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筑前煮といり鶏、がめ煮の違いとは?名前の由来や正月・おせち料理との関係も!

色々な野菜と鶏肉を煮込んだ料理・筑前煮。そんな筑前煮とよく似た料理にいり鶏があります。

この筑前煮といり鶏の違いとは何なのでしょう?

さらに、筑前煮と調べていくと「がめ煮」という聞き慣れない言葉が登場します。

がめ煮の正体や、筑前煮・いり鶏の名前の由来を調査しました!

また、もうすぐお正月ということもあり、筑前煮がおせち料理に使われる理由もご紹介しています。

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筑前煮といり鶏の違い

筑前煮といり鶏は料理の内容としての違いはありません

「筑前煮=いり鶏」と、同じものと捉えてOKです。

でも、どうして名前が2つもあるの?

筑前煮・いり鶏はなぜ名前が違う?

筑前煮といり鶏の名前の違いは呼ぶ地方の違いによるもの。

そもそも筑前煮は筑前で食べられていた煮物だったため付いた名前です。

筑前煮以外にも「筑前炊き」と呼ばれることもあります。

『煮る』は、水や調味料が入った出汁などに食材を入れて加熱する料理法で、西日本では同じ意味で『炊く』が使われることも。
ただし、加熱するときの水量が多い場合は『煮る』、具材にひたひたで少ない場合は『炊く』と使い分けるという説もある。

筑前とは、現在の福岡県太宰府市を中心とし、福岡県西部にかけて広がっていた国のこと。

筑前、現在の福岡県で筑前煮は「がめ煮」と呼ばれ、郷土料理として今でも親しまれています。

そんな「がめ煮」という名前の由来には3つの説があります。

がめ煮の由来① 博多弁

がめ煮の名前の由来、説その1は博多弁です。

博多弁には『寄せ集める』などといった意味の「がめくり込む」という言葉があります。

鶏肉や野菜を『寄せ集めて』作る煮物、という意味から「がめくり込む煮物」→「がめ煮」となった説です。

がめ煮の由来② 文禄の役

がめ煮の名前の由来、説その2は文禄の役です。

文禄の役とは、1592~1593年にかけて行われた朝鮮半島国家との戦争です。

この文禄の役のとき、朝鮮へ出兵した兵士たちがスッポンとあり合わせの食材を煮込み食べた料理が由来となります。

当時スッポンは『どぶがめ』と呼ばれていたため「どぶがめの煮物」→「がめ煮」となったという説です。

なんだか、もの凄く精が出そうな煮物ですね・・・。

がめ煮の由来③ 亀

がめ煮の名前の由来、説その2は亀です。

この由来はシンプルで、当時、博多湾に多く生息していた亀を食材として煮物に使っていたことが由来です。

「亀の煮物」→「亀煮」→「がめ煮」という説ですね。


由来②・③では、いずれにしても亀を食材に使っていたからという説でした。

しかし、今では鶏肉を使用するのが一般的

かつての福岡県では亀がたくさん獲れていたようですが、現在では亀食はなかなかハードルが高い印象です。

また、福岡県は鶏肉の消費量が全国的にも高いというデータもあります。

※2019年のデータでは全国7位でした。
参考 Yahoo!Japanニュース「どの地域が一番牛豚鶏肉を食べているのだろうか、消費量面から実情をさぐる(2020年公開版)」

花緒
花緒

たしかに、福岡県と言えば鶏肉を使った「水炊き」も有名ですよね。

簡単に入手できる鶏肉を使ったことで、今では全国的にも人気の献立に進化していったのですね。

いり鶏という名前は?

