維 | 2.0g |
基本の栄養素では豆苗に飛び抜けて豊富に含まれるものはありません。
ただ、スプラウト野菜なのでたんぱく質が100gあたり3.8gと野菜の中では多め。
また、食物繊維のうち不溶性食物繊維を豊富に含むのもポイント!
不溶性食物繊維は水溶性食物繊維の10倍も多く含まれているね!
不溶性食物繊維には『便秘の予防・改善』や『有害物質の排出』、『ダイエット効果』など健康&美容に役立つ効果が満載です。
豆苗100gは野菜の中でも摂りやすい量なので、上手く食生活に取り入れたいですね。
<ビタミン>豆苗の栄養価
<栄養成分> | <100gあたりの含有量> |
βカロテン(ビタミンA) | 3000μg |
ビタミンB1 | 0.17mg |
ビタミンB2 | 0.21mg |
ビタミンB6 | 0.15mg |
葉酸 | 120μg |
ビタミンC | 43mg |
ビタミンE | 1.6mg |
ビタミンK | 210μg |
豆苗に含まれるビタミンのうち、特筆すべきはβカロテンの量でしょう。
βカロテンは100gあたり3000μgと豊富に含まれ、この数値は小松菜に匹敵します。
『目の健康』に効果が期待され、高い『抗酸化作用』も持つβカロテン。
さらに『DNAの合成・調整』に関わり、妊娠中にはより多く摂るべきとされる葉酸や、『カルシウムを骨に定着させる』『血液を固める』という働きを持つビタミンKも多く含みます。
- 葉酸:100gあたり120μg
- ビタミンK:100gあたり210μg
妊娠中の女性はもちろん、成長期のお子さんにも豆苗はオススメですね。
<ミネラル>豆苗の栄養価
<栄養成分> | <100gあたりの含有量> |
ナトリウム | 1mg |
カリウム | 130mg |
カルシウム | 7mg |
マグネシウム | 13mg |
リン | 47mg |
鉄 | 0.8mg |
豆苗には特筆して多く含まれるミネラルはありません。
ビタミンは豊富だったけど、ミネラルはそうでもないみたい。
<まとめ>豆苗の基本
- 豆苗はエンドウ豆の若菜を食べるスプラウト野菜
- 豆苗の豆はエンドウ豆、つまりグリンピース
- 豆苗は水耕栽培で育つため「無農薬」「通年販売」が可能
- 栄養価はβカロテン・葉酸・ビタミンKが豊富
ここまで、豆苗について気になることをまとめてみました。
そもそも豆苗がグリンピースの新芽という事実がビックリです。
無農薬&安定供給で家計に優しい上に栄養価も高い豆苗は今後、食卓のスタメン決定ですね!