切ればシャキシャキ、すりおろせばネバネバの人気根菜「れんこん(蓮根)」。
そのれんこんはネットで「栄養ない」とウワサされています!
どうしてれんこんには「栄養ない」という不名誉なウワサがあるのでしょう?
その理由とともに、本当にれんこんには栄養がないのかも調査してみました!
さらに、れんこんに含まれる栄養素や効果的な摂取方法についてもご紹介します。

そもそもれんこんってどんな栄養があるんだろう?
れんこんは「栄養ない」?
インターネットで「れんこん 栄養」と調べると、なぜか上の方に「レンコン 栄養ない」との検索結果が出てきます。

わたしはこれまで「れんこん=栄養ない」というイメージは全くなかったのでとても意外でした。
なぜれんこんが「栄養ない」と言われているのでしょう?
その理由は、
- 食物繊維が豊富なこと
- 穴が開いていること
と考えられます。
食物繊維が豊富=栄養ない?
れんこんが「栄養ない」と言われているのは、食物繊維が豊富なことが理由の1つだと思います。

「食物繊維が豊富」がどうして「栄養ない」になるの?
それは、かつて食物繊維が役に立たない無駄な物質でしかないと思われていたからです。
今では大切な栄養素として認められている食物繊維。
しかし、昔は栄養が抜けた後の「残りかす」としてしか見なされていませんでした。
その名残から、食物繊維=栄養がない→食物繊維が豊富=栄養ないというイメージがあるのではと思います。
れんこんの穴はなぜ空いている?
また、れんこんには穴が開いています。
その穴だらけの見た目から中身がスカスカ→栄養もスカスカというイメージが付いてしまったのではないかと推測します。

このれんこんの穴は呼吸するために空いています。
れんこんは沼地など泥の中で育つ珍しい野菜です。
野菜なので空気がないと成長できませんが、れんこんが育つのは空気が少ない泥の中。
そこで、れんこんは内部に空気穴を空けました!
その空気穴によりれんこん内に空気を通し、呼吸をサポートしているのです。
日本では、この穴が「先を見通せる」という意味から縁起が良い野菜とされおせち料理の定番にもなっています。
料理だと穴に肉種を詰めて焼くこともあります。
また、郷土料理では熊本県の辛子れんこんが有名ですね。
れんこんは「栄養ない」は本当か
れんこんの栄養がないと思われている理由は、
- 食物繊維=栄養ないからの誤解
- 穴が空いていてスカスカのイメージ
の2つに絞られました。
しかし、実際のれんこんはとても栄養豊富な野菜です。
ここからは、れんこんの栄養について詳しく掘り下げていきます。
れんこんの栄養価
「栄養ない」とのウワサもありましたが、実際のれんこんはとっても栄養豊富!

そんなれんこんの主な栄養を3つご紹介します。
食物繊維
れんこんに豊富に含まれる栄養と言えば、先ほどもご紹介した食物繊維が有名です。
その量は100gあたり2.0g。
これは食物繊維が豊富なイメージがあるきのこ・マッシュルームと同じ数値!
さらに、同じく食物繊維が豊富そうなサニーレタスとも同等の量になります。
食物繊維の種類
食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維の2種類があります。
れんこんはこの水溶性・不溶性食物繊維をどちらも含んでいます。
しかし、れんこん100gあたりの内訳は、
- 水溶性食物繊維・・・0.2g
- 不溶性食物繊維・・・1.8g
と、不溶性食物繊維をより豊富に含んでいます。
不溶性食物繊維のはたらき
不溶性食物繊維は、
- 便秘の予防・改善
- デトックス効果
- ダイエット効果
の3つのはたらきが期待されます。
食物繊維を効果的に摂るには?
れんこんの食物繊維は、先端部分に多く含まれています。

