寒天の種類についてまとめました。
粉寒天・角寒天の使い方や栄養価の違いとは?
同じ寒天でもどこまで違うのかを詳しく調べています。
また、粉寒天・角寒天以外の寒天についてもまとめています。
粉寒天とは
粉寒天とはパウダー状の寒天です。

粉末寒天や寒天パウダーといった名称でも販売されています。
粉寒天は寒天ゼリーなどお菓子作りに使われるのが一般的。
お米に混ぜていっしょに炊飯することもでき、手軽に食物繊維が摂れます。
溶けやすく、水で戻す手間がないため使いやすいのが特徴です。
使い方は製品によってさまざまですが、粉寒天と水を混ぜてから火にかけ煮溶かしていくのが一般的。
このとき寒天を溶かすためしっかり沸騰させることが重要です。
製品によってはゼリーにしたい飲料(牛乳・ジュースなど)に入れ、煮溶かしてもOKという粉寒天もあります。
粉寒天を使う寒天ゼリーの作り方
粉寒天を使う基本の寒天ゼリーの作り方です。
【粉寒天】寒天ゼリーの材料・分量
まずは材料から。
- 粉寒天:4g前後
- 水:150~200mlほど
- ゼリーにしたい飲料:200~300ml
粉寒天を溶かす水+ゼリーにしたい飲料に対し、粉寒天の比率は1%が目安です。
つまり粉寒天を4g用意した場合は、粉寒天を溶かす水とゼリーにしたい飲料の合計を400mlにするのが目安。
飲料を増やせばゼリーは柔らかくなり、逆に飲料を減らせばゼリーは硬くなります。
また、お好みで砂糖を加えてもOKです。
【粉寒天】寒天ゼリーの作り方
つづいて作り方です。
- 鍋に水と寒天を入れる
- よく混ぜながら火にかける(中火)
- 沸騰したら火を弱め、2分ほど煮続ける
- 砂糖を加える場合は寒天か溶けたこのタイミングで加えます
- 火を止めてから、ゼリーにしたい飲料を注ぎよく混ぜる
- このときゼリーにしたい飲料は室温に戻しておく
- 好きな容器に流し入れて冷蔵庫へ入れ冷やす
- 容器の内側を軽く水で濡らしておくと取れやすい
寒天は40℃から固まり始めるため、室温でも固まります。
しかし、冷蔵庫で固めた方が美味しく仕上がるため、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やし固めましょう。
ゼリーにしたい飲料のみで作る場合
粉寒天を使い、ゼリーにしたい飲料のみで寒天ゼリーを作ることも可能です。
このゼリーにしたい飲料のみで作るときの注意点は
- 寒天と混ぜる前に少し温めておくこと(人肌程度)
- 冷たいままだと寒天がよく混ざりません
- しっかり沸騰させること
の2点。
牛乳は沸騰させると吹きこぼれやすくなるので注意しましょう。
酸味の強い飲料で作る場合
寒天の固まる力は酸に弱いという性質を持ちます。
そのため酸味の強い飲料は固まりにくいというデメリットが。
酸味の強い飲料とは、レモン汁や100%のオレンジジュースなど。
これら酸味が強い飲料で寒天ゼリーを作る場合は、寒天を煮溶かした後に『火を止めてから』飲料を混ぜるようにします。
いっしょに煮てしまうと寒天の固まる力が働かない場合があるので注意しましょう。
角寒天とは
角寒天は、主に家庭で料理に使うために製造されている寒天です。

