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<昆布出汁の取り方>沸騰NGの理由と出汁昆布の種類、旨み成分について

和食の旨みを引き出す「昆布出汁」の取り方を覚え書きとしてまとめてみました。

取り方の工程から沸騰NGの理由について、保存期間もまとめました。

さらに、出汁昆布の種類や昆布出汁の旨み成分など、気になること全般をまとめています。

「出汁(だし)」」とは

煮出し汁の略で、動物性・植物性食品の旨みを水に溶け出させたもの。
料理に旨みをプラスするために使われ、その主成分はアミノ酸や核酸。

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昆布出汁の取り方

昆布出汁の取り方は『沸騰させない』ことがポイントです。

使用する昆布の分量は、煮出す水の1%分。

水1リットル(1000ml)あたり、昆布(乾燥)は10gほどとなります。

昆布と水、煮出すための鍋を用意すれば準備は完了です。

続いて、昆布だしの取り方を工程からまとめます。

  1. 乾燥昆布の表面を軽く拭く
    • 旨み成分が流れてしまうので、水洗いはNG
    • 表面の白い粉は旨み成分なので拭き取る必要はありません
  2. 鍋に昆布と水を入れ、蓋をしてそのまま30分以上放置する
    • 3時間以上放置すれば水出しでも十分出汁が取れます
  3. 鍋を弱火~中火の火加減で熱する
    • 時間をかけて水温を上げていくのがコツです
  4. 沸騰する直前まで熱したら火を止め、昆布を取り出す
    • 鍋底から気泡がプツプツ上がってくるくらいが目安です

水に浸けておく時間が長いので、昆布だしを取るときは早めに準備しておくのがコツ。

また、弱めの火でじっくりと煮出すのは、昆布の旨み成分・グルタミン酸が低温で抽出されるため

グルタミン酸は60℃でもっとも抽出されやすくなります。

しかし、80℃以上になると抽出されにくくなるので、60℃前後の抽出されやすい水温をできるだけキープできるよう時間をかけると良いのですね。

澄んだ色味とコク深い香りが特徴の昆布出汁は、淡白な食材の煮物にピッタリ。

上品な味わいに仕上げたいときに使うと良いでしょう。

昆布出汁が沸騰NGな理由

昆布で出汁を取っているとき、沸騰させてはいけないのはぬめりが出るためです。

昆布のぬめりの原因は

  • アルギン酸
    • 天然の多糖類で、食物繊維の一種
  • フコダイン
    • 水溶性食物繊維の一種

という食物繊維たち。

昆布を入れたまま水を沸騰させてしまうと、このアルギン酸・フコダインが溶け、ぬめりの原因となってしまいます。

昆布出汁をヌメヌメさせないためには、アルギン酸・フコダインが溶ける前に取り出すことが大切ですね。

ただ、出汁のできを落とすアルギン酸・フコダインですが、食物繊維の一種であるため腸内環境の改善など高い健康効果が期待できます。

昆布を無駄なく使いたい&健康効果を得たい!という方は、出汁を取り終わった昆布を別の料理に活用するのがオススメです。

ちなみに、昆布を取りだした後に出汁を沸騰させると、余計な臭みが飛んでくれるのでより風味豊かに仕上げられます。

くれぐれも昆布を入れたまま沸騰させてはいけない!と覚えておきましょう。

手作り昆布出汁の保存期間

家庭で取った昆布出汁の保存期間は2~3日以内です。

必ず、よく冷ましてから冷蔵庫で保存します。

2~3日以内はあくまで目安。夏場は速やかに使い切りましょう。

どうしても使い切れない場合は冷凍保存もできますが、味噌汁に使用するなど使い切ってしまうのがオススメです。

水出しもできる昆布出汁

↑の工程でもサラッとご紹介しましたが、昆布出汁は水出しでも出汁が取れます。

使用する昆布は、煮出しよりもやや多め。

1リットルあたり10~15gほどが目安です。

出汁の取り方は、蓋ができる容器に水と昆布を入れて冷蔵庫で3時間以上放置するだけ。

早く出汁が取りたい場合は昆布を細かく切ってから水に浸けるのもOK。

冷蔵庫で最長1週間保存できるので、作り置きにもオススメの出汁です。

出汁を取るための昆布とは

昆布には、出汁を取るのに向いている品種「出汁昆布」がある一方で、出汁には向かない品種もあります。

出汁に向いている昆布
  • 真昆布
  • 羅臼(らうす)昆布
  • 利尻(りしり)昆布

出汁昆布として有名なのは↑の3種類です。

また、佃煮や昆布巻きに使用される『日高昆布』も比較的向いている昆布です。

出汁昆布として向いていないのは

  • 長昆布
  • 厚葉昆布
  • 細布(ほそめ)昆布
  • がごめ昆布

といった種類。

さらに、商品パッケージに『煮昆布用』などと表示されているものは出汁昆布に向いていません。

昆布のみが原料の乾燥昆布を選びましょう。

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昆布出汁の旨み成分について

昆布の旨み成分は『グルタミン酸』と『マンニット』という成分です。

グルタミン酸とは

旨み成分の中でも有名どころのグルタミン酸。

アミノ酸の一種で、旨みや酸味を持つ成分でもあります。

昆布の他には

  • 野菜類:トマト・ブロッコリー
  • チーズなどの発酵食品
  • 大豆製品
  • 豚肉

に多く含まれる旨み成分です。

「美味しい!」という旨みを感じやすくするのがグルタミン酸の何よりの特長。

さらに、体内で抗酸化作用を発揮するグルタチオンの元となったり、胃腸の働きをよくしたり、という働きを持ちます。

マンニットとは

乾燥昆布の表面に吹き出た白い粉。

その正体は糖アルコールの一種であるマンニットです。

炭水化物の一種である糖アルコールということもあり、甘味があるのが特徴。

グルタミン酸とともに、昆布の旨みを支える栄養素となります。

【まとめ】昆布出汁の基本

  • 昆布は沸騰する前に取り出す
  • 出汁を取るのに適した昆布がある
  • 昆布の旨み成分はグルタミン酸とマンニット

昆布出汁について覚え書きとして基本をまとめてみました。

とにかく、昆布出汁を取るときは沸騰させない!と覚えておけばOK。

しっかり基本をおさえ、料理をレベルアップさせる出汁を使いこなしましょう!

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