レタスはどうして「レタス」という名前なのでしょう?
そんなレタスの名前の由来について調べてみました!
さらに、レタスの品種である『サニーレタス』・『サラダ菜』の名前の由来も調べてまとめてみます。
今回は知ると面白い野菜の豆知識「レタスの名前編」をお送りします♪
レタスの名前の由来

レタスの名前の由来はラテン語の「lac(ラク)」という言葉。
この「lac」から現在の「lettuce(レタス)」に変化していったと言われています。
また、レタスは和名で「チシャ」と言います。

「チシャ」って聞き慣れない名前・・・。
「チシャ」は漢字で『萵苣・苣』と表記されます。絶対に読めませんね・・・。
レタスの名前の由来となった「lac」と和名「チシャ」。
一見、まったくつながりがなさそうですが、実はある共通点がありました!
「lac」と「チシャ」の共通点
「lac」と「チシャ」の共通点は牛乳です。

「lac」はラテン語で『牛乳』という意味です。
そして和名「チシャ」は『乳草(ちちくさ)』が転じたものとされています。
由来が牛乳なのはなぜ?
レタスの名前に牛乳が関係しているのは切り口から白い液体が出ることが由来です。
この白い液体がまるで牛乳のように見えるため、「lac」や「チシャ」という名前が付けられたのですね。
ちなみに、この白い液体は乳液と呼ばれます。そのままのネーミングです。
この乳液の正体はラクチュコピクリンというポリフェノールの一種です。
なめると苦いですが、身体に悪影響はありません。
ラクチュコピクリンには催眠促進・鎮静効果があり、韓国では居眠り運転防止のため、職業ドライバーは仕事前にレタスを食べないとか。
また、イギリスの有名な絵本「フロプシーのこどもたち」(ピーターラビットのことです)では、ピーターがレタスの食べ過ぎで眠ってしまいます。
※俗説なので科学的な根拠はありませんが、大きなレタスを1/4ほど食べると安眠効果が得られるそうです。
昼間にたくさん食べるのは眠気に襲われるためよろしくなさそうですが、夜ごはんに食べれば快眠につながる嬉しい成分ですね。
乳液が出る=新鮮なレタス
切ると乳液が出るレタスは新鮮な証拠です。
鮮度が落ちるとポリフェノールなどが空気と反応し、時間が経つと赤茶色に変色(褐変)してしまいます。
「切り口が白いレタスは新鮮」とよく言われますが、切り口が白いということは切ってから時間が経っていないので新鮮ということですね。
また、包丁で切ると褐変が進みやすくなるので注意が必要。

これはレタスのポリフェノールと包丁の鉄が反応してしまうためです。

だからレタス料理のレシピには「手でちぎる」と書かれているんだね。
ちなみに、切り口が赤くなっていても、鮮度が多少落ちているだけで品質に問題はありません。
普通の「レタス」の分類
わたしたちが普通に「レタス」と呼ぶレタスはヘッドレタスに分類されます。
和名は「タマチシャ」。
この名前の由来は丸い球体のレタスだからです。
また、このヘッドレタスは
- クリスプヘッド型
- バターヘッド型
という2つに分けられ、球体型のレタスはクリスプヘッド型のレタスになります。
ちなみに、このクリスプヘッド型のレタスは「玉レタス」と呼ばれるのが一般的です。
サラダ菜の名前の由来
サラダ菜の名前は主にサラダに使用することが由来です。

というか、その理由じゃなければ「サラダ菜」という名前にはならないでしょう。
また、サラダ菜はベビーリーフの俗称の1つともされます。
ベビーリーフとは発芽してから10~30日ほどの若い菜っ葉全体を指す言葉。
スーパーやコンビニなどでは、数種類を合わせたサラダとして売られていたりします。
特定の野菜を指す言葉ではなく「サラダに使う若葉」ならベビーリーフとみなされます。
ちなみに、全然関係ないですが、日本では4月8日がベビーリーフ記念日と定められています。
4=幼、8=葉とみなし「幼葉」、つまりベビーリーフの語呂合わせですね。
また4月8日ごろから気温の上昇とともに生野菜サラダの需要が伸びることも記念日制定の理由とのこと。
サラダ菜の分類
サラダ菜は玉レタスと同じヘッドレタスに分類されます。
そのうちサラダ菜はクリスプヘッド型よりも巻きがゆるいバターヘッド型です。
同じ結球型のレタスですが、バターヘッド型は内側の部分しか葉が巻かれず外側は重なるだけです。
サニーレタスの名前の由来
サニーレタスの名前は、太陽(sunny)の恵みを受けて葉がきれいな赤色になったというイメージが由来です。

