キャベツは「茹でると栄養が減る」という衝撃の情報が!
この「茹でキャベツは栄養が減ってしまう」説は本当なのか、調べてみました。
さらに、キャベツの栄養をできるだけ失わない料理方法5選もピックアップ!
春は特に食べる機会が多くなるキャベツを、美味しく&健康に食べられるコツを知りましょう♪
茹でたキャベツは生のキャベツと比べてどれだけ栄養が変わるのだろう?
キャベツは茹でると栄養は失われるのか?
「茹でると栄養が失われる」と言われるキャベツ。
茹でキャベツはキャベツの基本的な料理法の1つですが、栄養がなくなってしまうのは少し困りますよね。
しかし、そんな「キャベツは茹でると栄養が失われる」とは本当なのでしょうか?
そんなキャベツの栄養価の『生(茹でる前)』と『茹で』をそれぞれ調べ、表にして比べてみました。
このページにおける数値はすべて「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」の数値となります。
<基本>生・茹でキャベツの栄養素を比較
まずは生・茹でキャベツの基本の栄養素を比べてみます。
栄養素 | キャベツ・生 | キャベツ・茹で |
---|---|---|
エネルギー | 21kcal | 19kcal |
水分量 | 92.7g | 93.9g |
たんぱく質 | 1.3g | 0.9g |
脂質 | 0.2g | 0.2g |
炭水化物 | 5.2g | 4.6g |
食物繊維・総量 | 1.8g | 2.0g |
水溶性食物繊維 | 0.4g | 0.5g |
不溶性食物繊維 | 1.4g | 1.5g |
茹でた後のキャベツでは、たんぱく質・炭水化物は減り、食物繊維は増えています。
ただ、基本の栄養素では特に大きな変化はありませんね。
<ビタミン>生・茹でキャベツの栄養素を比較
つづいて、生・茹でキャベツの「ビタミン」を比べてみます。
栄養素 | キャベツ・生 | キャベツ・茹で |
---|---|---|
ビタミンA(βカロテン) | 49μg | 57μg |
ビタミンB1 | 0.04mg | 0.02mg |
ビタミンB2 | 0.03mg | 0.01mg |
ビタミンB6 | 0.11mg | 0.05mg |
葉酸 | 78μg | 48μg |
ビタミンC | 41mg | 17mg |
ビタミンE | 0.1mg | 0.1mg |
ビタミンK | 78μg | 76μg |
ビタミンでは変化がないものと大きく減っているものに二分されましたね。
まず、ほぼ変化がないものはビタミンE・ビタミンKの2つ。
またβカロテンは減るどころか数を増やしています。
そして、大きく数値が減ってしまったのは
- ビタミンB群
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンB6
- 葉酸
- ビタミンC
というビタミンたちでした。
元の数値と比べた場合の残った割合を表にしてみると↓のようになります。
<栄養素> | <生→茹で> | <生→茹での栄養残存割合> |
ビタミンB1 | 0.04mg→0.02mg | 50% |
ビタミンB2 | 0.03mg→0.01mg | 約33% |
ビタミンB6 | 0.11mg→0.05mg | 約45% |
葉酸 | 78μg→48μg | 約62% |
ビタミンC | 41mg→17mg | 約41% |
表を確認すると、どのビタミンも茹でると半分近く失われてしまうのが分かります。
茹でただけでこんなに栄養がなくなってしまうなんて・・・。
<ミネラル>生・茹でキャベツの栄養素を比較
最後に、生・茹でキャベツの「ミネラル」を比べてみます。
栄養素 | キャベツ・生 | キャベツ・茹で |
---|---|---|
ナトリウム | 5mg | 3mg |
カリウム | 200mg | 92mg |
カルシウム | 43mg | 40mg |
マグネシウム | 14mg | 9mg |
リン | 27mg | 20mg |
鉄 | 0.3mg | 0.2mg |
表に記載したミネラルはすべて茹でた後の方が数値が減っていることが分かります。
特に減り幅が大きいのがカリウム。
『200mg→92mg』という数値の変化で、茹でた後では生の状態の46%しかカリウムは残っていません。
まさに半減だね・・・。
キャベツは茹でると栄養素が失われるというのは本当でした。
しかし、なぜ茹でると栄養が失われてしまうのでしょう?
茹でると栄養が減るのはなぜ?
