寒い時期になると食べたくなるあったかメニューの「クリームシチュー」。
そんなクリームシチューは日本発祥の料理と言われています。
いかにも洋食!といったクリームシチューは本当に日本生まれなのかを調査しました。
そもそも「シチュー」とは?
さらに、シチューミクス・シチュールウがない場合でもOKな手作りシチューの作り方についてもまとめています。
「クリームシチュー」とは?
クリームシチューは、肉(鶏肉・豚肉)と野菜(玉ねぎ・ニンジン・ジャガイモなど)の野菜を煮込み、ホワイトソースを加え、さらに牛乳を加えたものとなります。

その見た目からホワイトシチューと呼ばれることもあります。
そもそも「シチュー」とは?
シチュー(stew)は野菜や肉、魚介類を出汁・ソースで煮込んだ料理の総称です。
stewは英語で、英語で煮込むことはstewingといいます。
ちなみにフランス語ではラグー(ragout)がシチューに対応する言葉とされています。
大まかにいえば『煮込み料理』を表す言葉ということですね。
クリームシチューは日本発祥?
洋食の代表!といったイメージのクリームシチュー。

けれども、このクリームシチューは日本発祥です。
クリームシチューの原型とも言えるのが、第二次世界大戦の後、学校給食で提供された『白シチュー』という料理。
この白シチューは牛乳の代わりに脱脂粉乳を使用したもので、子どもへのカルシウム補給を目的に開発された料理とされています。
脱脂粉乳の利用が減るにつれ、白シチューは現在の牛乳を使用するクリームシチューへと変わっていったとのことです。
クリームシチューが家庭料理の定番になったのは?
白シチューは学校給食で人気を博しました。
そんな白シチューを家庭で簡単に作れるようにと開発されたのが『シチューミクス』。
ハウス食品から1966年に発売されると、現在でも愛される人気商品となりました。

わたしも使用したことがありますが、肉と野菜を煮込んだ後にミクスを振り入れるだけでシチューの基礎ができるので便利ですよね。味も完璧に決まりますし。
海外のシチューについて
クリームシチューは日本で戦後に生まれた料理なので、海外にはありません。
では海外のシチューとは?となりますが、主に海外のシチューは野菜を煮込んだスープ全般を指します。
日本と同じように海外でも、シチューは家庭料理。
各家庭や地域によって具材や味付けが大きく異なります。
そのうち、アイルランドの『アイリッシュシチュー』の中には、日本のクリームシチューを作るときに参考にしたシチューもあるとのこと。
また、海外のシチューのうち、日本でもなじみが深いものに『ビーフシチュー』があります。

ビーフシチューは赤ワインやトマト、デミグラスソースで牛肉や香味野菜を煮込んだ料理。
具材を大きくカットした、具材が主役のスープというイメージですよね。
このビーフシチューはイギリス発祥の料理で、日本では明治時代から洋食レストランにて提供されています。
高級感があり、材料がやや高価なので家庭料理としてはあまりメジャーではありませんよね。
そのこともあり、クリームシチューよりも以前から日本にあるにもかかわらず、いつの間にかナンバー1シチューの座をクリームシチューに奪われているのがビーフシチューの悲しいところですね。

ビーフシチュー=牛肉というイメージが強いからか、クリームシチューには牛肉を使わずに鶏肉・豚肉を使うことが多いよね。
シチューはミクス・ルウがなくても作れる?

『シチューミクス』や『シチュールウ』がない場合は、ベシャメルソースを手作りすればシチューは簡単に作れます。
ベシャメルソースとは?
ベシャメルソース(sauce béchamel・フランス語)とは、牛乳とバターを加熱して混ぜたルウに牛乳を加えて混ぜたものです。
フランス生まれのベシャメルソースは、いろいろな料理の基本となるマザーソースの1つ。
ベシャメルソースにいろいろな材料を加えることで、新たなソースを作り出せます。
ベシャメルソースがベースとなったソースの代表がホワイトソース(クリームソース)。
ホワイトソースは、ベシャメルソースに生クリームを加えたものとなります。
日本ではベシャメルソースを『ホワイトソース』と混同していることが多いので注意が必要です。
ちなみに、冒頭で
<クリームシチューは、肉(鶏肉・豚肉)と野菜(玉ねぎ・ニンジン・ジャガイモなど)の野菜を煮込み、ホワイトソースを加え、さらに牛乳を加えたものとなります。>
と説明しましたが、この『ホワイトソース』は『ベシャメルソース』でもOKです。


正直、わたしもホワイトソース=バターと小麦粉を熱して牛乳を混ぜたもの(本当はベシャメルソース)だと思っていました。
また、ベシャメルソース単体では、グラタンやクリームコロッケ、ドリアなどに使用されます。
ベシャメルソースの作り方
ベシャメルソースの作り方を材料・分量と工程からお伝えします。
まずは材料・分量、作りやすい分量にてお伝えします。
- 小麦粉:大さじ2
- バター:大さじ2強
- 牛乳:200ml
この分量で4~6人分のシチューが作れます。
分量を変える場合でも、小麦粉とバターは1:1(同じ量)であることを守ればOKです。
つづいては工程です。
- フライパンにバターを入れて弱火で加熱する
- バターが溶けたら小麦粉を振り入れ、なめらかになるまでよくまぜる
- 均一に混ざったら牛乳を少しずつ加えて混ぜる
- 牛乳はできれば温めておくと良い(冷たいままでも作れます)
- そのまま弱めの中火にかけ、混ぜ続ける
- ぽったりとクリーム状になったら火を止める
牛乳を入れてすぐは全然混ざる気がしませんが、混ぜ続けると真っ白になり、感触がポタポタしてくるので面白いです。
強い火力で混ぜ続けると焦げてしまうので火加減は弱めにしましょう。
ベシャメルソースをシチューに加えるタイミングは?
ベシャメルソースは肉と野菜に充分火が通った後、ルウを入れるタイミングに加えます。
ルウとは違い、加えるときに火を止める必要はありません。
ゆっくりと注ぎ入れ、弱火で全体をよく混ぜ続ければシチューになります。
とろみがついたらOK 、沸騰させないように注意しましょう。
また、ルウから作らないシチューは味付けがされていないので、とろみがついたタイミングで塩(適量)を加えることを忘れずに。

ここまでクリームシチューのルウがないときでも安心のベシャメルソース作りでした。
【まとめ】クリームシチューの基本
- クリームシチューは肉と野菜を煮込みホワイトソース(ベシャメルソース)で煮込んだ煮込み料理
- シチューとは英語で煮込み料理の総称
- クリームシチューは日本で戦後に生まれた料理
- クリームシチューのミクス・ルウの代わりにはベシャメルソースを手作りすればOK
ここまでクリームシチューについてまとめました。
クリームシチュー=日本生まれというのは驚きですが本当でしたね。
日本生まれ日本育ちの家庭料理・クリームシチューをこれからも美味しく頂きましょう♪