暑すぎて食欲がないときでも食べやすい冷製スープ・ビシソワーズ。
「ビシソワーズ」という名前は知っているけど、そもそもどんなスープなの?
家庭でビシソワーズは作れるのか?
という疑問を1から解消していきます!
「ビシソワーズ」とは
ビシソワーズは冷たいジャガイモのポタージュです。

「ポタージュ」はフランス語で『スープ』という意味。
しかし、日本では主に裏ごしされ滑らかな舌触りなったスープを指す言葉となります。
そんな冷たいジャガイモのポタージュのうち、特にポロネギ(リーキ)風味のものを指す言葉でもあります。
「ポロネギ」とは?
『ポロネギ』とは西洋ネギのことで、『リーク』とも呼ばれます。
日本ではあまり見かけないポロネギですが、日本でなじみ深い下仁田ネギとよく似た姿。
日本のネギと同じように冬によく獲れ、加熱すると甘くなる香味野菜です。
ビシソワーズの基本の作り方
基本的なビシソワーズの作り方です。
- ポロネギとジャガイモをバターで炒める
- 1にブイヨンを加えて煮る
- 裏ごしをして、生クリームで伸ばす
- 冷やす
煮たジャガイモを裏ごしし、生クリームを加えてるため、あんなにクリーミーで濃厚な味わいになっているのですね。
「ビシソワーズ」の名前について
ビシソワーズは英語で「vichyssoise」と表記されます。

この「vichyssoise」を日本語でカタカナ表記にすると『ビシソワーズ』・『ヴィシソワーズ』に。
ここでは『ビシソワーズ』に統一します。
フランス語では『ヴィシー風冷製クリームスープ』を意味する「crème vichyssoise glacée(クレーム・ヴィシソワーズ・グラッセ)」という名前があります。
英語でもフランス語でも名前があるビシソワーズ。
それでは、このビシソワーズは生まれたのはどこの国なのでしょう?
「ビシソワーズ」の発祥について
ビシソワーズは1917年(1910年という説も)にアメリカで生まれたスープ料理です。

ビシソワーズを生み出したのは、当時、リッツ・カールトンの料理長だったルイ・ディア(ルイ・フェリックス・ディアト)という人物。
リッツ・カールトンと言えば、現在もある有名な高級ホテルですよね。
ニューヨーク、マンハッタンに新しくオープンしたリッツ・カールトンの料理長だったルイ・ディア。
ビシソワーズはそんなリッツ・カールトンの新メニューとして開発されました。
1917年にオープンした屋上レストランのための新メニューだったとのこと。
ビシソワーズの発想は、フランスで生まれた彼が子どもの頃に母親に作ってもらったスープから得られました。
暑い夏の日、母親作ってくれた「ポタージュ・ボンヌ・ファム(Potage Bonne Femme)」というジャガイモとポロネギのスープに冷たい牛乳を入れたスープを思い出して作り上げたと自著で語っています。
スープの名前は、ルイ・ディアの生まれ故郷に近いフランスの町・ヴィシーにちなんだもの。

