災害時に役立つ「水の備蓄」についてまとめました。
水の備蓄は1人あたり何リットル用意するべきなのか?どんな水を用意するべきなのか?
保存のコツや、備蓄水(保存水)の種類についてもまとめています。

【基本】災害備蓄は3日分以上を用意
災害用の備蓄は最低72時間(3日間)を目安に用意する必要があります。

『72時間』という時間は、支援が届くようになるまでの日数の目安です。
過去の災害の事例を見ると、災害発生から支援物資が届くまでに3日以上かかるケースがほとんど。
ライフラインの復旧や、スーパー・コンビニなどが通常営業を再開するまでは1週間以上の時間がかかる場合も少なくありません。
1週間、買い物ができなかったら、けっこう大変ですよね?
支援物資が届くまで、通常営業が再開できるまで何とか食いつなぐために必要なのが家庭での備蓄となります。

ここからは生きていくのに欠かせない「水」の備蓄についてまとめます。
備蓄の水は1人あたり何リットル必要?

水の備蓄は1人あたり9リットル以上は必要です。
2リットルのペットボトルなら5本分、500mlのペットボトルなら18本は必要です。
ただし、この水9リットルは飲料水と調理用水を合わせた量。
トイレや洗い物などに使用する水はまた別に必要となります。
水の備蓄方法
ペットボトルの水は1つの場所にまとめて置かない方が良いです。
アパートなどのお部屋なら各部屋の収納などに。
2階建ての一軒家なら各階それぞれに備えるようにしましょう。
地震の揺れや大雨による浸水の状態によっては、1階が崩れたり、2階に行くことができなかったりするケースも想定できます。
備蓄水を別々に収納することで、リスクを分散することにつながります。
また、寝室など過ごす時間が多い場所に備えることも重要。
家庭内のどこで被災しても備蓄水を使用できるように備えることが大切ですね。
水道水は備蓄できる?
ペットボトルの水ではなくても備蓄はできます。

たとえば、水道水ならちゃんと保存すれば3日ほどは飲料水として使用OK。
水道水は塩素によって消毒されているので保存効果が期待できます。
ただし、水道水の保存は
- フタが閉まる清潔な容器
- 口もといっぱいに水を入れる
- 空気が触れる面を極力減らす
- しっかりとフタを閉める
という4つのポイントをしっかり守ることが重要。
使い終わったペットボトルが理想ですが、このとき使用するペットボトルはコップなどを使った、口をつけていないものを選びましょう。
また、保存場所は直射日光があたらない、室温の低い場所、いわゆる冷暗所を選びましょう。
3日以上経過した水道水は飲み水としては少し危険。
そのため、トイレや洗い物など飲み水以外の用途に使うことがオススメです。
お風呂に水を溜めておく
トイレや洗い物など、飲むため以外にも幅広い用途がある水。
ペットボトルのキレイな水は飲み水用に取っておきたいので、トイレなどに使用する水は別で用意する必要がありますね。
そんなときに便利なのがお風呂。

浴槽にあらかじめ水を溜めておくことで、トイレや洗い物などの水を確保することができます。
災害時、水が使えないと衛生環境が一気に悪化し、体調を崩しやすくなります。
キレイを保つことは病気の予防全般につながる大切な行為。
災害時こそ、衛生管理を徹底することが重要でしょう。
備蓄として購入すべき「水」とは?
備蓄として購入すべき水は『ペットボトルの水』です。

とはいっても、ペットボトルの水と言ってもさまざま。
日常的に飲むミネラルウォーターから、備蓄専用の水まで探してみるとけっこう種類があり迷います。

正直、何を選べば良いのか分かりませんよね・・・。
そんな水の選び方について3つのポイントからまとめていきます。
保存期間の違いについて
備蓄専用の水、備蓄水・保存水は保存期間が普通のミネラルウォーターよりも長いことが特徴です。
普通のミネラルウォーターの賞味期限が2年ほどなのに対し、備蓄水は短くても5年以上。
長いものでは10年以上も保存できるタイプがあります。
保存期間が数倍も違うミネラルウォーターと備蓄水ですが、実は中に入っている水に差はありません。

