ちょっと手間をかけた和食に使いたい「鰹出汁の取り方」を覚え書きとしてまとめました。
調べると、鰹節は削り方によって出汁の取り方が異なることが判明!
削り方「薄削り」「厚削り」ごとの鰹出汁の取り方の違いをまとめました。
さらに、一番出汁・二番出汁の取り方や、鰹節の旨み成分についてもまとめています。
鰹出汁の取り方
鰹出汁の取り方は「薄削り」と「厚削り」によって異なります。
鰹出汁の削り方ごとの出汁の取り方をまとめてみました。
「薄削り」での鰹出汁の取り方
鰹節の「薄削り」とは、市場に一番で回っている鰹節のタイプです。
小袋にパック詰めされた『フレッシュパック』タイプや『花かつお』などという名前で売られているものですね。
そんな「薄削り」での鰹出汁の取り方は『沸騰してから入れる』のがポイント。
まずは、材料・分量をまとめていきます。
材料 | 分量 |
---|---|
鰹節・薄削り | 30g |
水 | 1リットル |
鰹節は水に対して3%の分量を用意します。
また、用意するものとしてザル・キッチンペーパーか布巾・ボウルが必要です。
それでは、工程をまとめます。
- 鍋に水を入れ、沸騰させる
- 沸騰したら火を止める
- 鍋に鰹節を入れ、1~2分ほど待つ
- 鰹節が鍋底に沈むまで待ちます
- このとき菜箸などで混ぜると雑味が出てしまうのでNG
- ボウルの上にザル、その上からキッチンペーパーか布巾を載せる
- キッチンペーパーか布巾の上に鍋の中身をゆっくり注ぎ込む
- そのまま水が自然と切れるまで置いておく
- 搾るのはえぐみが出てしまうのでNG
これで鰹一番出汁の完成です。
1リットルの水を使用しますが、できる出汁は800mlほどになります。
一番だしは香りが高く、琥珀色も濃いので、澄んだ色をそのままお吸い物に活かすと美味しく美しく仕上がります。
お味噌汁や和風の煮物、茶碗蒸しなど出汁をきかせたい料理に使いたい出汁ですね。
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一度、出汁を取るのに使用した鰹節で2回目の出汁を取る「鰹二番出汁」の取り方です。
材料 | 分量 |
---|---|
出汁を取り終わった鰹節 | 30g分 |
鰹節・薄削り | 5gほど(お好み) |
水 | 500ml |
出汁を取り終わった鰹節「出汁がら」だけでなく、出汁を取る前の鰹節を加えるのがポイントですね。
また、一度出汁を取り、香りや風味が落ちてるので、水の量は1番出汁の半分の量となります。
それでは工程です。
- 鍋に出汁がらと水を入れて、火にかける
- 沸騰したら弱火にし、5分ほど煮出す
- 煮出したら火を止め、鰹節を加える
- そのまま2分ほど待つ
- ボウルの上にザル、その上からキッチンペーパーか布巾を載せる
- キッチンペーパーか布巾の上に鍋の中身をゆっくり注ぎ込む
- そのまま水が自然と切れるまで置いてお
- 搾るのはえぐみが出てしまうのでNG
これで鰹二番出汁の完成、400ml強の出汁が取れます。
一番出汁と比べ香りが強すぎないのがポイント。
強い香りを求めない煮物や炊き込みご飯など、あっさりした料理にオススメです。
「厚削り」での鰹出汁の取り方
鰹節の「厚削り」は出汁を取るのに向いている鰹節です。
小袋にパック詰めされた鰹節(薄削り)と比べ、厚めに削られているのが特徴。
薄削りの鰹節よりも濃い出汁を取りたいときにオススメの鰹節です。
それでは、まずは材料と分量をまとめていきます。
材料 | 分量 |
---|---|
鰹節・厚削り | 30g |
水 | 1リットル |
薄削りと同じように、鰹節は水に対して3%の分量となります。
それでは、工程です。
- 鍋に水を入れ、火にかける
- 沸騰したら、鰹節を入れる
- 再び沸騰したら、中火で10分ほど煮出す
- アクが出たら丁寧に取り除く
- ボウルの上にザル、その上からキッチンペーパーか布巾を載せる
- キッチンペーパーか布巾の上に鍋の中身をゆっくり注ぎ込む
- そのまま水が自然と切れるまで置いてお
- 搾るのはえぐみが出てしまうのでNG
薄削りの鰹節と大きく違うのが、鰹節を入れた後も加熱し続けること。
鰹節を入れる前に火を止める薄削りの鰹節に対し、厚削りの鰹節はじっくり煮出すのがポイント。
時間はかかるものの、薄削りの鰹節で取った出汁よりも濃い旨みを存分に堪能できるのが特徴です。
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家庭で取った鰹出汁は日持ちしません。
そのため、作ったらできるだけその日のうちに使い切るようにしましょう。
もし保存する場合は必ず冷蔵庫で、2~3日以内は必ず使い切りましょう。
冷凍保存する場合は2週間ほどを目安に使い切ることをオススメします。
鰹出汁の旨み成分について
鰹節の旨み成分は、核酸の「イノシン酸」です。
イノシン酸は、鰹節だけでなく煮干しや魚肉類に含まれる旨み成分です。
また『核酸』とは、ヌクレオチドと呼ばれるリン酸を含んだ物質のこと。
核酸のうち、有名なのは生物の授業で習ったアデノシン三リン酸(ATP)で、このアデノシン三リン酸は生物における代謝や運動エネルギー源となる物質となります。
核酸の旨み成分としては、干し椎茸などに含まれるグアニル酸も有名です。
イノシン酸は生の魚には少ない?
鰹節の旨み成分・イノシン酸は、肉や魚が熟成する過程で増える旨み成分です。
熟成させることで旨みが増える、だから最近、熟成肉が人気なんだね。
実際、イノシン酸は生きている鰹にはほとんど含まれません。
イノシン酸は鰹を煮て、いぶして、乾燥させる過程でどんどん増えていきます。
鰹節は旨みが最大限に増えた状態で加熱し、そのまま乾燥させることで旨みがギュッと凝縮され続けるとのこと。
一番旨みが多い状態でとどめているため、鰹節はあんなに美味しいのですね。
【まとめ】鰹節の出汁の取り方
- 鰹節には「薄削り」「厚削り」の2種類がある
- 薄削りは沸騰後に火を止めた湯の中に入れ、出汁を取る
- 厚削りは沸騰後に火を付けたままの湯に入れ、じっくり煮出す
- 鰹節の旨み成分は核酸である「イノシン酸」
ここまで、鰹節の旨み成分についてまとめました。
普段何となく冷や奴にかけたり、そのまま食べていた鰹節ですが、こんな簡単に出汁が取れるなんて知らなかったです。
削り方によって出汁の取り方が違う!ということをしっかり覚え、美味しい出汁の取り方をマスターしましょう。