こどもの日に食べられる和菓子・柏餅(かしわもち)。
葉っぱでお餅を包む見た目が特徴ですが、その包んでいる『葉っぱ』は食べられるのでしょうか?
今回はそんな柏餅の『葉っぱ』が食べられるのかどうかを調査!
さらに、なぜ柏餅はお餅を葉っぱで包むのか?包んでいる葉っぱはどんな植物なのか?なども調べました。
柏餅の『葉』は食べられる?
柏餅の葉っぱは食べられます。
しかし、葉っぱは食用ではないため、食べることはオススメできません。
そのため食べる時は↑のように葉っぱを剥がしてから中のお餅だけを食べるのが正しい食べ方となります。
柏餅の葉っぱには毒性など体に有害な物質は含まれないので安全です。
ただし柏餅の葉っぱは食べてもおいしくありません。
しかし、柏餅のお餅そのものの味・食感を損なうおそれがあるため、食べないことをオススメします。
食べるわけじゃないのに、どうしてお餅を葉っぱで包んでいるんだろう?
どうして柏餅は葉っぱで包まれているの?
柏餅のお餅が葉っぱで包まれているのは香り・風味付けのためです。
同じくお餅を葉っぱで包む桜餅と同じ理由ですね。
また、かつては菌の繁殖を防ぐ抗菌のために使用されてもいました。
この効果は、柏餅の葉っぱに含まれるオイゲノールという抗菌成分によるもの。
オイゲノールは柏餅のあの爽やかな独特の香りのもとでもあります。
冷蔵庫がなく、保存料などがなかった昔は、天然の抗菌作用をフル活用し、食品を長く美味しく食べられる工夫をしていたのですね。
さらに、葉っぱで覆うことで餅の表面が乾かないようにするため、といった意味もあったとのこと。
葉っぱは本当にフル活用されていますね。
「柏餅の葉っぱ」はオンラインショップでも手に入ります↓
そもそも柏餅の『葉っぱ』とは
柏餅の『葉っぱ』はブナ目ブナ科の落葉中高木である「カシワ」です。
日本では基本的に全国各地で見られる一般的な木であるカシワ。
また、葉っぱは皿になったり、柏餅のように食品を包んだりと、古くから日本の食文化を支えてきた木でもあります。
ちなみに柏餅の「柏」はヒノキ科のコノテガシワを指す漢字です。
コノテガシワは庭木や生け垣としてよく見かける木ですね。
まったく見たことがない字ですね・・・。
なお、「柏」の字は本来はヒノキ科の針葉樹コノテガシワを指す漢字で、コノテガシワは柏餅に使う葉とは全く異なる。柏餅に用いるブナ科のカシワには、厳密には「槲」の字を使うのが正しい。
柏餅-Wikipedia
柏餅にカシワの葉を使う理由
柏餅にカシワの葉を使用するのは子孫繁栄の願いが込められているからです。
カシワの葉には「新芽が育つまで古い葉が落ちない」という特徴があります。
その特徴にあやかり、子どもや血のつながりが途切れませんようにとの意味が込められているのです。
また、カシワには冬でも葉が落ちないという特徴もあり、古来の日本では「神の宿る木」と見なされていました。
その縁起の良さも柏餅の葉として相応しく、使用されるようになったとされています。
柏餅に使用するのは『カシワの葉』だけじゃない?
西日本の柏餅では『カシワの葉』ではなくサルトリイバラという木の葉っぱを使用することもあります。
サルトリイバラはサルトリイバラ科という植物の分類の名前の1つ。
見た目はカシワと大きく異なり、秋に赤いキレイな実をつけるのが特長です。
山菜として親しまれているので、食べることも可能です。
柏餅にサルトリイバラが使用された理由
西日本で柏餅にサルトリイバラの葉が使用された理由は、西日本にカシワの葉が自生していなかったからです。
現在では物流が発達したため、日本全国でカシワの葉を使用した柏餅が主流となっています。
まとめ
- 柏餅の葉っぱは食べられるが、食用ではないので食べるのはオススメできない
- 柏餅の葉っぱは香り付け・抗菌・乾燥防止のために使用される
- 柏餅の葉っぱはブナ科のカシワ
- カシワの葉には子孫繁栄の願いが込められている
- 西日本ではカシワの葉が自生していなかったためサルトリイバラの葉を使用していた
柏餅の葉っぱについて調べると、意外な事実が次々と明らかになりました。
東日本と西日本では使われていた葉っぱが違ったなんて、全然知りませんでした!
食用ではないものの、柏餅のあの香りを付けるために必要なカシワの葉っぱ。
今年のこどもの日はそんな柏餅の葉っぱに思いをはせながら、柏餅を食べてみてくださいね。