和総菜の中でも高い人気を誇る「きんぴらごぼう(金平牛蒡)」。
そんな「きんぴらごぼう」ですが、なぜ「きんぴらごぼう」という名前なのでしょう?
調べてみると、歴史上の人物にまつわる意外な由来が明らかになりました!
さらに、きんぴらごぼうの基本や簡単な作り方もまとめています。
『きんぴら』という名前の由来
きんぴらごぼうの『きんぴら』という名前は坂田金平(さかたのきんぴら)という人物が由来です。
坂田金平は江戸時代に流行した古浄瑠璃・金平浄瑠璃の主人公。
その坂田金平は強くて勇ましい人物とされており、ごぼうのしっかりした食感や歯ごたえ、唐辛子のピリ辛さを彼の強さに例えて名付けたとされています。
ちなみに、坂田金平は昔話・金太郎で有名な坂田金時の息子という設定でもあります。
あの「金太郎」の息子がきんぴらごぼうの名前の由来だったなんて・・・。
「きんぴらごぼう(金平牛蒡)」という言葉が初めて文献に登場するのは、江戸時代後期の1800年代初頭。
1700年代には「きんぴらごぼう」という料理は存在していたと考えられます。
きんぴらごぼうは300年以上も日本で愛されている料理だったのですね。
そもそも「きんぴらごぼう」とはどんな料理?
「きんぴらごぼう」とは、長細く切ったごぼう・にんじんなどを甘辛く炒めた和食の総菜です。
調味料は醤油や砂糖が主に使われ、他にも酒やみりんなどを加えることもあります。
また、最近ではめんつゆで味付けを決めることも。
一般的にはさらに鷹の爪(唐辛子)を入れ、辛みを加えることが多いですね。
しっかり水分を飛ばせば、保存性が高まり作り置き・常備菜にも向いています。
ごぼう以外の「きんぴら」について
「きんぴら」で使われる野菜はごぼう以外でもOK。
ごぼう以外の野菜を使って作られることも多々あります。
その代表的な野菜は『れんこん』。
れんこんはきんぴらごぼうに入っていることも多いですね。
しっかりした食感のごぼう・にんじんとシャキシャキしたれんこんのハーモニーは最高ですよね。
また、同じく根菜の『大根』、特に『大根の皮』を使用することもあります。
和食の基本の味、ともいえる甘辛味で炒めれば、基本的に何でも「きんぴら」のようですね。
変わり種きんぴらも人気
近年はきんぴらごぼうに肉を入れた『おかずきんぴら』や、塩・塩麹で味付けをした『塩きんぴら』など「変わり種きんぴら」も増えています。
『おかずきんぴら』は、普段は副菜のきんぴらが主菜になる便利レシピ。
使用するお肉は牛・豚のバラ肉がオススメです。
また『塩きんぴら』はさっぱりと食べたいときにオススメ。
料理酒の代わりに白ワインで炒めると洋風になり、洋食のおかずにもマッチします。
「きんぴらごぼう」の作り方
きんぴらごぼうは、野菜を干し切りにして、油で炒め、甘辛く調味することでできます。
そんな「きんぴらごぼう」の作り方を簡単にまとめてみます。
「きんぴらごぼう」の材料・分量
きんぴらごぼうの材料と2人分ほどの分量です。
材料 | 分量(2人分) |
---|---|
ごぼう | 150g |
にんじん | 50g(1/3本) |
鷹の爪 | 1本(お好み) |
油(サラダ油・ごま油など) | 大さじ1 |
醤油 | 大さじ1~1と1/2 |
砂糖 | 大さじ1 |
酒(みりん) | 大さじ1 |
使用する油はサラダ油・ごま油などお好きなものでOK。
炒めるのはサラダ油で、仕上げの香り付けにごま油を垂らす、でも良いですよ。
また、酒はみりんでも代用OK。
甘みが強めで照りを出したい場合はみりんを使用すると良いでしょう。
「きんぴらごぼう」の調理工程
きんぴらごぼうの調理工程です。
1 ごぼう・にんじんを切る
切る前に、ごぼうはまず泥を洗い流します。
ごぼうはタワシや丸めたアルミホイルなどでしっかり泥の部分を刮げ落とすようにしましょう。
にんじんは水洗いし、お好みで皮を剥きます。
ごぼう・にんじんは細切りにします。
『細切り』は
- 横4~5cmの長さに切る
- 縦に薄切りにする
- 繊維に沿って縦に細く切っていく
という工程で行います。
ちなみに、ごぼうは細切りではなく『ささがき』という切り方をすることもよくあります。
ささがきは、ナイフで鉛筆を削るように削ぎ落としていく、ごぼうの特徴的な切り方です。
厚さがバラバラなので食感の違いが楽しめるのがささがきのメリット。
しかし、厚さがバラバラな分火の通りが一定ではないのがデメリットです。
その後、ごぼうのみ『アク抜き』の工程を行います。
細切りにしたごぼうを水にさらし、5分ほど置いたらザルにあげ、水気を切ります。
ごぼうは切って空気に触れた途端に変色が始まるので、切りながら水にさらしていくのがオススメです。
また、お好みで入れる鷹の爪は輪切りにしておきましょう。
2 ごぼう・にんじんを炒める
フライパンに油を敷き、鷹の爪を入れ、弱火で香りが立つまで熱します。
香りが立ったらごぼう・にんじんを加え、炒め合わせます。
油がよく回り、しんなりするまで炒めましょう。
3 甘辛く調味する
野菜がしんなりしたら、まず砂糖を入れよく絡めます。
その後、酒(みりん)、醤油の順にいれ、その都度よく混ぜます。
汁気が飛ぶまで炒め続けたら、完成です。
炒め時間は5分ほどですが、倍量で作る場合は汁気が増えるのでもっと時間がかかります。
時間に余裕を持って作るようにしたほうがよいでしょう。
皿に盛り、仕上げにゴマを振りかけると見た目も仕上がります。