生・茹でキャベツの栄養を比較すると数値が大きく減少する栄養素がある一方、ほぼ変化がない栄養素もありました。
茹でた後に数値が大きく減少する栄養素は、いずれも「水溶性」の栄養素です。
水溶性の栄養素は茹でると茹で汁に溶け出すので、大きく数値が減ってしまうのですね。
「水溶性の栄養素」の働き
水溶性の栄養素のうち『ビタミンB群』『ビタミンC』が属する「水溶性ビタミン」には体内のさまざまな代謝に必要な酵素の働きをサポートするという大切な仕事があります。
水溶性ビタミンは多少摂り過ぎても尿として排出されるので、サプリメントなどで過剰に摂取する以外なら摂りすぎに注意する必要はありません。
また、カリウムは『ナトリウムの排出をサポート』するなど、塩分の摂り過ぎ予防→高血圧対策に効果的です。
水溶性ビタミン・カリウムはともに積極的に摂るべき栄養素ですが、その水に溶けるという性質から摂取が難しい栄養素でもあります。
キャベツで水溶性の栄養素を上手に摂る方法なんてないのかな?
キャベツの栄養を失わない料理方法5選
キャベツの栄養を極力失わない料理方法をまとめてきます。
料理方法は5選、どれも簡単です。
水にさらさない
まずは「水にさらさない」こと。
水にさらすと、栄養素が水に溶け出してしまうためです。
また、キャベツは切る前に水で洗うのがオススメです。
キャベツに限らず、野菜の栄養素は細胞の中に含まれます。
包丁で野菜を切ると細胞壁が壊れ、細胞の中の栄養素が流れ出やすくなってしまうのです。
さらに、切る時は繊維を断つように切るとより流出量が増えます。
よって栄養を重視するときは繊維に沿って切ることがオススメです。
食感を良くするためせん切りキャベツを水にさらすことがあるけど、水溶性の栄養素が多く流れ出てしまうから、栄養の観点からはあまりオススメできないね。
- キャベツは水にさらさない
- 水洗いは切る前に
生で食べられる料理にする
つづいて「生で食べられる料理にする」こと。
水溶性の栄養素は水に溶けるだけでなく『加熱に弱い』という性質を持つことがほとんど。
高温で加熱すると栄養が損なわれ、もったいない結果に・・・。
けれども、キャベツは生で食べられる野菜です。
キャベツのせん切りをはじめ、サラダ、ナムルなどレパートリーは様々。
ただし、水洗い・水にさらす時間は溶け出すのを防ぐため手早く行うようにしましょう。
水洗い・水にさらす時間は短く
生で食べられる料理なら↓でアレンジ
炒めものにする
次は「炒めものにする」こと。
炒めものなら栄養素が水に溶け出すのを最小限に防げ、また料理のレパートリーも広がります。
ただし、前項でも説明した通り、水溶性の栄養素は『加熱に弱い』というデメリットが。
炒めるときには加熱しすぎずに、サッと火を通すくらいにしましょう。
加熱しすぎないように
電子レンジを利用する
さらに「電子レンジを利用する」こともオススメです。
電子レンジでの加熱なら
- 加熱しすぎず
- 蒸すため流出が少ない
というメリットがあります。
洗い物が少ないのも嬉しいポイントです。
ただし、電子レンジでの加熱はアクなどの臭さ・えぐみもそのまま残ってしまうというデメリットが。
そのためアクが強いほうれん草などの野菜には向きませんが、キャベツは生食できるほどアクが少ないので電子レンジ調理でも問題ない言えます。
キャベツなら電子レンジ調理でも問題ない
煮汁ごと食べられる料理にする
最後は「煮汁ごと食べられる料理にする」こと。
水溶性の栄養素は水にさらしたり、茹でたりすると水に溶け出てしまいます。
水に溶け出る、つまり栄養素が溶け出した水=茹で汁も一緒に摂れる料理なら栄養素を余すことなく摂取できます。
キャベツは生食OKで、炒めものにも使え、さらに煮込み料理も美味しいという、まさに万能野菜!
特にキャベツは煮込むとトロトロになり、また、かさが減るので一度に多く摂取できるというメリットがあります。
よって、キャベツの栄養を上手に摂るなら煮汁ごと食べられるスープ・汁物や煮込み料理をオススメします。
スープ・汁物や煮込み料理にする
キャベツの煮込み料理のレパートリーを増やすなら↓
まとめ
- キャベツを茹でると水溶性の栄養素が大幅に失われる
- 水溶性の栄養素を上手に摂るには
- 水にさらさない
- 生で食べられる料理にする
- 炒めものにする
- 電子レンジを利用する
- 煮汁ごと食べられる料理にする という5つの方法がある。
ここまでキャベツを茹でた場合の栄養素の変化、さらにキャベツの栄養素を極力失わないように取る料理方法についてまとめました。
茹でるだけで一部の栄養が半減するのは衝撃ですね・・・。
しかし、上手に料理していけば、栄養素をそのまま摂取することができます。
キャベツの栄養を失わない方法を取り入れ、美味しく健康になれる料理を目指しましょう♪