安くて美味しい家計の味方・もやしには「危険」というウワサが!
しかしどうして、もやしは危険と言われているのでしょう?
その理由はもやしの育った環境が関係していました!
さらに、もやしを安全に、正しく&美味しく食べる方法や保存方法もご紹介します。

献立が思いつかないときに、手軽に買えるもやしがあると便利だよね。でも、そのもやしが危険だなんて・・・。困るよ、どういうことなの?
もやしは危険なのか
もやしには「食べると危険!」というウワサがあります。

お財布に優しい低価格食材の王様・もやしが実は危ないなんて本当なのでしょうか?
また、どうして危険と言われているのでしょう?
その理由や安全な食べ方をご説明します。
「もやしは危険」は本当?
もやしが危険なのは本当です。
しかし、危険なのは間違った食べ方をした場合。
正しい食べ方を守れば、もやしは安全で美味しい家庭の味方です。

よかった~。安心したよ。

でも、その「間違った食べ方」ってどんな食べ方なの?
もやしの間違った危険な食べ方は生食です。
また、加熱不足も危険な食べ方と言えます。
けれども、どうしてもやしの生食が危険なのでしょう?
もやしの「生食」が危険な理由
もやしの生食が危険な理由は、生のもやしが食中毒のおそれがある細菌だらけだからです。
わたしたちがスーパーで見かける時点では、もやし1gに対し100万~1000万個もの細菌がいるとされています。

どうしてそんなに細菌が付いてるの?
その理由は、もやしが細菌が増殖しやすい環境で栽培されるからです。
もやしの栽培の特徴は以下の通り。
- 日光が当たらない暗所
- 水が豊富
- もやしが発芽する熱で温かい
「もやしの栽培についてもっと詳しく知りたい!」という方は、こちらの記事もどうぞ。
このうち「日光が当たらない暗所」というのが細菌繁殖の大きなポイント。
日光の紫外線(UV-Bなど)には強い殺菌効果があります。
この殺菌効果は大腸菌をはじめ腸チフス菌やブドウ球菌などにも有効!
日焼けの大敵とされ嫌われている紫外線ですが、その殺菌効果は侮れませんね・・・。
暗所ではその殺菌効果が得られないため、細菌にとってはパラダイスのような環境になってしまうのです。
もやしに付着する危険な細菌
もやしに付着する主な細菌は大腸菌。

大腸菌はさまざまな種類があり、そのほとんどは無害です。
しかし、もやしに付着する有害な大腸菌は腹痛や下痢、発熱などの症状を引き起こします。
また、何かの拍子にサルモネラ菌・カンピロバクターといった死につながる危険な菌が付着している可能性もあります。
実際、海外ではもやしに付着していたサルモネラ菌による食中毒がけっこうな頻度で起きています。
直近では、2016年にアメリカで32人もの患者を出した事例があります。
カナダでは、2005年に648人もの集団食中毒も発生。
食中毒により死者が発生した事例もあります。
いずれももやしの生食文化があることも原因ですが、加熱不足のもやしでも同様の事件が発生しかねるので注意が必要ですね。
もやしの安全な食べ方
もやしの安全な食べ方は、ズバリしっかり加熱すること!
そもそも日本で生産され出荷するもやしは、加熱して食べることが前提となっています。
たしかに、日本ではもやしの生食文化はありませんよね?
「細菌だらけで危険」ではあるものの、加熱すれば食中毒の原因菌は死滅します。
加熱時間は、大腸菌・サルモネラ菌ともに中心温度75度で1分以上。
そのくらいの加熱時間ならもやしのシャキシャキ感はまだ残っていますね!
このように、安心してもやしを食べるにはしっかり加熱することが大切です。
もやしの美味しい料理法
もやしの美味しい料理法を加熱前・加熱方法からご紹介します。
もやしを加熱する前