だから、フランス語での名前が『ヴィシー風冷製クリームスープ』なのですね。
ビシソワーズは、フランス出身のシェフが、アメリカで生み出したスープでした。
家庭で「ビシソワーズ」は作れる?
ビシソワーズは意外と簡単に作れます。
- ポロネギ⇒玉ねぎ
- ブイヨン⇒コンソメ
- 生クリーム⇒牛乳
で代用OKなので、家庭にある材料だけですぐに作れます。
また、裏ごしの工程もミキサーでOKです。
ビシソワーズの材料・分量
ビシソワーズ・2人分に必要なジャガイモは2個(300gほど)となります。
このジャガイモ2個(300gほど)を基準に材料と分量をまとめていきます。
| ジャガイモ | 2個(300gほど) |
| 玉ねぎ | 1/2個(100gくらい) |
| 牛乳 | 400ml |
| コンソメ | キューブ1個or小さじ1強 |
| 水 | 200ml |
| バター(有塩) | 15~20g |
| 塩・胡椒 | お好み |
分量はあくまで目安となり、濃厚な味わいが好きな方はバターを増やすなどしてもオススメです。
また、牛乳400mlを『豆乳(調製豆乳)400ml』へ変更するのもOK!
豆乳を使うことで、牛乳が苦手な方でも飲みやすい味わいになります。
さらに、お好みで『乾燥パセリ』や『小ネギ』などをトッピングしても美味しいですよ。
つづいて、作り方となります。
ビシソワーズの作り方
ビシソワーズは『炒めて、煮て、攪拌して、冷ます』という4ステップで完成します。
1つ1つは難しくないので、丁寧に行えば美味しく仕上がりますよ。
- ジャガイモ・玉ねぎを薄切りにする
- 火の通りを早くするため、極力薄く切ることをオススメします
- 鍋にバターを入れ、火にかけ溶かし、ジャガイモ・玉ねぎを入れ炒め合わせる
- 玉ねぎがしんなりしたら、水・コンソメを入れ、煮立たせる
- ジャガイモが柔らかくなるまで煮る(目安は10分)
- 4をミキサーへ入れ、よく攪拌する
- 5を鍋に戻し、牛乳を加える
- 再び火にかけ、沸騰直前まで加熱する
- 沸騰させないようによく観察!
- 火を止め、塩・胡椒を加えたら、粗熱を取る
- 粗熱が取れたら、冷蔵庫で冷やす
調理工程そのものに時間はかからないものの、粗熱を取る、冷蔵庫で冷やす、という工程に時間がかかるのがデメリット。
食べる数時間前から作り始めることを想定していないと、冷たいまま食べられないので注意が必要ですね。

お昼に食べたいなら朝に、晩ご飯で食べたいなら昼に作りはじめるのがオススメです。
「ミキサーなし」でビシソワーズを作る方法とは

我が家のようにミキサーがない家庭でもビシソワーズは作れます。
ミキサーなしでビシソワーズを作るときは、本来のレシピ通り「裏ごし」をするのがオススメです。
先ほどのレシピをもとに、ミキサーを使わない工程を紹介します。
- ジャガイモ・玉ねぎを薄切りにする
- 火の通りを早くするため、極力薄く切ることをオススメします
- 鍋にバターを入れ、火にかけ溶かし、ジャガイモ・玉ねぎを入れ炒め合わせる
- 玉ねぎがしんなりしたら、水・コンソメを入れ、煮立たせる
- ジャガイモが柔らかくなるまで煮る(目安は10分)
- 4を濾し器(こしき)に入れ裏ごしする
- 5を鍋に戻し、牛乳を加える
- 再び火にかけ、沸騰直前まで加熱する
- 沸騰させないようによく観察!
- 火を止め、塩・胡椒を加えたら、粗熱を取る
- 粗熱が取れたら、冷蔵庫で冷やす
濾し器がない場合は金属ザルで代用OK。
ボウルの上に金属ザルを置き、ゆっくりと鍋の中味をザルに開け、木べらなどですり潰していけば濾し器代わりになります。
マッシャーなどで潰すという手もあります。
また、ジャガイモ・玉ねぎをすりおろしてから炒めるという方法も。
すりおろしてから炒め、煮れば加熱時間が大幅に短縮できますね。
【まとめ】冷製スープ・ビシソワーズについて
- ビシソワーズはポロネギ風味のジャガイモ冷製クリームスープ
- フランス出身の料理人、ルイ・ディアが1917年に開発したメニュー
- 家庭で作るときは、ポロネギの代わりに玉ねぎを、裏ごしにミキサーを使うと簡単にできる
ここまで、ビシソワーズについてまとめました。
ビシソワーズはレストランで味わうもの!家庭で作るなんて難しくて無理!
と思っていましたが、レシピをまとめてみると意外と簡単そうなので家庭でも作れそうです。
夏の暑い日は、ビシソワーズなど飲みやすい冷製スープで栄養補給!暑さを乗り越えましょう。