水が同じなら、何が違うの?
ミネラルウォーターと備蓄水の違いは容器、ペットボトルそのものです。
ミネラルウォーターのペットボトルというと、特に最近の製品は軽くて薄く、絞ってコンパクトに捨てられるものもあります。
一方で、備蓄水はペットボトルに厚みがあり頑丈です。
保存期間の長さにもよりますが、普通のミネラルウォーターと備蓄水のペットボトルの厚みは2~5倍ほどの差が!
備蓄水のペットボトルが厚いのは水を揮発(蒸発)しにくくするため。
完全に密封されるガラス瓶とは違い、ペットボトルは容器から水が少しずつ揮発していってしまいます。
そのため、長期間保存しておくと水の量が減少。
表示されている水の内容量よりも量が少なくなってしまうと、計量法という法律を違反してしまうのです。
ペットボトルの水は、法律違反を防ぐため、内容量が規定よりも減らない期間内を賞味期限と定めています。
つまり、開封前であれば、賞味期限を多少過ぎてしまっていても水そのものの品質に影響はありません。
もちろん限度はあるため、備蓄水は期限内に使い切ることを心がけましょう。
ペットボトルは厚ければ厚いほど良いのか?
ペットボトルは厚ければ厚いほど揮発による水量の減少が防げるため、保存期間が長くなります。
しかし、ペットボトルが厚くなることは、ペットボトル1本あたりの重さも増えるということ!
また、ペットボトルの厚みが増えることで、ペットボトルの原材料も多く使われることになり、価格が上がります。

長持ちしないけどリーズナブルな普通の水と、長持ちするけど値段がお高めな備蓄水。どちらを買うのが良いのか悩むよね。
日常的に使い、買い足すローリングストックを行うなら普通のミネラルウォーターでもOK。
定期的に買うことで期限の管理ができるのもメリットです。
ただし、ペットボトルが厚く、しっかりしている備蓄水は家具や建物の下敷きになっても破損しない可能性が高く、本当に非常時に役立つ可能性が高いのも事実。

理想としては普通のミネラルウォーター・備蓄水の両方を備えておくのが良いかもしれませんね。
軟水と硬水、どちらがオススメ?
水は大きく『硬水』と『軟水』の2種類に分けられます。
硬度の違いは、水に含まれるカルシウム・マグネシウムの割合の差です。
一般的に、1リットルあたり120mg以上含まれている水が硬水、120mg未満の場合は軟水となります。
日本の水道水、また日本産のミネラルウォーターの多くは軟水。
備蓄専用の水の多くも軟水です。
したがって備蓄水として選ぶなら、普段から飲み慣れている軟水がオススメ!
日本の食料品は、非常食も含め、軟水で調理することが想定されています。
そのため、硬水を使用するといつもの料理がうまくいかない可能性も。
水の硬度にこだわりがなく、そもそもよく分からないという人は軟水を選ぶのが無難でしょう。
サイズは2リットルと500mlどちらを選ぶべき?
ペットボトルの水のサイズには、2リットルと500ml前後の2種類があります。
備蓄には2リットル・500mlのペットボトルの両方を備えておくのがベスト。
ただし、2リットルと500mlのペットボトルは保存場所を分けるのがよりオススメです。
2リットルは他の非常食・防災セットといっしょにまとめて備蓄しておきます。
必要になったとき、他に必要なものたちといっしょに取り出せるように置いておくと便利ですよね。
一方で500mlはお部屋ごとに数本ずつ置いておくのが良いでしょう。
家庭内のどこで被災しても大丈夫なよう、各部屋に配置するのが安心ですね。
また500mlタイプは持ち運びしやすいため、防災かばんなどに入れる、普段使いの車の中に備えておくのもオススメとなります。
オススメ「備蓄水」3選

ここからは、ネット通販で購入できる備蓄水を3種類紹介します。
まずは15年保存できる長期保存水「カムイワッカ麗水」です。
北海道にある羊蹄山のふもとから湧き出す伏流水を使ったミネラルウォーター。
飲みやすい軟水で、おいしい水100選にも選出される水そのものの美味しさも特徴です。
つづいては、5年保存できるアイリスオーヤマの「保存水」です。
保存期間は製造から5年と備蓄水の中では短めですが、その分お値段はリーズナブル。
備蓄水としても、ローリングストックとしても購入しやすい水だと思います。
最後は、5年保存のAmazon限定販売「by Amazon 長期保存水2L×9本」です。
Amazonブランドの商品で、1ケースに2リットルが9本入っています。
1ケースで2人分、3日間の備蓄目安をカバーできるのはありがたいですね。
価格もお手頃で、軟水なので飲むのも料理にも使いやすい水となります。

ここまで「水の備蓄」についてまとめました。
調べてみると知らないことばかりで、自分の知識不足を痛感しました・・・。
さっそく、我が家にも備蓄水を購入したいと思います。
