ショウガはなぜ「ショウガ」という名前なのか?
気になるショウガの名前の由来・意味について調べてみました。
さらに、ショウガの漢字名「生姜」や、英語名「ginger」の意味についてもご紹介します。
ショウガの名前(和名)の由来
ショウガの名前のうち、和名・ショウガは中国から日本に持ち込まれた際の呼び名『兄香(せのか)』が由来です。
2~3世紀ごろ日本に伝わったとされているショウガ。
そのとき、ショウガと一緒に伝わったのが同じ香味野菜である「みょうが(茗荷)」でした。
当時の日本人は、ショウガとみょうがを区別するため、
- 香りが強い方→「兄香(せのか)」
- 香りが弱い方→「妹香(めのか)」
と名付けました。
この兄香・妹香が時代と共に訛り、
- 「兄香(せのか)」→ショウガ
- 「妹香(めのか)」→みょうが
となったというのが有力な説です。
ショウガとみょうがにこんなつながりがあったなんて知らなかったですね・・・。
ショウガとみょうがの共通点
ショウガと共に日本へ伝わったみょうが。
そんなショウガ・みょうがには、どちらもショウガ科ショウガ属の多年草という分類上の共通点があります。
種から異なる、植物の分類的にはとても近しい野菜であると言えます。
ちなみに、ショウガ科には
- ウコン
- ガジュツ
- カルダモン(ショウズク)
といったスパイス・生薬として使われている植物が属しています。
香味野菜・薬味・生薬などの多くが同じショウガ科に分類される、というのは何となく納得ですね。
また、ショウガとみょうの違いとしては、食べる部分が
- ショウガ:根茎(地下茎)
- みょうが:花穂
と異なるというものがあります。
ショウガの別名「はじかみ」とは
ショウガには「はじかみ」という別名があります。
はじかみの漢字表記は『椒』。
『椒』は音読みで「ショウ」と読み、胡椒・山椒・花椒など、香辛料に使われる漢字でもあります。
「はじかみ」という名前はショウガだけでなく山椒(サンショウ)を表す言葉でもあったため、区別のため
- ショウガ:くれのはじかみ
- 山椒:ふさはじかみ・なるはじかり・なりはじかり
と呼び分けていたとのこと。
ちなみに「はじかみ」の『はじ』は実が弾ける、『かみ』はニラの古名・かみらから取られ辛みを表す言葉となります。
ショウガの漢字「生姜」の由来
ショウガの漢字「生姜」は漢名が由来となっています。
中国でショウガは「薑」と表記され、このうち生のものを「生薑」、干して乾燥させたものを「乾薑」と区別していました。
生のショウガ・生薑は『ショウキョウ』と読み、これが転じて日本では『ショウガ』と読むようになったとのこと。
同時期に日本へ伝わった「みょうが」と同じように、ショウガと読ませるようになったのでは?とも言われています。
ショウガの「姜」の意味
ショウガの「姜」という漢字は中国で使用される姓の1つとして知られています。
読み方は『キョウ』。
姜を『ガ』と読むのはショウガくらいのようです。
意味としては
- 川の名前。姜水。
- はじかみ。ショウガ。
- 美しい娘。美女。
という3通りが挙げられます。
読み『ショウキョウ』では違う意味となる?
生姜の『ショウキョウ』という読み方は、主に漢方の生薬として使用されるもの。
野菜としてのショウガ(生姜)は生のショウガという意味でしたが、生薬としてのショウキョウは意味がやや異なり↓
日本薬局方においては、単に乾燥させた根茎を生姜(しょうきょう)、蒸してから乾燥させたものを乾姜と区別している。
ショウガ-Wikipedia
とのこと。
いずれも乾燥させるのは同じですが、
- ショウキョウ:ただ乾燥させる
- カンキョウ:蒸してから乾燥させる
という違いがあるようです。
ショウガの英語名「ginger」について
ショウガは英語で「ginger」と表記されます。
読み方は『ジンジャー』。
飲み物のジンジャーエールが有名なので、日本人でもなじみ深いですね。
ちなみに、正式な英語名は「common ginger」となります。
「common」には一般的な・普通ななどの意味があり、直訳すると『普通のショウガ』。
言語別ショウガの呼び方
国ごとのショウガの呼び方を簡単にまとめてみました。
- 日本:ショウガ(生姜)
- 英名:ジンジャー(ginger)
- 中国:姜(きょう)
- イタリア:ゼンゼロ(Zenzero)
- フランス:ジャンジャンブル(Gingember)
日本名は中国名が由来となっているので、同じ漢字が使用されています。
また、英語・イタリア語・フランス語は似ているようで、少し違うといった感じですね。