もやしの加熱前における料理のコツは2つ。
- ひげ根を取る
- 水にさらさない
以下でご紹介していきます。
ひげ根を取る
食感や歯触り、見映えを良くしたい場合は、もやしを加熱する前にひげ根を取るのがおすすめ!
ひげ根とは、もやしの片方の先端に付いているピロピロした細い根のことです。
ひげ根の取り方は簡単、1本1本手でむしります。
気が遠くなりそうですが、1袋200gくらいなら5分くらいで取り終わります(実体験)。
しかし、ひげ根取りはあくまで食感や見映えを良くするために行うもの。
実は、ひげ根はもやしの中でも栄養が多く含まれる部分です。
そう考えるともったいない気がしますね・・・。
「栄養を摂りたい」という方はそのままでも問題ありません。
「暇すぎる!」や「ワンランク上の家庭料理を目指したい」など、時間と心に余裕がある時におこなうくらいで十分だと思います。
水にさらさない
もやしを水にさらすことはおすすめしません。
その理由は、もやしは水にさらすと栄養が流れ出てしまうから。
また、もやし生産者協会のHPには「料理前の水洗いは必要なし」と書かれています。
もやしは出荷前に水洗いされているので再び洗う必要は無いとのこと。
しかし、匂いや汚れなどが気になる場合はぜひ水洗いしましょう。
もやしの加熱方法
もやしの加熱方法は大きく分けて3つ。
- ゆでる
- 炒める
- 電子レンジ
ここからは、それぞれの加熱方法のポイントをご紹介します。
ゆでる
もやしをゆでるときのポイントはゆですぎないこと。

ゆで時間は、沸騰したお湯にもやしを入れもう一度沸騰してから15秒が目安。
おおむねお湯に入れてから1分くらいがおすすめです。
さらに、ゆでるときにはサラダ油と塩を入れるのもポイント!
油を入れることでもやしの表面が覆われ、もやしの水分が逃げ出さずシャキシャキ感キープにつながります。
油はサラダ油に限らずごま油・オリーブオイルなど料理に合わせて変えてもOKです。
そして、ゆでた後にもポイントが。
ゆでたもやしは陸揚げ(おかあげ)にしましょう。
陸揚げとは、ゆでた野菜などを湯から取り出す際に水にさらさず、ざるなどにそのまま取り置くこと。
ちなみに水にさらす場合は水揚げです。
水揚げするともシャキシャキ感が失われ、もやしの良さが台無しに。
少し時間はかかりますが、美味しいコツはゆでた後の陸揚げです。
炒める
もやしは高温でサッと炒めるのがおすすめです。

短い時間で火を通すためには、炒める前にもやしに油をなじませるのがポイントです。
これはゆでるときに油を入れるのと同じで、もやしをコーティングし水分が出ないようにするために行います。
さらに、油をまとわせることで火の通りが早くなり、加熱時間を短くすることにもつながります。
またフライパンはあらかじめよく熱しておき、もやしを極力傷つけないように炒めるのもポイントです。
電子レンジ

洗い物も少ない&時短で注目なのが電子レンジ調理です。
1袋200gなら500W3分ほどでOK。
ポイントは、チンする前に水洗いをし軽く水気をきっておくこと。
また、耐熱容器に入れラップをふんわりかけましょう。

食材を温めるときのラップは「ふんわり」が常識だね!
ぴっちりラップをしてしまうと、爆発し掃除が大変になるので注意が必要です。
もやしの保存方法
もやしを保存するときは冷蔵庫のチルド室に入れるのがおすすめ!

もやしは腐りやすい野菜です。
そのため、なるべく低温の環境で保存しもやしの腐敗を遅らせるのがポイント!
もしチルド室がない場合は通常の冷蔵室でもOKです。
ちなみに、メーカーによって少々変わってきますが、冷蔵庫の各部屋の温度をまとめてみました。
野菜室 | 5~7℃ |
冷蔵室 | 3~5℃ |
チルド室 | 0℃ |
冷凍室 | -18℃以下 |
また、もやしを水漬けにし冷蔵庫で保存する方法もありました。
方法はもやしを保存容器(タッパーなど)に入れ水をかぶるくらいまで入れるのみ!
水につけておくことでもやしの生育環境に近づけることができ、普通に冷蔵保存するよりも新鮮さを長持ちできるとのこと。
この情報が掲載されたオレンジページによると、2日に1度水を換えれば10日間も新鮮なまま保存できるとのこと。
そのオレンジページのウェブ記事はこちらです。

10日はスゴいですね・・・。
しかし、やはり消費期限内に食べてしまうのが一番でしょう。
また、どうしても期限内に食べられないといった場合には、加熱し調理してしまうのも一つの手。
加熱することにより2~3日は冷蔵庫保存が可能となります。
まとめ
もやしは生食すると危険な食材でした。
太陽の光を浴びずに育つもやしは細菌が多く付着し、生食すると食中毒を引き起こす可能性もあります。
もやしを食べるときは必ず加熱し、中までしっかり火を通すことが大切です。
また、もやしのシャキシャキ感をキープするには加熱しすぎないのがポイント。
保存はチルド室などなるべく低温の場所が良いことも分かりました。
安価で美味しいもやしも食べ方を間違えれば危険です。
しかし、美味しく正しい食べ方を知れば安心!これからも安全にもやしを楽しみましょう。