そもそも、サニーレタスの赤色はポリフェノールの一種・アントシアニンの色。
葉が巻かれる玉レタスと違い、葉が巻かれないサニーレタスは葉が直接費の光にさらされてしまいます。
その強すぎる日光から葉が傷むのを防ぐため、サニーレタスはアントシアニンを細胞内に蓄え、身を守ります。
葉を守るための赤への変色ですが、太陽の恵みから赤く育ったとも言えます。
そんな太陽によって特徴的な赤色になることから「太陽のレタス」という意味のサニーレタスという名前になりました。
もともとは違う名前だった?
サニーレタスは、もともとレッドレタス(レッドリーフレタス)という名前で売られていました。
葉が赤いからレッドレタス。
なかなかに安直なネーミングですが、英語圏での名前「red leaf lettuce(レッドリーフレタス)」が由来です。
しかし、レッドレタス時代のサニーレタスは、駐在している外国人には好評だったものの日本人にはあまり売れませんでした。
理由はいろいろですが、販売を開始した1970年代に赤いレタスというのは新しすぎたのかもしれません。
その後、日本人にも親しみやすい名前をと「サニーレタス」と改名。
1980年代ごろから人気が高まり、現在ではどのスーパーにも売っているというほどメジャーな野菜となりました。
ちなみに、サニーレタスの「サニー」は、日産自動車の車種・サニーの人気にあやかったというせつもあります。
当時、日産サニーは国産車でトップシェアでした。
いずれにしても日本人に親しみやすい名前という意味では一致していますね。
サニーレタスは日本生まれ
サニーレタスは日本で発明されたレタスの品種です。
生みの親は、愛知県豊橋市の農家・朝倉昭吉さんという方。
サニーレタスを生み出したきっかけは、レストランの厨房で料理人が玉レタスの葉を1枚ずつ剥がす姿を見たため。
玉レタスの葉を1枚ずつ剥がすのって大変ですよね。
その手間をなくせないかと思いついたのが、葉が丸く巻かれない非結球型のレタスでした。
さらに、赤い方が彩りがあるとも考え、葉が赤い品種であるプライズヘッドを海外から取り寄せ、日本で試作を重ねました。
そして朝倉さんを中心に地元の仲間8人と試行錯誤を繰り返し、作り上げたのがサニーレタスです。
初出荷は1971年11月14日と、今から50年も前のこと。
サニーレタスにそんな歴史があったなんて、これから食べる時は味に深みが増しそうですね。
サニーレタスの和名
サニーレタスの和名はチリメンチシャ・アカチリメンチシャです。
漢字で表記すると縮緬萵苣・赤縮緬萵苣となります。
チリチリという意味の「チリメン」のレタスなのでチリメンチシャ。
たしかに、葉先はチリチリと縮れています。
また赤いのでアカチリメンチシャですね。
まとめ
- レタスの名前の由来は牛乳
- 切り口から牛乳のように白い液体が出ることが理由だった
- 和名は「チシャ(萵苣)」
- サラダ菜はサラダに使うことが名前の由来
- サニーレタスの名前は太陽の恵みで赤く育つことが由来
- もともとはレッドレタスと呼ばれていた
- 和名は「チリメンチシャ(縮緬萵苣)」
レタスの名前の由来が牛乳だったなんて意外すぎましたね。
また、名前よりもサニーレタスが日本発祥ということが一番の驚きだったかもしれません。
レタスの名前の秘密、知らないことばかりで面白かったですね♪