角形の棒状をしているため「棒寒天」とも呼ばれます。
水戻しが必要など料理に手間がかかるのはデメリット。
しかし、無添加・無漂白で寒天100%で作られた製品も多く、本格的なお菓子作りにオススメです。
角寒天を使う寒天ゼリーの作り方
角寒天を使った基本の寒天ゼリーの作り方をまとめます。
【角寒天】寒天ゼリーの材料・分量
- 角寒天:1本・8g
- 水(ゼリーにしたい飲料でも):500mlほど
角寒天は1本あたり約8gです。
この角寒天1本・8gは粉寒天・4gと同じくらいの固まる力があります。
角寒天・8g=粉寒天・4gなのは、角寒天の方が水分量が多く、固まる力のもとである食物繊維がやや少ないため。
また、ゼリーを作る過程で裏ごしをするため、使用する量がやや減ることも理由の1つです。
※いずれも後述します。
【角寒天】寒天ゼリーの作り方
- 寒天を水で洗う
- 適当な大きさに割りたっぷりの水(分量外)に10分以上浸ける
- 水に浸け終えたら、寒天の水気をよく絞る
- 小さく千切った寒天と水を鍋に入れる
- 弱火に分け混ぜながらゆっくり煮溶かす
- 沸騰するまで混ぜ続けるのがポイント
- 寒天がしっかり溶けたら、裏ごしをして容器に流す
- 粗熱が取れたら冷蔵庫へ入れ固める
水戻しから煮溶かすまで、じっくり時間をかけると30分ほどかかります。
慌てずにゆっくり行うのがポイントですね。
粉寒天・角寒天100gあたりの栄養価を比較
粉寒天・角寒天100gあたりの栄養価を比較します。
ここからの数値は日本食品標準成分表(八訂)増補2023年の「藻類/てんぐさ/粉寒天」と「藻類/てんぐさ/角寒天」を参考にしています。
粉寒天・角寒天100gあたりの基本の栄養価を比較します。
栄養素 | 粉寒天 | 角寒天 |
---|---|---|
エネルギー | 160kcal | 159kcal |
水分 | 16.7g | 20.5g |
たんぱく質 | 0.2g | 2.4g |
脂質 | 0.3g | 0.2g |
炭水化物 | 81.7g | 74.1g |
食物繊維 | 79.0g | 74.1g |
糖質 | 2.7g | 0g |
カロリーはほぼ同じ、水分は角寒天の方が多いという結果に。
大きな差が現れたのがたんぱく質。
粉寒天0.2gに対し、角寒天は2.4gと12倍も多いという結果に。
また、面白いのが炭水化物・糖質・食物繊維の量。
粉寒天100gあたりの炭水化物は81.7g、食物繊維は79.0gで、糖質(炭水化物ー食物繊維)は2.7gとなります。
一方で、角寒天は炭水化物が74.1g、食物繊維も74.1gで同量。
すなわち角寒天の糖質量は0gとなります。
粉寒天には糖質が含まれますが、その量はわずか。
いずれも食物繊維が全体の7割以上を占め、残りは水分となることは変わりませんでした。
寒天にはビタミンがほぼ含まれないため表は割愛します。
つづいて、粉寒天と角寒天のミネラル量を比較します。
栄養素 | 粉寒天 | 角寒天 |
---|---|---|
ナトリウム | 170mg | 130mg |
カリウム | 30mg | 52mg |
カルシウム | 120mg | 660mg |
マグネシウム | 39mg | 100mg |
リン | 39mg | 34mg |
鉄 | 7.3mg | 4.5mg |
大きな差が出たのは、カルシウムとマグネシウム、鉄の3つ。
角寒天には粉寒天に比べてカルシウムが5.5倍、マグネシウムが約2.6倍多く含まれています。
一方で、鉄は粉寒天が角寒天に比べて約1.6倍多く含まれます。
ただ、このように大きな差は出たものの、実際にゼリーに使うときの寒天の量は粉寒天が4g、角寒天が8gほど。
含まれるミネラル量の差で使う寒天を変える必要はなさそうです。
粉寒天・角寒天以外の寒天について
ここからは、粉寒天・角寒天以外の寒天についても説明していきます。
糸寒天
糸寒天は糸状の寒天です。

細長く、切り干し大根のような見た目をしています。
糸寒天は粉寒天・角寒天のように寒天ゼリー作りにも使用でき、使い方は角寒天とほとんど同じです。
さらに、糸寒天はそのまま味噌汁やスープに加えることもでき、手軽に食物繊維を摂取できる食材として人気を集めています。
粒寒天
粒寒天はお米のような形をした寒天です。
つぶつぶしており、お米といっしょに炊き上げることでかさ増し&カロリーオフができることから人気を集めています。