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塩麹が肉を柔らかくする働きとは?漬け込み時間や魚の漬け込みについて

塩麹(しおこうじ)に肉を漬け込むと柔らかくなる。

そんな肉の漬け込みといった塩麹の使い方は有名ですが、なぜ塩麹で肉が柔らかくなるのでしょう?

肉が柔らかくなる理由は、塩麹の「ある働き」が関係していました!

さらに、肉を漬け込む時間の目安や、漬け込む際のコツ・注意点もご紹介します。

また、魚を漬け込むときのポイントも合わせてまとめました。

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塩麹が肉を柔らかくする理由

塩麹が肉を柔らかくするのは麹そのものの特性が理由です。

塩麹 麹
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そもそも『麹』とはニホンコウジカビと呼ばれるカビを米などの穀物に付着させ発酵・熟成させたもの。

麹(糀)について詳しくは≫

カビはアミノ酸が大好物。

アミノ酸はたんぱく質を分解してできる栄養素だね。

カビはアミノ酸をエサとして、その数を増やしていきます。

しかし、肉のままではアミノ酸は得られません。

そこで、カビは自らたんぱく質を分解する酵素・プロテアーゼを作り出し、放出します。

花緒
花緒

プロテアーゼはパイナップルやキウイフルーツに含まれる酵素でもあります。食べるとシュワシュワする、あの感じの正体ですね。

肉のたんぱく質に付着した塩麹は、酵素・プロテアーゼによってたんぱく質をアミノ酸に分解していき、栄養源としてカビ自らが食べられる形に変化させるのです。

つまり、こういうこと↓ですね。

  1. 自らたんぱく質を分解する酵素・プロテアーゼを生成
  2. プロテアーゼがたんぱく質を分解、アミノ酸を生成
  3. たんぱく質が分解されることで肉が柔らかくなる

味噌などで有名なマルコメが行った「肉が切れる圧力」の実験では、塩麹に漬け込んだ鶏肉・牛肉は、漬け込んでいないものに比べ肉が切れる圧力が38%も低減

豚肉でも18%低減するという結果が出ました。

※温度30度の環境で30分間、塩麹に漬け込んだ場合

花緒
花緒

たしかに、塩麹には肉を柔らかくする働きがありますね!

※参考 マルコメ「麹のこと」麹と酵素とそのはたらき

麹の働きは肉を柔らかくするだけじゃない!

麹には肉の旨みを引き出すという働きもあります。

塩麹 肉の旨みを引き出す
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たんぱく質をアミノ酸に分解する働きを持つ塩麹などの麹。

アミノ酸と言えば、うま味成分として有名な『グルタミン酸』、同じくアスパラガスに含まれることで知られる『アスパラギン酸』などがありますよね。

花緒
花緒

グルタミン酸は鶏肉・牛肉などに含まれるアミノ酸系のうま味成分です。

つまり、たんぱく質を分解しアミノ酸を生成する、ということはうま味成分を増やすということでもあります。

「塩麹に肉を漬けておくと旨みが増す」と言われるのはこういった理由からだったのですね。

塩麹に肉を漬け込む時間の目安とは?

塩麹に肉を漬け込む時間の目安は20~30分ほど

豚肉を塩麹の漬け込む
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少し短い?と思ってしまいますが、このくらいの時間で十分です。

あまり長時間塩麹に肉を漬け込むと、分解が進みすぎてドロドロになってしまうことも!

漬け込みすぎは禁物のようですね。

漬け込むときは○○に置く

塩麹に肉を漬け込むときは常温に置くのがオススメです。

塩麹に含まれるたんぱく質分解酵素・プロテアーゼが最も活発に働くのは30~50℃

真夏の気温といったところですが、おおむね20℃以上なら酵素が活性化すると言われています。

つまり、常温に置けばプロテアーゼが元気にたんぱく質を分解してくれるのですね。

ただし、塩麹の温度では注意点も。

プロテアーゼは60℃以上になると壊れ、働かなくなります。
また、15℃以下でも活性を失い働きません。

塩麹の酵素・プロテアーゼの働きを得たいなら温度15~60℃の環境下に置くことが大切ですね。

料理する際の注意点

塩麹を漬け込んだ肉を料理する際の注意点は焼くと焦げ付きやすいことです。

花緒
花緒

実際、わたしも塩麹を漬け込んだ鶏肉を黒々と焦がしてしまったことがあります・・・。

塩麹が焦げ付きやすいのは、塩麹に含まれる糖分が加熱によりカラメル化してしまうため。

カラメルとはプリンの上に乗っかっている茶色の香ばしい部分ですね。

塩麹は『米麹』・『塩』・『水』によって作られています。

そのうち『米麹』に含まれる糖分が加熱しすぎるとカラメル化してコゲコゲになってしまうのですね。

カラメル化防止のポイントは強い火力で焼き付けないこと。

できるだけ弱い火力でゆっくり火を通すことで、焦げ付きは防止できます。

花緒
花緒

ソテーは強い火力で一気に!みたいなイメージがありますが、塩麹で漬けた場合は弱火でゆっくりが良いのですね。

塩麹に魚を漬け込むときのポイント

塩麹に漬けて美味しいのは肉だけでなく魚も同じ!

焼き魚定食 焼き鮭 塩麹に魚を漬けるイメージ
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魚の塩麹漬けの料理法は基本的に肉と同じです。

ただし、漬け込み時間は

  • 刺身:10分程度
  • 切り身:30~1時間程度

と魚の大きさによって変えましょう。

また、塩麹を漬け込むと予想以上に塩辛くなってしまう場合があります。

特に甘塩鮭など魚にあらかじめ塩味が付いている場合は、塩麹の量を少なめにしましょう。

さらに、焼くときはやはり焦げやすいのがデメリット。

焦げが気になる場合は、焼く前にキッチンペーパーなどで薄く拭き取るとキレイに仕上がります。

水洗いしてしまうと旨みも一緒に流れてしまうのでオススメしません。

塩麹に漬けた魚は旨みが引き出され、身もふわふわで絶品です。

たった一手間でワンランク上の料理に仕上げられるなんて、塩麹様々ですね。

まとめ

  • 塩麹が肉を柔らかくするのは、たんぱく質分解酵素・プロテアーゼが働き、たんぱく質をアミノ酸に分解するため
  • 塩麹には、アミノ酸に分解することで肉の旨みを引き出すという働きもある
  • 魚も同じように漬け込むことが出来る

『塩麹が肉を柔らかくする』という情報は知っていても、なぜ肉が柔らかくなるのかは知らなかったので、今回調べてみて興味深かったです。

肉を柔らかくするには「15~60℃の常温」でおおむね1時間以内という条件も必要と分かりました。

この知識を活かし、塩麹を料理に幅広く使っていきたいですね♪

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