一年中安いお財布の味方として親しまれているもやし。
低価格が売りのもやしですが、なぜそんなに安いのでしょう?
もやしの安さには意外な真実がありました!
また「もやしっ子」という言葉があるもやしには、勝手に栄養価が低そうなイメージがありませんか?
そんなもやしの栄養についても調べてみました!
今回は、もやしの安さの理由と栄養についてお伝えします。

もやしって1袋30円くらいで買えちゃうよね。
でも、なんでこんなに安いんだろう?考えたことなかったな・・・。
もやしが安い理由

もやしが安い理由は大きく分けて2つあります。
- 環境変化の影響を受けない
- 出荷が早い
ここからは、この2つについて詳しく説明していきます。
安い理由1 環境変化の影響を受けない
まず、安さの理由を説明するためもやしの栽培方法を簡単にご紹介します。
- 豆を水・湯につけふやかす
- 水で洗う→水を切る、を繰り返す
- 発芽する
- 水で洗う→水を切る、を繰り返す
- 生長し出荷
このように、もやしの栽培に必要なものは水のみ!
普通、植物の生長には水だけでなく日光が必要です。
しかし、もやしは水だけで食卓に出される状態まで生長します。
日光に当てる必要がないため、雨やくもりでずっと太陽が顔を出さなくてもすくすく生長。
天候の影響を受ける心配がないため、一年中同じ値段で安定した流通が可能なのです。
また丈夫に育つには土からの養分も必要ですが、もやしは豆から発芽したばかりの「芽」の状態。
そのためもともと蓄えていた豆の栄養分のみで育ってしまうのです。

だからあんなに安いんだね。
ただし、もやしは病気にかかりやすい上に腐りやすいため、きれいな水で適切な温度調整をする必要があります。
けれどもそれさえ徹底すれば勝手に育つので、とても育てやすい野菜と言えますね。
安い理由2 出荷が早い
もやしの栽培期間はおよそ1週間!

すっごく早いね!
水につけてから1日足らずで発芽し、その1週間後には袋詰めされています。
このように栽培スタートから出荷までのサイクルがとても短いので、大量に生産ができ価格が抑えられるのです。
しかし、もやしは傷みやすいのも特徴です。
その消費期限はほとんどが出荷から1週間以内。
そう考えると、なかなか儚い野菜ですね。
おまけ もやしは安すぎて生産危機?
もやしが安い理由が分かりました。
しかし、それでももやしは安すぎますよね。
スーパーなどで売られているもやしは1袋200gほど。
それがおよそ30円で売られているので、100gあたりの値段はおよそ15円!
旬の時期のかぼちゃなどは100gあたり30円ほどで売られていることもありますが、それでも倍の値段です。
通常価格でこれだけ安くて、生産者は元が取れるのでしょうか?
そう気になり調べたところ、もやしは「安すぎて」生産が危機に陥っていることが分かりました!
物価の上昇によりものの値段も上がっています。
けれども、もやしは40年以上前の1977年と比べ逆に値段が下がっているのです!
2017年には、工業組合もやし生産者協会が「もやし生産者の窮状について」という文書を発表。
生産の機械化によって生産コストが上がる一方、販売価格はどんどん低下するもやし。
その影響で経営状態が厳しくなり廃業した生産者が2009年からの10年以内に100社以上もあることを訴えています。
もやしの生産者は、最低でも「40円」での販売を求めていますが、いかに安くするかを重視する小売業者の前には焼け石に水。
安さに助けられているわたしたち消費者がいるなかで、実は生産者は苦しい状況に陥っていたのです。
安さは嬉しいですが、その結果もやしが食べられなくなるのは悲しいですよね・・・。
もやしの値段は見直される時期にあるのかもしれません。
もやしの栄養
ここからは、もやしの栄養についてお伝えしていきます!

と言いたいところですが、まずお断りがあります。
ここからご紹介する栄養成分量は、すべて「緑豆もやし」のものになります。
まずは、もやしに含まれる主な成分を表にしてみました。
以下の表の数値は、もやし100gあたりの量となります。
エネルギー | 14kcal |
水分 | 95.4g |
たんぱく質 | 1.7g |
脂質 | 0.1g |
炭水化物 | 2.6g |
カリウム | 69mg |
食物繊維 | 1.3g |
では、気になる数値を掘り下げてみます。
まずもやしは100gあたり95.4%が水分です。
つまり、もやしは95%以上が水分ということになります!

ほぼ水じゃん!
その水分量の多さもあり、エネルギーが14kcalと野菜全体でみても超低カロリーです。
炭水化物つまり糖質なども2.6gと少ないので、ダイエット向きの食材と言えます。
そしてもやしは、その残り5%未満にたくさんの栄養を蓄えています。
たんぱく質は1.7g。
これは、同じ100gのにらやなめこと同じ数値です。
さらにもやしは必須アミノ酸・非必須アミノ酸ともに豊富。
特に、非必須アミノ酸のアスパラギン酸は460mgと、他の野菜と比べても多く含まれています。
このアスパラギン酸には、
- 代謝を高める
- ストレス緩和
- 疲労回復
といった効果があるとされています。
ちなみにこのアスパラギン酸は、名前からも察せられるようにアスパラガスに多く含まれる成分として有名です。
しかし、アスパラガス100gあたりのアスパラギン酸は430mg。
実はもやしの方が豊富に含まれていたのです。
まとめ
もやしの安さの理由は2つ。
1つは、太陽の光を必要としないため、天候など環境の影響を受けないから。
もう1つは、生育期間がおよそ1週間と、とても短いスパンで出荷できるからでした。
しかし、機械化などの影響でもやしの生産コストは増加する一方で販売価格は変わらないどころか低下。
その結果、厳しい経営状態になるもやし農家が増えているとのことでした。
また、もやしは95%以上が水分で低カロリー。
けれども疲労回復効果などがある非必須アミノ酸・アスパラギン酸がとても豊富に含まれる栄養価の高い野菜でした。
家計の見方であるもやしの意外な事実が明らかになりました。
ダイエットにおすすめの食材として、これからも重宝していきたいですね!