筑前煮は全国的な名称、福岡県などではがめ煮と呼ばれていることが分かりました。

しかし、そもそも「いり鶏」という名前はどこから付いたのか?という疑問が棚上げになっていました。

そのいり鶏という名前は、家庭科の教科書などで用いられ始めた名前とのこと。

家庭科の教科書では「鶏肉を炒りつけて煮る」ことから「炒り鶏(いりどり)」という名前で紹介されていることもある。

がめ煮―Wikipedia

↑によると、いり鶏の「いり」は『炒り』という意味があったのですね。

何となく使っていましたが、たしかにいり鶏は鶏肉を炒めてから煮る料理です。

筑前煮という名前ではイマイチ想像ができないですが、いり鶏なら何となく料理の想定がつきます。

よって、いり鶏は学校教育のためにつけられた名前と見なして良さそうですね。

  • 筑前煮:筑前(現在の福岡県)意外での名前
  • がめ煮:筑前での名前
  • いり鶏:家庭科の授業などで使われ初めた名前
花緒
花緒

今では「筑前煮」も「いり鶏」も同じくらいよく耳にする印象ですね。

ここからは呼び方を「筑前煮」と統一します。

筑前煮とおせち料理の関係

「お正月のおせち料理に入っている」という印象も強い筑前煮。

そもそも、どうして筑前煮がおせち料理に使われているのでしょうか?

気になったので、筑前煮がおせち料理に使われる理由を調べてみると、筑前煮がとても縁起が良い料理ということが分かりました。

先の見通しがきくという蓮根、子孫繁栄を例えた里芋、「喜ぶ」の語呂合わせからきている昆布巻きなど、縁起のいい食材で作られます。色々な具材を一つの鍋で煮ることから、家族が一つに結ばれるという意味もあります。縁起のいい食材で作る筑前煮は、飾り切りでさらに美しく、食卓を華やかに彩ります。

【楽天市場】筑前煮のいわれ・レシピ

↑の内容を詳しくまとめてみます。

筑前煮は『食材』がおせち料理向き

筑前煮には縁起が良い食材が数種類使われています。

  • れんこん:穴がたくさん空いていて、先の見通しがきく。また、蓮の花は仏様がいる極楽浄土に咲くとされ、けがれのない植物とされている。
  • 里いも:親芋に小芋がたくさんなる様子から、子宝に恵まれるという意味が込められる。
  • 昆布巻き:「喜ぶ」の語呂合わせ。また、昆布に『子生』という字をあてた子孫繁栄という意味もある。

たしかに、れんこんや昆布巻きはおせち料理の定番といえる野菜だね。

筑前煮は『料理法』がおせち料理向き

「がめ煮」という名前の由来の1つでもありましたが、筑前煮はいくつもの食材をまとめて煮込んで作る料理です。

この『いくつもの食材を1つの鍋で煮込む』という工程から家族が1つに結ばれるという意味が込められています。

筑前煮の味わいのような、何だかほっこりする由来ですね。

筑前煮は『飾り付け』がおせち料理向き

筑前煮にはにんじんの赤やサヤエンドウの緑など彩り豊かな野菜も使われます。

さらに、にんじんやれんこんを桜の形にするなど、華やかな飾り切りをすることも。

その彩りと華やかさからお正月の縁起物にふさわしいとされているのですね。

<疑問>筑前煮と煮染めの違いとは?

ここまで筑前煮とおせち料理の関係性をまとめましたが、そもそもおせち料理には筑前煮ではなく「煮染め」を入れるのが一般的です。

煮染め(にしめ)とは『根菜類・いも類・こんにゃく・昆布・油揚げなどを甘辛く煮た料理』のこと。

また、時間をかけてゆっくり煮汁を食材に染み込ませていく、という料理法でもあります。

日本の伝統的な家庭料理の1つですね。

筑前煮と煮染めはほぼ同じ料理です。

煮染めのうち、筑前地方で食べられていた郷土料理が「筑前煮」と見なして良いと思います。

ただし、筑前煮は、いり鶏という別名からも分かる通り、炒めてから煮る料理です。

一般的に煮染めは炒めずにそのまま煮る料理ですので『炒める』という工程があるかないかが違いかもしれません。

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まとめ

  • 筑前煮といり鶏は名前が違うだけで同じ料理
  • 発祥の筑前(福岡県)では「がめ煮」という名前で親しまれている郷土料理でもある
  • おせち料理に使われるのは食材・料理法・飾り切りが縁起が良いとされるから

筑前煮といり鶏は同じ料理だったのですね。

さらに、もともとはがめ煮という名前だったという情報もあり、非常にややこしいことになってしまいました。

また、おせち料理に使われる縁起の良さを知り、来年のおせちがますます楽しみになりました!

筑前煮の食材や料理法に込められた意味を噛みしめながら、来年のおせちを味わいましょう。

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