先端って言われても、どこが先端なのか分からないよ。
確かにれんこんの先端なんて突然言われても分かりませんよね。
そこで、れんこんの先端の特徴をまとめてみました。
- 形:丸い
- 大きさ:小さい
- 断面:透き通っている・白色
先端は食物繊維が豊富なので、シャキシャキした食感が特徴です。
ちなみに、食物繊維が少なめと言われる根元は、
- 形:細長い
- 断面:クリーム色
という特徴があります。
デンプンが多いので、ほくほく&もちもちした食感をしています。
見分けるのは少し難しそうですが、念入りにチェックして見ましょう。
食物繊維についてはこちらの記事でより詳しく説明しています。
タンニン
タンニンはポリフェノールの一種。
ポリフェノールとは、天然の抗酸化物質のこと。体内で活性酸素を減らし、老化を防ぐ効果が期待できます。
このタンニンはれんこんのアクでもあり、切ったときに変色する原因でもあります。
アク抜きにより失われることが多い成分ですが、そのはたらきは、
- 抗酸化作用
- コレステロールの排出
など女性にとって嬉しいものばかり!
特にアンチエイジングに効果がある抗酸化作用は積極的に取り入れていきたいですね。
ビタミンC
タンニンと同じく抗酸化作用が高いとされるビタミンC。
そんなビタミンCは、れんこん100gあたりに48mgも含まれています。
と言われてもいまいちピンときませんよね?
しかし、これは同じ100gあたりのレモン果汁のビタミンC量・50mgとほぼ変わらない数値!
そう聞くとビタミンCがとても豊富な気がしますね。
ビタミンCのはたらき
ビタミンCと言えばカゼ予防。
白血球のはたらきをサポートするので免疫力が上がり、カゼにかかりにくくなります。
また、コラーゲンの生成や前述した抗酸化作用もあり、アンチエイジングにも効果的です。
そのうえ、メラニン生成の抑制によるシミ予防も期待できます。
美肌を目指すなら積極的に摂るべき栄養素と言えますね!
れんこんの栄養は他にも
れんこんには、食物繊維・タンニン・ビタミンCの他にも、
- カリウム
- カルシウム
- マグネシウム
などが豊富に含まれるのが特徴です。
それぞれの特徴を表でまとめてみました。
栄養成分 | 主なはたらき |
---|---|
カリウム | ナトリウムを排出し、高血圧を予防。 デトックス効果 |
カルシウム | 骨や歯のもと。 神経を安定させる。 |
マグネシウム | 骨や歯のもと。 酵素のはたらきをサポート。 ホルモンを活性化させる。 |
栄養がしっかり摂れる!れんこん料理法
「栄養ない」なんてとんでもない!
れんこんはとても栄養豊富な野菜だと分かりました。
ここからは、この豊富な栄養をバッチリ摂るための料理法をNG・おすすめからご紹介していきます。

料理法にもこだわって、れんこんを美味しく&栄養満点に味わいましょう!
NGなれんこん料理法
れんこんの栄養を損なう料理法は、
- アク抜き
- 下ゆで
の2つです。
まず、アク抜きは前述したようにアクであるタンニンを抜く行為です。
タンニンの抗酸化作用・コレステロールの排出という効果を得たいならアク抜きをしないことをおすすめします。
ただし、アク抜きには色味・味を良くするというメリットも!料理によって変えるのがポイントです。
次に、下ゆでも栄養の観点からはおすすめできません。
タンニンやビタミンCは水溶性、つまり水に溶けやすいのが特徴です。
そのため、水にさらしたりお湯でゆでたりするとせっかくの栄養がどんどん流出してしまうのです!
ただし、れんこんのビタミンCには熱に強いという特徴があります。
普通のビタミンCは熱に弱いのですが、れんこんの場合は豊富なデンプンに守られ壊れにくくなっています。
よって、煮汁ごと食べる煮物やきんぴらなどの炒めもの、揚げものにしてもOKです。
れんこんのおすすめ料理法は?
れんこんの栄養を損なわない、おすすめの料理法は生食です。

食べる機会は少ないですが、れんこんは生食できる野菜でもあります。
おしゃれなサラダなんかには、スライスされたれんこんが入っていたりしますね。
生食では、どうしても加熱料理で失われてしまうタンニン・ビタミンCがそのまま摂れ、栄養の観点からは最高!
ただし、もちろんれんこんが新鮮でないとおなかを壊します。
- 変なニオイがする
- 表面がヌメヌメしている
という場合は、絶対に生食してはいけません。
また、生の場合はアクをしっかり抜かないとえぐみが強いかもしれません。
よって、れんこんの生食は栄養を摂るにはピッタリですが、新鮮なものを買ってきてすぐに食べることをおすすめします。
まとめ
- れんこんの「栄養ない」というウワサはガセ!
- ウワサの理由は、れんこんにかつて無駄な物質と思われていた食物繊維が豊富に含まれているから。
- れんこんには、食物繊維の他にもタンニンやビタミンCが多く含まれている。
- アク抜き・下ゆでは栄養の観点からはNG。
- 栄養を積極的に摂るなら生食がおすすめ!
れんこんは栄養たっぷりな野菜と分かりました!
れんこんが旬を迎え新鮮なものが店頭にならぶこの時期に、栄養満点な生のれんこんをぜひ味わってみたいですね!