サワークリームとよく似た「ヨーグルト」、さらに「クリームチーズ」。
この似ているサワークリーム・ヨーグルト・クリームチーズの違いとは何なのでしょう?
気になったので、
- サワークリームとヨーグルトの違い
- サワークリームとクリームチーズの違い
についてそれぞれ調べてみました。
サワークリームとは
サワークリームとは生クリームを乳酸菌で発酵させたクリーム状の乳製品です。
さわやかな酸味が特徴で、ロシア料理・ボルシチなどに添えられていることが多いですね。
生クリームにヨーグルトを入れるだけで自家製サワークリームも作れます。
今回は、そんなサワークリームと「ヨーグルト」「クリームチーズ」の違いをまとめます。
そもそも、そんなに似ているのかな?
ヨーグルトとサワークリームの違い
ヨーグルトとサワークリームの違いは発酵させる乳製品が牛乳 or 生クリームであるかです。
日本で初めてサワークリームを発売した中沢乳業のFAQページにはこう書かれています。
サワークリームは、クリームに乳酸菌を入れて発酵させた酸味のあるペースト状のクリームです。牛乳を乳酸菌で発酵させたものがヨーグルトで、生クリームを乳酸菌で発酵させたものがサワークリームです。
中沢乳業FAQ
↑によると、
- ヨーグルト=牛乳を乳酸菌で発酵させたもの
- サワークリーム=生クリームを乳酸菌で発酵させたもの
となります。
ヨーグルトとサワークリームの違いは牛乳or生クリームしかないの?
サワークリームと言えば↓
省令による違い
乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(通称・乳等省令)によると、
- ヨーグルト=発酵乳
- サワークリーム=乳等を主要原料とする食品
に分類されます。
同じ乳製品を発酵させたヨーグルトとサワークリームですが、省令では違うものに分類されるのですね。
乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させ、糊状又は液状にしたもの又はこれらを凍結したもの。
「無脂乳固形分」とは牛乳から水分と乳脂肪分を除いた成分のこと。
簡単に説明すると、牛乳に含まれる栄養成分の総称です。
ちなみに、省令に出てくる「乳」は、
生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、生水牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳及び加工乳をいう。
出典:e-Govポータル 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令
と規定されています。
牛乳の水分はおよそ88%前後あり、残りは乳固形分となります。
その乳固形分は無脂乳固形分と乳脂肪分に分かれます。
- 牛乳
- 水分
- 乳固形分
- 無脂乳固形分
- たんぱく質
- 炭水化物
- ビタミン
- ミネラル
- 乳脂肪分
- 無脂乳固形分
この無脂乳固形分が8%以上含まれているもののみ種類別牛乳・加工乳に分類されるのです。
ヨーグルトの原料である牛乳はもちろんこの規格に含まれます。
しかし、生クリームの無脂乳固形分は5%以下がほとんど。
よって生クリームは「乳又はこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等」に当てはまず、発酵乳とは見なされません。
ヨーグルトと言えば↓
クリームチーズとサワークリームの違い
クリームチーズとサワークリームの違いは「凝乳処理」を行うか行わないかです。
凝乳処理とは、レンネットという凝固剤を使用してたんぱく質を固まらせること。
古くからチーズの製造に使用されている処理になります。
そもそもクリームチーズとは、生クリームやクリームと牛乳の混合物を発酵させた非熟成の軟質チーズのこと。
生クリームを発酵させるという点でサワークリームと一致します。
しかしクリームチーズは、チーズなので凝乳処理を行います。
サワークリームはこの凝乳処理を行いません。
よって、クリームチーズは固まっていますが、サワークリームはクリーム状のまま食します。
クリームチーズと言えば↓
サワークリームとの違いまとめ
サワークリームとヨーグルト・クリームチーズの違いをまとめましたが、そもそもこの3つがこんなにも似ているなんて知りませんでした!
生クリームか牛乳か、固まる処理をするかしないかの違いでここまで違う食べ物になるなんて、乳製品は面白いですね。
以上、サワークリームとよく似たヨーグルト・クリームチーズの違いでした。